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プロジェクト20385コルベットの1番艦グレミャーシチーは2020年12月29日にロシア海軍へ就役する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2020年12月24日18時54分配信
【「カリブル」搭載コルベット「グレミャーシチー」は12月29日に海軍へ引き渡される】
モスクワ、12月24日、インタファクス

プロジェクト20385コルベットのトップ「グレミャーシチー」は、来週に海軍へ引き渡される。
造船工場『北方造船所』広報サービスは発表した。

「2020年12月29日、造船工場『北方造船所』では、プロジェクト20385コルベットのトップ、グレミャーシチーの海軍旗掲揚式典が開催されます」
広報サービスは伝えた。

コルベットは12月末に海軍への受け入れが計画されていると報じられた。

プロジェクト20385コルベットは、海上ゾーンでの護衛及び打撃任務の遂行、近隣水域のパトロール、巡視勤務の為に意図されている。
「グレミャーシチー」には、砲、対ミサイル、対潜、水中及び電波位置測定複合体、ヘリコプターKa-27の為の格納庫が配置されていると広報サービスは伝えた。

12月10日、艦は国家試験中にバルト海有翼ミサイルを撃破した。
以前、艦の乗組員は、白海の沿岸及び海上目標への有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の射撃を実施した。
バレンツ海で同艦は砲射撃と魚雷射撃を実施した。

コルベット「グレミャーシチー」プロジェクト20385のトップ艦である。
これは、前任のプロジェクト20380コルベットの改良ヴァージョンである。
前任者と新たなコルベットの違いは、強化された打撃能力と、更には対空防衛システムに在る。

以前、コルベットは、対艦ミサイル「ウラン」に代わり汎用ミサイル複合体「カリブル」(8基のミサイル)を受け取ると伝えられた。
高射ミサイル複合体「リドゥート」の発射装置は12基から16基に増加した。
更にそれは、100mm砲装置と2基の30mm高射砲複合体AK-630M対潜複合体「パケート」で武装する。
艦には、ヘリコプターKa-27PLが駐留する甲板と格納庫が規定されている。

「グレミャーシチー」の排水量は2220トン、全長104メートル、幅13メートル。
速力27ノット、航続距離3500海里、乗組員107名。

同艦はサンクトペテルブルク『北方造船所』で2012年に起工された。
2017年6月30日に進水した。
2018年1月に係留試験が始まった。
工場航行試験は2019年4月末に始まった。
公開株式会社『造船工場・北方造船所』は、プロジェクト20385コルベットのトップ「グレミャーシチー」を12月25日にロシア連邦海軍へ引き渡すつもりであると造船工場の総取締役イーゴリ・オルロフは報道陣へ伝えた。
「同艦は国家試験を行なっております。
我々の契約では、(引き渡しは)12月25日です。
私共は、この時期に間に合うものと考えております」
オルロフ
は話し、付け加えた。
「全ては計画通りに進んでおります」

当初、国家契約下での艦の引き渡しの日時は、2019年12月25日だった。
契約費用は226億ルーブルである。



プロジェクト20385コルベットの1番艦「グレミャーシチー」は、2012年2月1日にサンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。

[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]

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プロジェクト20385プロジェクト20380の改良型であり、兵装が強化されています。
[プロジェクト20385「グレミャーシチー」型コルベット]

20380対艦ミサイル「ウラン」に代わり、20385は対地攻撃も可能な打撃巡航ミサイル「カリブル」を装備します。

当初、プロジェクト20385には、ドイツMTU社製のディーゼルエンジンが装備される予定でしたが、ヨーロッパ諸国対ロシア制裁により、その供給は途絶えました。
[ロシアは水上艦用のエンジン供給を拒否したドイツとウクライナの企業を訴える]

この為、設計を変更してロシア『コロムナ工場』ディーゼルエンジン「ディーゼルユニットDDA12000」~が搭載される事になりました。
これは以前のプロジェクト20380と同じエンジンです。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

2016年4月末、『コロムナ工場』ディーゼルエンジンの設置作業が始まりました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの取り付けが始まった]


2016年5月19日までにディーゼルエンジンの設置作業は完了しました。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの設置は完了した]


2017年6月30日、「グレミャーシチー」の進水式典が開催されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385コルベット1番艦グレミャーシチーは進水した]


2018年1月から造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"乗組員は艦内への居住を準備する]

「グレミャーシチー」の洋上試験(工場航行試験)開始は、当初の予定(2019年3月)より遅れ、2019年4月21日になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を開始した]



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5月初頭に一旦クロンシュタットへ戻っていた「グレミャーシチー」は、5月6日に出航し、2回目の洋上試験をフィンランド湾で開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2回目の洋上試験を開始した]

洋上試験中の5月8日、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争ロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時クロンシュタットへ戻りました。

5月9日の戦勝記念日をクロンシュタット軍港で祝いました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験中に大祖国戦争勝利74周年を祝った]

祝賀行事を終えた後、「グレミャーシチー」は、フィンランド湾で洋上試験を続けました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はフィンランド湾で航行試験を続ける]

「グレミャーシチー」の洋上試験(工場航行試験)の第1段階は2019年6月下旬までに完了しました。
[ロシア海軍の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験の第1段階を終えた]

「グレミャーシチー」は、7月28日の『ロシア海軍の日』サンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】


そして8月20日に洋上試験(工場航行試験)を再開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を再開した]

「グレミャーシチー」の洋上試験はバルト海で続けられ、10月4日にはヘリコプターの発着試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海でヘリコプターの発着試験を行なう]

その後、「グレミャーシチー」は工場航行試験を完了してカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ移動しました。

11月初頭にカリーニングラードを出航し、11月13日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着した]
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12月6日、「グレミャーシチー」は、最終洋上試験~国家試験を行なう為に白海へ出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海で試験を行なう]

12月9日、「グレミャーシチー」は、白海汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)超音速対艦ミサイル「オーニクス」を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海で対艦ミサイル"カリブル"と"オーニクス"を発射した]

12月11日、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
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12月15日までに「グレミャーシチー」白海での試験を完了し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は白海での試験を完了した]

セヴェロモルスク到着後、「グレミャーシチー」は12月27日にバレンツ海へ出航し、砲撃試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海で砲撃試験を行なった]

「グレミャーシチー」ロシア海軍への引き渡しは、2019年12月末に予定されていましたが、洋上試験を全て終える事が出来なかった為、2020年に延期されました。
[近代化されたフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"と新造コルベット"グレミャーシチー"及び"ロシア英雄アルダル・ツィジェンジャポフ"は2020年にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]

2020年1月12日、「グレミャーシチー」は洋上試験を再開する為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海で洋上試験を再開した]

1月14日には魚雷の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海で魚雷を発射した]

1月中旬までにバレンツ海での試験は全て完了しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバレンツ海での洋上試験を完了した]

3月11日、「グレミャーシチー」セヴェロモルスク基地から出航し、バルト海へ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はセヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]
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5月19日、「グレミャーシチー」バルト海で最終洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海で最終洋上試験を開始した]

5月26日には艦載ヘリコプターの着艦試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海でヘリコプターの着艦試験を行なった]

6月初頭にも引き続き艦載ヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海でヘリコプターの発着艦試験を続ける]

「グレミャーシチー」は6月22日までに建造元の『北方造船所』へ戻りました。
ここで1ヶ月間に渡り船体や艦内の検査を行なった後、2020年8月末から洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は2020年8月に最終洋上試験を行なう]

その後、主に電子機器(レーダーなど)の試験や最終調整に重点を置いて洋上試験は続けられました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]

11月12日には、悪天候及び夜間時のヘリコプター着艦試験を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海で夜間のヘリコプター着艦試験を行なった]

12月10日には高射ミサイル複合体「リドゥート」の発射試験を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"はバルト海で高射ミサイル"リドゥート"の発射試験を行なった]

これで「グレミャーシチー」の洋上試験は全て完了し、12月13日にサンクトペテルブルク『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"グレミャーシチー"は洋上試験を完了した]

「グレミャーシチー」ロシア海軍への引き渡し(正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典)は、2020年12月29日に予定されています。
就役後は、太平洋艦隊へ配備されます。
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