新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの洋上試験は完了し、2020年12月26日にロシア海軍へ就役する

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年12月23日14時52分配信
【掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は日本海での国家試験プログラムを完了した】
モスクワ、12月23日、インタファクス
機雷掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は工場航行試験及び国家試験プログラムを完了し、その中で、艦の全てのシステム及びメカニズムの動作性能は、以前に言明された技術的特性に沿っている事が完全に確認された。
水曜日に太平洋艦隊は発表した。
「日本海において、大深度で海洋機雷を捜索、探知する為に意図されている最新複合体は成功裏に試験されました」
声明では、こう述べられた。
更に試験中、空中目標及び水上目標を撃破する為、6銃身自動砲装置AK-630及び大口径機関銃が使用された。
「12月26日、ウラジオストクではヤーコフ・バリャーエフの太平洋艦隊への受け入れ式典が行なわれます」
プレスリリースでは、こう述べられた。
10月22日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は、工場航行試験を行なう為、サンクトペテルブルクから北方海上航路によりウラジオストクへ到着した。
プロジェクト12700海洋掃海艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、同プロジェクト艦シリーズの5隻目であり、4隻目の生産艦である。
全ての種類の最新の機雷へ対処する為に意図されている。
艦は一体ガラス繊維強化プラスチックで製造されており、最新の水中音響ステーション及び対機雷行動自動管理システムを装備する。
排水量-890トン、全長-62メートル、幅-10メートル。
最大速力-16ノット、乗組員-44名。
艦は、ソヴィエト連邦英雄の太平洋艦隊海軍歩兵の水兵ヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフに敬意を表して命名された。

ロシア海軍の新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。


従来のソ連/ロシア海軍の掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦と海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)

プロジェクト12700対機雷防衛艦の5番艦「ヤーコフ・バリャーエフ」は、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で2017年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の新型掃海艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで起工された]
艦名の元になったヤーコフ・イラリオノヴィチ・バリャーエフ(1924年6月9日-1945年8月14日)は、1945年8月のソヴィエト-日本戦争に参加した海軍歩兵隊員であり、8月14日に朝鮮北部の清津の戦闘で戦死し、21歳の短い生涯を閉じました。
死後、ソヴィエト連邦英雄称号を授与されました。

「ヤーコフ・バリャーエフ」は2019年12月18日に屋内造船台から出渠しました。
「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員団は、2019年12月末までにカムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊の北東軍集団の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフの乗組員が編成された]
同旅団の配下には、掃海艦3隻を有する第117水域防護艦大隊が有りますので、「ヤーコフ・バリャーエフ」は、同大隊に配属されるようです。
2020年1月29日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は進水しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはサンクトペテルブルクで進水した]
サンクトペテルブルクのロシア海軍統合訓練センターでの「ヤーコフ・バリャーエフ」の乗組員の訓練は2020年3月下旬に完了し、その後、バルト艦隊へ配備された1番艦「アレクサンドル・オブホフ」で洋上の実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフ乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した]
そして2020年7月31日、「ヤーコフ・バリャーエフ」は『中部ネヴァ川造船工場』の艤装岸壁を離れ、太平洋艦隊基地へ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは極東へ向かった]
その後、「ヤーコフ・バリャーエフ」は北極海へ入りました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフはラプテフ海へ入った]

10月3日にはカムチャツカ半島(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でカムチャツカ半島へ到着した]
10月22日にウラジオストクの金角湾へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは北極海経由でウラジオストクへ到着した]

「ヤーコフ・バリャーエフ」は11月初頭までに係留試験を完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは洋上試験の準備を進めている]
11月13日、日本海で洋上試験(工場航行試験と国家試験)を行なう為に初めて出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で洋上試験を開始した]
その後、一旦ウラジオストクへ戻り、12月7日に最終洋上試験を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で最終洋上試験を開始した]
12月16日には30mmガトリング機関砲AK-630による対空・対水上射撃と、機雷掃討の試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ヤーコフ・バリャーエフは日本海で射撃試験を行なった]
「ヤーコフ・バリャーエフ」の洋上試験は12月23日までに完了しました。
「ヤーコフ・バリャーエフ」は、2020年12月26日にロシア海軍への就役が予定されています。
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