ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はキプロスのリマソール港を訪れた
- カテゴリ:地中海情勢(2020年)

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
2020年12月19日17時0分配信
【バルト艦隊の水上修理所はキプロスのリマソール港へ寄港した】
バルト艦隊の水上修理所PM-82は、キプロスのリマソール港への業務寄港を行なった。

業務寄港中に水上修理所の乗組員は、燃料及び水の在庫補充を行ない、その後、シリアのタルトゥース港への移動を続ける。
12月20日、水上修理所は指定場所へ到着し、この地域で任務を遂行するロシア海軍作戦連合部隊の艦及び潜水艦の技術的準備状態を確保する為の任務遂行へ着手する。
PM-82の乗組員には、様々な種類の艦及び潜水艦の修理をてきぱきと行なう事が可能な特徴を持つ専門技術者が居る。
水上修理所の技術的作業室は、全ての必要な設備を持つ小さな工場である。
補助船は、海上及び駐留場所で直接に艦への技術的支援を与える事が出来る。
補助船には、バルト艦隊海軍歩兵連合部隊の対テログループが常時乗り組んでいる。
PM-82は、用途上の任務を遂行する為、11月30日にバルチースクから出航して地中海へ向かった。
2010年代半ば以降、黒海艦隊の水上修理所(工作船)PM-56とPM-138は交代で地中海東部へ派遣され、半年程度のローテーションでシリアのタルトゥースへ駐留し、同海域で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスを行なっていました。

工作船PM-56

工作船PM-138

タルトゥースのロシア海軍物資・技術サービス供給所

プロジェクト304水上修理所(工作船)PM-82は、1977年12月22日にポーランドの『アドルフ・ワルスキー記念シュチェチン造船所』で起工され、1978年5月13日に進水し、同年9月30日にソ連海軍へ引き渡されました。
就役後、赤旗2度受賞バルト艦隊へ編入されました。

2014年からバルチースクの「第33艦船修理工場」で近代化改装が行なわれ、2016年秋に復帰しました。



PM-82は、2017年6月中旬にシリアへ派遣され、地中海東部で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスに従事しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はシリア沖に到着した]
その後、2017年10月下旬には黒海艦隊の工作船PM-56と交代して地中海東部を去り、11月13日に母港バルチースクへ帰投しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2017年11月13日17時11分配信
【バルト艦隊の水上修理所(工作船)は地中海からバルチースクへ戻った】
2018年7月、PM-82は再びシリアへ派遣される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82は地中海東部へ向かっている]
8月11日にシリアのタルトゥースへ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はシリアのタルトゥースへ到着した]
その後、PM-82は地中海東部で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスに従事しました。
2019年1月21日、PM-82と交代する黒海艦隊の工作船PM-56がボスポラス海峡を南下し、地中海へ入りました。
2019年2月初頭、PM-82は地中海東部を離れ、母港バルチースクへの帰路に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82は母港バルチースクへの帰路に就いた]
2月18日にバルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はシリアから母港バルチースクへ帰投した]
2019年10月23日、PM-82は3度目の地中海遠征へ出発しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
バルト地域情報供給部(カリーニングラード市)発表
10月23日9時53分配信
【バルト艦隊の水上修理所は地中海へ向かう】
11月8日までに地中海東部のシリアのタルトゥース港へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はシリアのタルトゥースへ到着した]
12月7日、PM-82は、物資補充の為にキプロスのリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はキプロスのリマソール港へ寄港した]
2020年3月下旬にはバルチースクへの帰路に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82は地中海東部を去り、バルチースクへの帰路に就いた]
代わりに、黒海艦隊の工作船PM-56が地中海東部へ派遣されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の工作船PM-56は地中海東部へ向かった]
PM-82は4月18日にバルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82は地中海東部からバルチースクへ帰投した]
それから半年以上経った2020年12月1日、PM-82は4度目の地中海遠征へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82は地中海東部(シリア沖)へ向かった]
12月8日にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)の通行を完了し、ビスケー湾へ入りました。
[地中海東部へ向かうロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82はビスケー湾へ入った]
12月12日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊の工作船PM-82は地中海へ入った]
12月19日にはキプロスのリマソール港へ寄港しました。
今後、PM-82は地中海東部(シリア沖)で行動するロシア海軍艦船の修理やメンテナンスに従事します。
タルトゥース港では2019年10月中旬から艦船修理施設が稼働しており、工作船は専ら海上へ出てロシア海軍艦船の修理やメンテナンスを行なっているようです。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍艦船修理所は2019年10月15日に操業を開始する]
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」:2019年12月初頭から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」:2020年9月末から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」:2020年11月末から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
工作船PM-82:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
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