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ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは洋上試験を完了した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2020年11月13日13時51分配信
【大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は国家試験を完了した】
カリーニングラード、11月13日-ロシア通信社ノーボスチ

沿バルト造船工場『ヤンターリ』で建造された大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、国家試験を完了した。
同社広報サービスは発表した。

「工場『ヤンターリ』は、大型揚陸艦ピョートル・モルグノフの国家試験プログラムを完了しました。
艦は工場の埠頭へ戻ります。
今年に大型揚陸艦ピョートル・モルグノフのロシア海軍への引き渡しを計画しております」

声明では、こう述べられた。

大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」は、プロジェクト11711の最初の生産艦であり、公開株式会社『ネヴァ川計画設計局』により開発された。
ロシア連邦国防省との建造契約は2014年9月に署名され、艦は2015年6月に起工され、2018年5月に進水した。

2019年12月、艦は工場航行試験へ着手し、今年3月末には修理作業を行なう為に沿バルト造船工場『ヤンターリ』水域へ戻った。
2020年5月末、「ピョートル・モルグノフ」は工場航行試験の最終段階の為にバルト海へ出航した。

プロジェクト11711大型揚陸艦は、揚陸部隊の上陸、車両及び機材の移送の為に意図されており、300名の海軍歩兵、30両以上の装甲車両或いは13両の戦車を移送し、上陸させる事が出来る。
艦は輸送揚陸ヘリコプターKa-29を装備する。
同プロジェクトは、ポンツーン手段の使用による艦から無防備の海岸への揚陸部隊と車両の非接触下船のアイデアを実現させた世界唯一のものである。

沿バルト造船工場『ヤンターリ』(『統合造船業営団』へ加入)は、ケーニヒスベルク造船所『フェルディナンド・シーヒャウ商会』を基にして1945年7月8日に設立された。
軍用及び民間の小-中規模トン数の船の建造を専門とし、船の修理作業を行なっている。
合計して工場は160隻の軍用艦と500隻以上の民間船を建造した。



[プロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)]
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プロジェクト11711大型揚陸艦の2番艦は、当初2010年に起工される予定でしたがキャンセルされ、2014年9月に改めて建造が決定されました。
[ロシア海軍の大型揚陸艦イワン・グレン型の2番艦が建造される]

「ピョートル・モルグノフ」と命名された2番艦の為の工事は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2014年12月から始まりました。
[プロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフの建造が始まった]

2015年6月11日、「ピョートル・モルグノフ」の起工式典が開催されました。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]

その後、屋外造船台で船体の組み立てや上部構造物の取り付けなどが進められました。


起工から約3年を経た2018年5月25日に進水しました。

[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは進水した]

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艤装中の「ピョートル・モルグノフ」は、2018年12月末にディーゼル発電機を始動させました。
[ロシア海軍のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフはディーゼル発電機を始動した]

造船所の岸壁での「ピョートル・モルグノフ」の係留試験(と乗組員の居住)は2019年5月中旬に始まり、6月中旬には洋上試験の開始が予定されていました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年5月中旬に係留試験を開始する]
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年6月中旬に洋上試験を開始する]

その後、洋上試験開始時期は2019年9月に延期されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711(イワン・グレン型)大型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは2019年9月に洋上試験を開始する]

結局、洋上試験(工場航行試験)が開始されたのは2019年12月13日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を開始した]

「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2019年末に予定されていましたが、2020年春頃に延期されました。

2020年1月23日、「ピョートル・モルグノフ」バルト海で洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

試験を終えてバルチースクへ一旦戻った後、3月19日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を行なう為に出航した]

海岸への車両の上陸試験と30mmガトリング砲の射撃試験を行なった後、3月30日にカリーニングラードへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海での射撃試験を完了した]

洋上試験は4月中旬の再開が予定されていましたが、5月初頭に延期されました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフの洋上試験は2020年5月上旬以降に再開される]

結局、洋上試験(工場航行試験)が再開されたのは5月25日でした。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を続ける]

バルト艦隊海上航空隊の協力により「ピョートル・モルグノフ」レーダー(電波位置測定ステーション)などの動作試験が行なわれ、5月29日には兵装の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で射撃試験を実施した]

工場航行試験は6月初頭の完了が予定されていましたが、7月中旬にずれ込みました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは2020年6月上旬に工場航行試験を完了する]
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフは工場航行試験の最終段階を開始した]

工場航行試験の完了後、「ピョートル・モルグノフ」は最終洋上試験となる国家試験を始める予定でしたが、その前に『ロシア海軍の日』(毎年7月の最終日曜日、2020年は7月26日)の観艦式(主要海軍パレード)へ参加する事になりました。
[最新鋭大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはクロンシュタットで2020年7月26日の『ロシア海軍の日』観艦式へ参加する]



『ロシア海軍の日』観艦式が終わった後、「ピョートル・モルグノフ」は洋上試験を再開しました。

しかし、9月29日に洋上試験を終えてカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ戻ってきた「ピョートル・モルグノフ」コロナウイルスの検査を行なった結果、41名が陽性反応を示しました。
この為、陽性患者は入院し、残る乗組員も艦内に隔離される事になりました。
当然の事ながら洋上試験は中断する事になりました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフ乗組員はコロナウイルスに感染した]

それから1ヶ月以上経った11月3日、「ピョートル・モルグノフ」は洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海で洋上試験を再開した]

11月7日には30mm機関砲AK-630Mによる機雷掃討を行ないました。
[ロシア海軍の最新大型揚陸艦ピョートル・モルグノフはバルト海の洋上試験で機雷を掃討した]

11月13日までに洋上試験は全て完了しました。

「ピョートル・モルグノフ」ロシア海軍への引き渡しは、2020年12月末までに予定されています。


プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、2018年6月20日に就役しています。
[プロジェクト11711大型揚陸艦の1番艦イワン・グレンはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

以前にはプロジェクト11711の建造は2隻(イワン・グレン、ピョートル・モルグノフ)で終了する予定でしたが、2隻が追加建造される事になり、2019年4月23日に「ウラジーミル・アンドレーエフ」「ワシーリー・トルシン」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト11711大型揚陸艦ウラジーミル・アンドレーエフとワシーリー・トルシンはカリーニングラードで起工された]

この2隻は、最初の2隻よりもサイズが拡大した改良型になります。
[サンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で改イワン・グレン型揚陸艦カイマンが公開された]
[改イワン・グレン型大型揚陸艦2隻は2023-2024年にロシア海軍へ就役する]
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