ミストラル級は低温地帯では使用できない
- カテゴリ:ロシアのミストラル級導入見直し問題

『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ミストラルは低温では使用できないとロゴージンは語った】
モスクワ、1月26日-ロシア通信社ノーボスチ
防衛産業担当副首相ドミトリー・ロゴージンは、フランスからヘリコプター空母「ミストラル」型を購入する事への批判を表明した。
ロシア海軍の為に2隻のフランス製ヘリコプター空母「ミストラル」を建造する12億ユーロの契約は2011年6月に署名された。
最初の艦は2014年にロシア海軍へ軍備採用される。
更に2隻の「ミストラル」をロシアで建造する契約については論議の的となっており、結論は先送りされた。
以前、軍事産業委員会第1副委員長イワン・ハルチェンコは、この契約を批判し、その責任を前国防長官アナトーリー・セルジュコフに負わせた。
「非常に奇妙な事に、僕達の緯度(高緯度の低温地帯)で揚陸部隊を輸送する為に、7度以下の気温では動作しない艦が購入されようとしています」
土曜日、ロゴージンは軍事科学アカデミー総会で話した。
遠距離航空隊将来航空複合体の件について、副首相は指摘した。
「今、僕達はPAK DA計画を始動させます。
それは他の技術的解決策に基づいて行なわれ、遠距離航空隊への評価を復活させます」
(2013年1月26日13時24分配信)
『イタル-タス』より
2013年1月26日午前12時47分配信
【ロゴージン-フランスのヘリコプター空母ミストラルはロシアの緯度での使用には適していない】
内容は同じです。
[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]
記事中で触れられていますが、今回のロゴージン発言の2日前(1月24日)、ロシア連邦政府軍事産業委員会第1副委員長イワン・ハルチェンコ氏は、フランスからの「ミストラル」級購入を「馬鹿げた決定」と扱き下ろしました。
その「馬鹿げた決定」を下したのは、アナトーリー・セルジュコフであると。
[ロシア軍事産業委員会はフランスからのミストラル級購入という「馬鹿げた決定」を再検討する]
ロシア海軍に就役する「ミストラル」級は、太平洋艦隊と北方艦隊へ配備される予定です。
[ロシアはフランス製の強襲揚陸艦「ミストラル」型を購入する(イタルタス通信)]
[ロシア海軍は、ミストラル級を最初に太平洋艦隊へ配備する]
太平洋艦隊に配属される「ミストラル」級は、ウラジオストクへ配備されます。

[ヘリ空母ミストラル型はウラジオストク市へ配置される]
[太平洋艦隊はヘリ空母ミストラルの為の基地建設を準備する]
北方艦隊への配属については具体的な事は何一つ決まっていませんが、仮に配属されたのならば、常駐基地はセヴェロモルスク(ムルマンスク地方)になるでしょう。
ましてや、北方艦隊の艦船は、今後、北極圏での活動が多くなります。

北方艦隊は、2012年9月末に北極圏のノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島で揚陸演習を実施しています。
[北方艦隊はバレンツ海及びカラ海、ラプテフ海で演習を行なう]
[北極圏で揚陸演習を実施した北方艦隊海軍歩兵は表彰された]
今回のロゴージン氏の発言は、事実上、「ミストラル」級はロシア本国では使い物にならないと言っているに等しいでしょう。
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