ロシア海軍とシリア海軍はタルトゥース港で合同演習を実施した
- カテゴリ:地中海情勢(2020年)
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年12月24日3時0分配信
【ロシア軍とシリア軍はタルトゥースの海軍基地を防衛する演習を実施した】
タルトゥース、12月24日、インタファクス
およそ10隻のロシアの戦闘艦、対空防衛複合体「トール」及び「パーンツィリ」は、シリアのタルトゥース港のロシア連邦海軍基地を防衛する演習へ関わった。
ロシア軍は発表した。
「500名以上の将兵が参加した訓練中、初めて陸上部隊、艦隊、航空隊の合同活動へ取り組みました」
遠海ゾーンのロシア連邦海軍部隊の指揮官ドミトリー・ドブルイニンは報道陣へ伝えた。
彼は、ロシア側からは訓練へ、特に有翼ミサイル「カリブル」搭載艦~フリゲート「アドミラル・エッセン」と小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」が参加したと話した。
シリア海軍側からは4隻の艦が参加したとドブルイニンは話した。
彼によると、演習中にロシアとシリアの艦は、タルトゥースのロシアの物資-技術サービス供給所への仮想無人機による攻撃を撃退し、更に仮想敵の打撃から離脱した。
訓練中、ロシア海軍基地への侵入を試みた仮想工作員は無力化された。
ロシア軍は、近距離高射ミサイル複合体「トール」及び「パーンツィリ-S1」の助力を得て仮想敵無人機の攻撃の撃退へ取り組んだ。
シリアでのロシア軍事作戦は2015年9月30日から行なわれている。
ロシア連邦航空宇宙軍の航空隊は、シリア軍の地上作戦を支援している。
ロシアはシリアのフマイミーン飛行場に航空基地を、タルトゥースに海軍基地を持っている。
シリアでは、ロシア連邦国防省の特殊作戦部隊、敵対当事者調停センターの部隊、軍警察、海軍歩兵が行動している事が公式に報じられた。
9月30日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、タルトゥースの海軍基地は10数隻の戦闘艦の受け入れが可能であると述べた。
「全ての船の停泊場には、生命保障システム、荷下ろし場所、艦船のメンテナンス及び小規模修理の為の修理複合体が備えられています」
この時にロシア連邦国防相は言った。

現在、シリアのタルトゥースには、ロシア海軍の第720物資-技術サービス供給所が置かれています。
元々は、ソ連邦海軍時代の1971年に設立されたものです。
これは、地中海東部で行動するロシア海軍の艦船へ各種物資を供給し、更には、艦船の整備や簡単な修理を行なう為のものです。
艦船の整備や簡単な修理の為、タルトゥースにはロシア海軍の工作船1隻が交代で常駐しています。
ロシア海軍は2013年初頭から地中海東部へ艦船を常時展開させており、同年6月1日には、地中海のロシア海軍艦船を統一指揮する為、「地中海作戦連合部隊」が創設されました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
2015年10月には、タルトゥース港内の浚渫作業が行なわれました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥース港の浚渫作業を行なった]
2016年10月、ロシア国防省は、タルトゥースへ恒常的な海軍基地を作成する意向を示しました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥースへ恒常的な基地を作る]
2016年12月23日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、タルトゥースの海軍基地の拡張に関するシリアとロシアの協定に関する法令へ署名しました。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍基地は拡張される]
2017年1月20日までに、ロシアとシリアは、タルトゥースの海軍基地に関する新たな協定へ署名しました。
新たな協定により、ロシア海軍は今後49年間タルトゥースを自由に使用できるようになります。
[ロシアとシリアはタルトゥースのロシア海軍基地に関する新たな協定を締結した]
協定は2017年12月にロシア連邦議会で批准され、正式に発効しました。
[タルトゥースのロシア海軍基地に関するロシアとシリアの協定は批准された]
以前には地中海東部で行動するロシア海軍の艦船の整備や簡単な修理を行なう為、タルトゥースへ工作船を交代で常駐させていたのですが、同海域におけるロシア海軍の活動が活発になった今となっては、これだけでは何かと不便になってきた事も有り、タルトゥースに新たな艦船修理施設が開設される事になりました。
[シリアのタルトゥース港のロシア海軍艦船修理所は2019年10月15日に操業を開始する]
2019年12月16日~19日、ロシア海軍地中海作戦連合部隊は、地中海東部(タルトゥース沖)でシリア海軍と合同演習を行ないました。
[シリア沖でのロシア海軍地中海作戦連合部隊とシリア海軍の合同演習は完了した]
それから1年後、再びロシア海軍とシリア海軍の合同演習がタルトゥース港で実施されました。
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「ノヴォロシースク」:2019年12月初頭から地中海東部に滞在
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」:2020年9月末から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」:2020年11月末から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在

海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」:2020年6月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
工作船PM-82:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
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