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ロシア海軍の為の将来原子力航空母艦はセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)で建造される

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『タス通信』より
2020年12月23日3時0分配信
【『統合造船業営団』は新たな航空母艦を『セヴマシュ』で建造するつもりである】
モスクワ、12月22日/タス通信

『統合造船業営団』は、ロシア海軍の為の将来航空母艦『セヴマシュ』で建造するつもりである。
火曜日に『統合造船業営団』総取締役アレクセイ・ラフマノフは、テレビ局『ロシア-24』のインタビューを受け、こう言った。


「国防省が決定を下しさえすれば、私共には、即座に、その設計と建造へ取り掛かる用意が有ります。
インドの為の航空母艦の建造は、その経験が我々に有る事を示しています。
この経験は工場『セヴマシュ』に集中しており、軍当局からの発注が有れば、私共は、正にここで航空母艦を建造するつもりです」

彼は話した。

ラフマノフは、今やロシアは、この為の全ての領域に対応できる事を強調した。

新たな航空母艦の建造費用について、彼は、他国の海軍航空母艦の建造費用よりも幾分か安くなると説明した。
「外国の艦船と比べ、建造費用は大幅に安い。
これは航空母艦にも対応するであろう事を私共は無条件で確信しております。
私共は、国家防衛発注を効率的に履行する建造協業体制を形成する機会を見出しております」
『統合造船業営団』
のトップは説明した。

ラフマノフによると、国産艦は外国よりも費用の面で優っている。
「最近の記者会見で、大統領が、ロシア連邦とアメリカ合衆国の軍事予算の比率について何と言ったのかを覚えておりますか?
一定の比率の存在は、我々とアメリカの費用の違いの実例を概算できるでしょう」

彼は話した。

[現在の航空母艦]
プロジェクト11435重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」
ロシア海軍最大の艦にしてロシア連邦海軍唯一の航空母艦であり、50機のヘリコプター及び水平離着陸航空機の搭載が可能である。
更に、対艦ミサイル複合体及び高射ミサイル複合体砲装置で武装する。
その満載排水量は59100トン、最大長306メートル。
同艦は29ノットの速力発揮を可能とする。
1991年初頭に北方艦隊へ加わった。
2016年には地中海で初めて戦闘に使用され、この時に戦闘機シリアテロリストへ打撃を与えた。

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今、「アドミラル・クズネツォフ」は修理中であり、2件の緊急事態が伴った:2018年には艦が最初のドック入りを行なっていた浮きドックPD-50が沈没し、2019年には艦の発電機区画の1つで火災が発生した
公式筋は、これらは批判では無いと言った。
12月4日、造船分野の情報提供者は、航空母艦は2022年に試験へ入ると『タス通信』へ伝えた。



ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの予備設計開発作業は2007年に始まりました。

将来航空母艦の設計を担当するのは『ネヴァ川計画設計局』になりますが、その叩き台となる概念設計案は、ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する『クルイロフ国立科学センター』により作成されます。

『クルイロフ国立科学センター』は、2015年に多目的重航空母艦プロジェクト23000E「シトルム」を作成しました。
これは満載排水量9万~10万トンの通常動力の大型空母です。
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]

『クルイロフ』は、2018年8月下旬に軽航空母艦「シトルム-KM」の概念設計案を公表しました。
これは満載排水量44000トンの比較的小型の空母です。
[クルイロフ国立科学センターの半双胴(カタマラン)形式軽多目的空母は水中抵抗が大幅に低減する]

2019年6月末には76000トンの中型原子力空母の概念設計案の存在を公表しました。
[クルイロフ国立科学センターは半双胴形式の中型原子力空母の概念設計案を提示した]

一方、実際にロシア海軍向けとして建造される空母を設計する『ネヴァ川計画設計局』は、2019年7月上旬に将来空母設計案プロジェクト11430E「ラマンチーン」を公表しました。
これは満載排水量8万~9万トンの原子力空母です。
[原子力空母プロジェクト11430Eラマンチーンはサンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で公開された]


将来航空母艦の具体的な内容は未だ定まっていませんが、排水量は65000トン~70000トン程度になるようです。
[ロシア海軍の将来航空母艦は7万トン級になる]
[ロシア海軍の将来航空母艦は65000-70000トンになる]
つまり、上記の「シトルム」「ラマンチーン」よりは小さな艦になります。
(「シトルム-KM」よりは大きいですが)

現用の航空母艦で最も近いサイズの艦は、グレートブリテン海軍新鋭空母「クイーン・エリザベス」級になります。
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ロシア造船業界も、以前から重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(約6万トン)よりも大きな航空母艦を建造できると表明しています。
[ロシア造船業界はアドミラル・クズネツォフよりも大型の新世代航空母艦を建造できる]

ただ、現在の所、将来航空母艦の建造開始の具体的な時期は未だ決まっていません。
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の新たな航空母艦の建造を準備する]

ですが、将来航空母艦の為の搭載機として、新たなVSTOL艦上戦闘機の開発が始まっています。
[ヤコブレフ新世代VSTOL艦上戦闘機]

この他、将来航空母艦の搭載機として、艦上早期警戒機艦上無人機も新たに開発されます。
[ロシア海軍航空隊司令官は語る]

将来原子力航空母艦の本格的な開発作業は2023年から始まります。
[ロシア海軍の為の7万トン級原子力空母の開発作業は2023年に始まる]

将来原子力航空母艦の設計には、ソ連時代に起工されたものの未完成に終わったプロジェクト11437重原子力航空巡洋艦「ウリヤノフスク」の設計が参考にされるとの事です。
[ロシア海軍の新世代原子力空母の開発には未完成の重原子力空母ウリヤノフスクの設計図が参考にされる]
ただしこれは、「ウリヤノフスク」のような艦を再び造るという事では無く、原子力機関の構造などを参考にするという事でしょう。
(将来航空母艦「ウリヤノフスク」原子力機関)


将来航空母艦を建造する造船所は、以前にインド海軍向けの航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の改造(実質的に新造)を担当したセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』が最有力候補となっております。
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この他、将来航空母艦建造への協力企業(航空母艦の船体の一部を建造)として、サンクトペテルブルク市『バルト工場』『北方造船所』が候補に挙がっています。
[ロシア海軍の新世代原子力航空母艦の開発と建造には15年掛かる]

『バルト工場』
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『北方造船所』
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