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ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフは大規模な近代化改装を行なう

『イズベスチヤ』より
2020年12月10日0時1分配信
【フリゲート「ウダロイ」:太平洋の境界線は「ツィルコン」を持つ艦により護られる】

大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」は近代化され、強力なミサイルを搭載する。
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極東「ウダロイ」により護られる。
国防省は、プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」の高度な近代化の実施を計画している。
長い討議の後、大型対潜艦多機能フリゲートへ変える事を可能にする作業に関する根本的な決定が採択される。
それは、有翼ミサイル「カリブル」Kh-35で武装し、そして一番肝心なのは、極超音速の「ツィルコン」を搭載する事である。
これに加え、「アドミラル・ヴィノグラードフ」対空防衛手段も著しく強化される。
フリゲートは、太平洋艦隊への加入が計画されている。
専門家によると、ロシアの艦は、極東で最も強力なものの1つとなる。

[海賊との闘い]
「ヴィノグラードフ」
は、大規模なアップグレードを行なう2番目に古いプロジェクト1155艦となる。
最初に近代化された「マルシャル・シャーポシニコフ」は、今年に航行試験へ出た:それは有翼ミサイル「カリブル」及びKh-35の為の発射装置を得た。
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『イズベスチヤ』軍事産業企業体及び国防省の情報提供者が話したように、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」近代化作業の問題に関する根本的な決定が採択される。
ではあるが、最終的な問題、更に必要な作業の量は、艦自身の分析が行なわれた後にのみ決定される。

対談者によると、艦は「シャーポシニコフ」のような強力な装備を待っている。
2番目の近代化では、一連の追加の発射装置の取得が提供され、有翼ミサイル「カリブル」及び極超音速の「ツィルコン」の射撃が可能になる。
加えて、フリゲートは、より強力な対空防衛手段の装備が計画されている。
おそらく、同艦は高射複合体「パーンツィリ-M」を得ると情報提供者は説明した。

今年、「ヴィノグラードフ」の近代化プロジェクトの可能性についての情報が公開情報源から現れた。
これは特に、最新の航法装置、通信装置、電波電子兵装、複合体「カリブル」対魚雷システム「パケート」についての話である。
しかし、如何なる公式な情報も、未だ発表されてはいない。

プロジェクト1155「ウダロイ」は、合計で12隻が建造された(更なる1隻は改善プロジェクト1155.1)。
現在、海軍は8隻のプロジェクト1155艦を有する。
「マルシャル・シャーポシニコフ」、「アドミラル・ヴィノグラードフ」、「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」太平洋艦隊へ加入している。
「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、「セヴェロモルスク」、「アドミラル・レフチェンコ」北方艦隊に編入されている。
「アドミラル・ハルラモフ」は動いていない。
そして「アドミラル・チャバネンコ」~改善プロジェクト1155.1は、艦船修理工場に居る。

「ウダロイ」は技術的に完璧な艦である事を見せた:動力装置は、ボイラータービンシステムの運用により起こる多くの問題の回避を可能にした。
大型対潜艦水中音響ステーション「ポリノム」、水上目標にも打撃を与える事が可能な対潜ミサイル複合体「ラストルブ-B」、更には近接ゾーン高射ミサイル複合体「キンジャール」で武装した。
艦の砲兵装は、100mm砲、30mm自動砲である。
艦上には、2機の対潜ヘリコプターKa-27の為の格納庫を持つ。

これらの大型対潜艦は、長年に渡り海軍水上部隊の中核であった。
彼らは、自国の領海の外で一度ならず人道支援活動へ参加した。
1989年に艦隊へ加わった「アドミラル・ヴィノグラードフ」もまた、戦闘任務を遂行した。
特に、2009年にはアフリカの角海域で海賊から船を保護した。
(同年)1月13日、フリゲートは、高速艇による海賊の攻撃を受けたネーデルラントの船「ネドモルト・バレンス」から援助を求める信号を受けた。
甲板からKa-27が上がり、海上強盗の追跡を止めさせた。

[更なる勤務]
昨年、「ヴィノグラードフ」は遠距離航海を行ない、アジア-太平洋地域の港へ寄港した。
この前の11月末には、アメリカ駆逐艦「ジョン・マケイン」日本海ロシア領海への侵入を阻止した。
軍当局が伝えたように、我々の艦はアメリカ人へ警告し、体当たり進路を取った。
その直後、ロシア領海へ2km入り込んだ駆逐艦は中立海域へ戻った。

「当初、これらの艦は、純粋に対潜艦として建造されました。
基本ヴァージョンは、高度な対空防衛手段と打撃能力が有りませんでした」

軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「今、海軍は、広範囲の任務を果たすことが出来る素晴らし装備の多目的フリゲートを得ます。
これは、地上施設と敵艦へ打撃を与える事が出来ます。
もちろん、対潜作戦は高水準で実施されます」


専門かによると、ロシア海軍は、このような役割の艦の大いなる必要性を感じている。

「今、海軍の為に、最新のプロジェクト22350フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"が建造されております」
彼は述べた。
「合計で10隻の艦が発注されますが、その作成は長いプロセスです。
現在は、2隻のフリゲートのみが在ります。
従いまして、シリーズが建造されるまで、基本的な任務は近代化されたプロジェクト1155艦が遂行する事になります」


今、業界は大洋ゾーン大型艦の建造に努力していると元海軍総参謀長ワレンチン・セリヴァノフ提督は『イズベスチヤ』へ話した。
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「我々は、未だアドミラル・ゴルシコフアドミラル・カサトノフしか建造しておらず、これらには多くの年月が掛かりました。
シリーズの他の代表が彼らに加わる時期について、今申し上げるのは非常に労力を有する事です。
ウダロイは大型艦です。
これらは、潜水艦が主な脅威と考えられていた30年以上前に建造されました。
その数十年の勤務で、全ての機器装置は遥かに先を進んでおりました。
従いまして、フリゲートへの変身の決定は正しい事です」


近代化の後、「ウダロイ」は少なくとも、更に5年は勤務できる事を提督は確信している。

「それは、多目的に使用されます。
その一方で、強力な対潜兵装を持ちます:ミサイル、魚雷、爆雷。
私は近代化により、最も現代的な潜水艦捜索手段が供給される事を確信しております」

提督は強調した。
「一方、ミサイルが置かれれば、それは打撃艦となります。
大きな寸法は、艦上への強力な高射ミサイル複合体の配置を可能にします。
費用と効率性の比較の観点において、これは良い選択肢です。
このような近代化は、10倍高価で、何時完成するのかが分からない新たな艦の建造よりも妥当でしょう」


今、海軍は海上グループとの戦闘に特別な注意を払っている。
艦の目標は航空隊へ向けられる:航空機は、敵の出現を事前に警告するのみならず、対空防衛システムS-400、S-500及び艦載高射ミサイル複合体有翼ミサイルの為の指示を出す事が出来る。
MiG-29KRMiG-29KUBRは、既に情報交換システムを取得しており、Su-33は、現在近代化を準備している。



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ロシア太平洋艦隊プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」(1989年5月1日就役)は、2020年2月~3月に掛けてアジア-太平洋地域への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはスリランカを去った]

2020年8月~9月にもアジア-太平洋地域への遠距離航海を行ない、この間にインド海軍との合同演習『インドラ・ネイヴィー-2020』へ参加しています。
[ロシア太平洋艦隊インド遠征(2020年8月-9月)]

11月下旬には、ピョートル大帝湾アメリカ海軍ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」の領海侵犯を阻止しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフはピョートル大帝湾でアメリカ海軍駆逐艦ジョン・S・マケインの領海侵犯を阻止した]


ロシア太平洋艦隊のワークホースとして活動し、毎年遠距離航海を行なっている「アドミラル・ヴィノグラードフ」ですが、今後は大規模な近代化改装が予定されています。

「アドミラル・ヴィノグラードフ」の近代化改装は、同型艦「マルシャル・シャーポシニコフ」よりも更に大規模になるかもしれません。
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具体的には、有翼ミサイル「カリブル」垂直発射機対艦ミサイル「ウラン」発射筒「マルシャル・シャーポシニコフ」よりも増やされ、更には高射ミサイル複合体「キンジャール」から「シチーリ-1」(「アドミラル・グリゴロヴィチ」型フリゲートが搭載)に換装し、対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」も装備されるようです。
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