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ロシア軍事産業委員会はフランスからのミストラル級購入という「馬鹿げた決定」を再検討する

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【軍事産業委員会はフランスからのミストラル購入などという不合理かつ馬鹿げた決定について検討する】
モスクワ、1月24日-ロシア通信社ノーボスチ

フランスから「ミストラル」型軍艦を購入する決定は「馬鹿げて」おり、国家と造船業界へ損害を与える要因となっている。
木曜日、ロシア連邦政府軍事産業委員会第1副委員長イワン・ハルチェンコは、モスクワ防衛産業支援連盟の会合で、こう述べた。

ロシア海軍の為に2隻のフランス製ヘリコプター空母「ミストラル」を建造する12億ユーロの契約は2011年6月に署名された。
最初の艦は2014年にロシア海軍へ軍備採用される。
更に2隻の「ミストラル」ロシアで建造する契約については論議の的となっており、結論は先送りされた。

「私共は、以前に下された馬鹿げた決定について議論いたします。
それは、セルジュコフ(前ロシア連邦国防相アナトーリー・セルジュコフ)の主導によるものでした。
彼が造船業界及び国家に与えた損失は、これだけではありません」

ハルチェンコは話した。

これに関し、彼は、ロシアにおいて同クラスの艦の3隻目と4隻目を建造する為の決定が(2016年まで)延期されたことを認めた。
「1隻目と2隻目・・・発生した費用の度合は、私共にとっては、より大きな損失になります(完成を断念した場合は)」
ハルチェンコは話した。

彼は、最初の2隻の艦が完成した後に、その有効性について判断を下すことを強調した。
「これは大きな問題です」
軍事産業委員会第1副委員長は話した。
(2013年1月24日17時20分配信)


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

今回の記事に登場するロシア連邦政府軍事産業委員会第1副委員長イワン・ニコラエヴィチ・ハルチェンコ氏は、1967年5月9日生まれで現在45歳です。
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そのハルチェンコ氏は、フランスからのヘリ空母「ミストラル」級購入「馬鹿げた決定」と扱き下ろしています。
そして、その「馬鹿げた決定」を下したのは、アナトーリー・セルジュコフであると。
つまり、そのような決定を下したアナトーリー・セルジュコフは馬鹿だと言っているわけです。

とは言うものの、既にフランスとの間で契約が締結されており、フランスサンナゼール造船所及びサンクトペテルブルクバルト工場で建造が開始されているロシア海軍向け「ミストラル」級「ウラジオストク」、そして近い内に建造が開始される「セヴァストーポリ」については、建造を中止した方が高く付く事になるので完成させるしかないと述べています。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]
[ロシア海軍向けミストラル型の建造は予定通りに進んでいる]
[ヘリ空母ウラジオストクは2013年9月に進水する]
[フランスはヘリ空母ミストラルの為の極東の基地建設に協力する]
[太平洋艦隊はヘリ空母ミストラルの為の基地建設を準備する]


しかしながら、今後建造される予定の3、4番艦~まだ正式な建造契約は締結されておらず、どの造船所で建造するのかも決まっていない~については、「セルジュコフが下した馬鹿げた決定」を律儀に守る必要は無いという事でしょう。


現在の所、ロシア国内での「ミストラル」級2隻の建造を断念する決定は下されていませんが、フランスで建造される艦の運用実績を見てから判断するとして、問題は「先送り」されています。

[ロシア海軍のミストラル3、4番艦の建造は、1番艦ウラジオストクの運用実績を見て決定される]
[ロシア国内でのヘリ空母ミストラルの建造開始は2016年に延期される]
[ロシアは自国でのミストラル級建造を断念していない]
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