新世代コルベット「ボイキー」に100mm砲が設置された


『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
【最後の「アルセナル」100mm砲は「ボイキー」に設置された】
2013年1月18日
昨年(2012年)12月28日、サンクト-ペテルブルクの株式会社「機械製造工場アルセナル」で製造された最後の100mm砲装置「ウニヴェルサール」は、セーヴェルナヤ・ヴェルフィへ発送された。
『中央海軍ポータル』は、同社の情報提供者より伝えられた。
「アルセナル」で生産された最後の砲装置A190-01は、既に株式会社「造船工場セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されたプロジェクト20380コルベット「ボイキー」:工場番号1003に設置されている。
現在、設置及びケーブル線との接続、砲とレーダー射撃管理システム、他の艦載機器との「接合」が行なわれている。
砲装置A-190の技術的信頼性の低さと「機械製造工場アルセナル」への資金供給が不十分であったが故に、サンクトペテルブルク造船工場でロシア海軍の為に建造された艦への供給は幾度に渡り停滞し、それ故、工場航海試験及び国家試験は主要砲装置が無いままでの開始を余儀なくされ、海軍への戦闘艦の引き渡し時期は遅延した事が想い起される。
具体的に言えば、造船商会「アルマーズ」で建造されたプロジェクト21630小型砲艦「ブヤン」の「ヴォルゴドンスク」と「マハチカラ」は、砲装置が無いまま進水した。
「ヴォルゴドンスク」は、海軍総司令官ウラジーミル・ヴソツキー大将の要望により、国際海軍サロン-2011(IMDS-2011)への出展が決定された。
この為、まだ射爆場試験を完了していない砲装置が、特別に小型砲艦へ取り付けられた。
サロンが終わると、砲塔は解体され、仕上げの為に送り返された。
小型砲艦は、バルト海において試験の殆どを砲装置無しで実施した。
結局、砲装置が艦に設置されたのは、同年(2011年)晩秋になった。
この為、小型砲艦「ヴォルゴドンスク」の引き渡し時期は、約半年遅延した。
同様に、砲装置の納入遅延の為、小型砲艦「マハチカラ」の試験と海軍への引渡時期はスケジュールよりも遅れる事になった。
コルベット「ボイキー」もまた、「アルセナル」で生産される100mm砲装置が無いままで進水した。
試験及び海軍への引き渡しの総合スケジュールの遅延を防ぐ為、コルベットの工場航海試験の第1段階は砲無しで実施された。
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」総取締役アレクサンドル・ウシャコーフは、同艦は2012年末に海軍へ引き渡す計画だったが、砲装置の欠如により実現できなかったと表明した。
今、コルベット「ボイキー」に砲が設置された後、試験の継続及び完了の為、工場岸壁からバルチースクへ向かう。
機械工場「アルセナル」から出荷される新たな艦への100mm砲装置の納期遅れという現在の困難な状況を克服する為、2010年、同シリーズの艦砲の生産をニジニ-ノヴゴロドの株式会社『中央化学研究所ブレヴェストニク』へ移管する決定が採択された。
「ブレヴェストニク」が「モトヴィリンヒスキー工場」と協同で造った最初の艦砲は試験に合格し、近い内に「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場」で建造されているプロジェクト21631小型ロケット艦のトップ「グラード・スヴィヤージスク」へ送られる。
プロジェクト11356Mフリゲート、プロジェクト20380コルベット、プロジェクト21630小型砲艦に装備されるA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲は、サンクト-ペテルブルク市の『機械製造工場アルセナル』で製造されていました。
【株式会社『機械製造工場アルセナル』公式サイト】

しかし、今回の記事に有るように、同社は100mm砲の納入を何度も遅延し、この為、ロシア海軍の新造艦の就役スケジュールも遅延する事になりました。
[アストラハン型砲艦「ヴォルゴドンスク」就役]
コルベット「ボイキー」は、100mm砲を搭載しないままで航海試験を始めました。
[ロシア海軍最新コルベット「ボイキー」海上試験開始]
[新世代コルベット「ボイキー」は工場航海試験を開始した]
[最新コルベット「ボイキー」、2012年末に就役?]
結局、「ボイキー」への100mm砲「ウニヴェルサール」搭載は、今回の記事に有るように、今月にずれ込みました。
同艦は1月22日にサンクト-ペテルブルクを出港しています。

これが「アルセナル」で生産された最後の「ウニヴェルサール」砲になります。

今回の記事で触れられていますが、「ウニヴェルサール」の生産は、ニジニ-ノヴゴロド市の『中央化学研究所ブレヴェストニク』及びペルミ市の『モトヴィリンヒスキー工場』へ移管されることになりました。
【株式会社『中央化学研究所ブレヴェストニク』公式サイト】

【株式会社『モトヴィリンヒスキー工場』公式サイト】

『ブレヴェストニク』及び『モトヴィリンンヒスキー工場』が協同生産したA-190-01の第1号は、1月初頭に国家試験に合格しています。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2013年1月14日配信
【艦載砲A190-01は国家受領試験に合格した】
この第1号100mm砲は、小型ロケット艦「グラード・スヴィヤージスク」に設置されるようです。
[カスピ小艦隊は2013年に5隻の戦闘艦艇を取得する]
[カスピ小艦隊は新たなロケット艦を取得する]
今後建造されるプロジェクト11356Mフリゲート、プロジェクト20380/20385コルベット、プロジェクト21631小型ロケット艦に装備される100mm砲「ウニヴェルサール」は、『ブレヴェストニク』及び『モトヴィリンンヒスキー工場』で製造される事になります。
11356Mは6隻、20380/20385は15~16隻程度、21631は10隻程度建造される見込みなので、100mm砲は最低で30基以上は生産される事になります。
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