ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールは2021年初頭から1年間地中海東部に滞在する
- カテゴリ:プロジェクト06363潜水艦(黒海艦隊)

『タス通信』より
2020年12月19日19時16分配信
【情報筋:潜水艦「クラスノダール」は地中海戦隊へ1年間加わる】
モスクワ、12月19日/タス通信
黒海艦隊のプロジェクト636.3ディーゼルエレクトリック潜水艦「クラスノダール」は最初の計画修理の後、2021年初頭にバルト海から地中海への艦隊間移動を行ない、おおよそ1年間はロシア地中海戦隊へ加わる。
『タス通信』は土曜日に造船分野の情報提供者より伝えられた。
「クラスノダールは、2021年初頭から、少なくとも1年間は地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊へ加わる予定となっております」
対談者は話した。
『タス通信』は、この情報を公式には確認していない。
[地中海戦隊の潜水艦]
「クラスノダール」と一緒に、同型潜水艦「スタールイ・オスコル」が戦闘勤務へ就く。
情報提供者によると、10月に同艦はバルチースクで弾薬を受け取り、既にタルトゥースへ到着している。
2019年4月に潜水艦「スタールイ・オスコル」は黒海から出て、地中海での戦闘勤務の後、計画修理の為にバルト海への艦隊間移動を行なった。
「スタールイ・オスコル」は、修理の為、2019年12月末に『クロンシュタット海洋工場』へ到着した。
潜水艦は修理後、2020年の主要海軍パレードへ参加した。
『アドミラルティ造船所』(『統合造船業営団』へ加入)は、黒海艦隊の為に6隻のプロジェクト636.3潜水艦を建造した。
これらの潜水艦の内の何隻かは地中海戦隊の一員として滞在している時に、シリアのテロリストを目標とし、有翼ミサイル「カリブル-PL」による打撃を一度ならず与えた。
8月から『クロンシュタット海洋工場』で黒海艦隊の潜水艦「クラスノダール」の計画修理が行なわれた。
潜水艦「スタールイ・オスコル」と「クラスノダール」は、2019年4月からロシア地中海戦隊へ入った。
これらはバルト海からの移動後に地中海へ滞在し、その後、黒海へ入った同型潜水艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」及び「コルピノ」と交代した。
地中海戦隊の潜水艦乗組員のローテーションは、3ヶ月に1度行なわれている。
プロジェクト06363潜水艦の4番艦B-265「クラスノダール」は、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』で2014年2月20日に起工され、2015年4月25日に進水し、2015年11月5日にロシア海軍へ就役しました。
[第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはロシア海軍へ就役した]
就役後もバルト海で慣熟訓練を行なっていましたが、2016年4月中旬に「航海中の事故」を起こし、4月20日にバルチースク基地へ戻りました。
ポーランド海軍の潜水艦と衝突したという話も有りますが、ポーランド国防省は否定しました。
「クラスノダール」は事故による損傷を修理する為、また『アドミラルティ造船所』へ戻り、2016年5月上旬から7月9日まで修理が行なわれました。

修理後、2016年7月31日の「ロシア海軍の日」には、サンクトペテルブルクのネヴァ川で行なわれた観艦式に参加しました。

その後もバルト海で慣熟訓練を行なっていたようです。

2017年4月8日、「クラスノダール」はバルト海で有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)を水上標的へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはバルト海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
「クラスノダール」は、2017年5月初頭に黒海艦隊基地へ向けて出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールは黒海艦隊基地への移動を開始した]
「クラスノダール」は浮上状態で航行し、2017年5月5日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。

2017年5月13日にはジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の第4のプロジェクト06363潜水艦クラスノダールはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]

2017年5月31日、フリゲート「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアのパルミラ(タドムル)のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンと潜水艦クラスノダールはパルミラのISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
2017年6月23日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」と共にシリア沿岸沖の公海上からシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ、有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート2隻と潜水艦1隻はシリアのハマー県のISIL(イラク・レバントのイスラム国)施設へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
その後も地中海東部に留まっていました。
2017年7月30日の「ロシア海軍の日」には、シリアのタルトゥース港で挙行された観艦式へ参加しました。
2017年8月7日には地中海を離れ、ボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールは地中海を去った]
2017年8月9日、「クラスノダール」はセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新潜水艦クラスノダールはセヴァストーポリへ到着した]

その後は黒海でのみ行動していた「クラスノダール」ですが、2019年3月12日にセヴァストーポリを出航した後、3月14日にボスポラス海峡及びダーダネルス海峡を通過し、ほぼ1年半ぶりに地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールは地中海東部へ行く]
2019年4月4日、地中海東部で行動中の「クラスノダール」で乗組員の1人が虫垂炎の症状を発し、陸上の病院へ移送するのは間に合わないと判断された為、潜航中の「クラスノダール」艦内で緊急の外科手術が行なわれました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールで緊急手術が行なわれた]
その後も、1年以上に渡り地中海に留まっていましたが、7月13日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入り、ラ・マンシュ海峡を通過して7月25日にはバルト海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦クラスノダールはバルト海へ入った]
2020年7月末にクロンシュタットへ到着し、オーバーホールが始まりました。

「クラスノダール」のオーバーホールは2021年初頭までには完了し、その後、地中海へ向かい、ロシア海軍地中海作戦連合部隊へ加わり、約1年間は地中海に滞在する事になります。
同じく黒海艦隊に所属する同型艦「スタールイ・オスコル」は、2019年4月末から地中海に滞在し、その後、バルト海へ回航され、2020年1月末からクロンシュタットでオーバーホールを行ない、完了後の12月初頭に出航、12月12日頃にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、既に地中海東部へ到着しているようです。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはバルト海から黒海への移動を準備する]
06363の2番艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は2020年10月31日にクロンシュタットへ到着し、同地でオーバーホールが行なわれます。

この他、06363の1番艦「ノヴォロシースク」が2019年12月上旬から地中海東部に滞在しています。
おそらくは「クラスノダール」の地中海到着と前後してクロンシュタットへ向かう事になるでしょう。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクはシリアのタルトゥース港でダメージコントロール訓練を行なった]
06363の5番艦「ヴェリキー・ノヴゴロド」と6番艦「コルピノ」は黒海に居ます。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ヴェリキー・ノヴゴロドとコルピノは黒海で演習を行なった]
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