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ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する

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『タス通信』より
2020年12月29日14時9分配信
【近代化後の潜水艦「イルクーツク」の打撃能力は2倍に増加できる】
モスクワ、12月29日/タス通信

プロジェクト949A多目的原子力潜水艦「イルクーツク」の打撃能力は、近代化の後に少なくとも2倍に増加する~それは48基の新たなミサイル「カリブル-PL」「オーニクス」、そして「ツィルコン」を搭載できる。
『タス通信』は造船分野の情報提供者より伝えられた。

「イルクーツクは近代化中にプロジェクト949AM(近代化されたプロジェクト949A)となるだけでは無く、24基の対艦ミサイル"グラニート"に替えて48基の根本的に新しいミサイル"カリブル-PL"、"オーニクス"、そして"ツィルコン"を搭載する能力を得ます。
つまり、潜水艦は沿岸目標へ打撃を与える事が出来るようになります」

対談者は話した。

彼によると、原子力潜水艦太平洋艦隊の戦闘編制への復帰は、2023年末に予定されている。
「潜水艦の艦内の手持ちのミサイルの具体例は、それの前に与えられた任務に依ります」
彼は話した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前、2020年のミサイル「ツィルコン」の飛翔-設計試験において、3回の発射が実施されたと報じられた:2回は海上目標へ、1回は地上目標へ。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者によると、2021年に始まるミサイルの国家試験と、その中と、それに先立つ段階の飛翔設計試験において、少なくとも7回の発射フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」及びプロジェクト885原子力潜水艦「セヴェロドヴィンスク」で実施される。

原子力潜水艦「イルクーツク」は、造船所『セヴマシュ』(今は『統合造船業営団』へ加入)で1985年5月8日に起工された。
1987年12月29日に進水し、1988年12月30日に海軍へ引き渡された。
1990年に太平洋艦隊への艦隊間移動を行なった。
1993年に「イルクーツク」と命名された。
1997年には予備役に編入された。
2001年には修理の為、極東工場『ズヴェズダー』へ到着した。
修理及び近代化は2019年にようやく始まった。
プロジェクト949A原子力潜水艦の主要打撃兵装は、24基の対艦ミサイル「グラニート」である。


『タス通信』より
2020年12月29日17時6分配信
【2023年末には海軍へ7隻の潜水艦「アンテイ」が加入している】
モスクワ、12月29日/タス通信

ロシア海軍総司令部は、2023年末に北方艦隊太平洋艦隊の潜水艦構成へ、7隻のプロジェクト949A及び949AM「アンテイ」原子力潜水艦の保有を計画している。
『タス通信』は火曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「指定された時期(2023年)には、機器構成の修理を行なった6隻のプロジェクト949Aと、プロジェクト949AMへ近代化された原子力潜水艦イルクーツクとなります」
対談者は説明した。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

現在、「イルクーツク」は、極東工場『ズヴェズダー』で修理と近代化を行なっている。
以前、情報提供者は『タス通信』へ、この潜水艦の打撃能力は、近代化の後に少なくとも2倍に増加すると伝えた~それは48基の新たなミサイル「カリブル-PL」「オーニクス」、そして「ツィルコン」を搭載できる。

公開情報源によると、現在、5隻のプロジェクト949A潜水艦北方艦隊太平洋艦隊に在り、1隻は修理中である。
その主要打撃兵装は、24基の対艦ミサイル「グラニート」である。
同プロジェクト潜水艦1隻~「クルスク」は2020年に失われた。
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プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII級)巡洋潜水艦K-132は、1985年5月8日にセヴェロドヴィンスク北方機械製造事業(セヴマシュ)で起工され、1987年12月29日に進水、1988年12月30日にソ連海軍へ納入され、1989年1月4日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
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1989年10月31日に赤旗北方艦隊に編入され、同年11月16日にザーパドナヤ・リツァ基地へ配備されました。
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1990年8月30日~9月27日にザーパドナヤ・リツァ基地からカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ移動し、1990年10月29日付で赤旗太平洋艦隊へ転属しました。
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1992年4月28日付で「原子力水中巡洋艦」へ分類変更され、1993年4月13日には「イルクーツク」と命名されました。
(合わせて同名の都市との後援協定を締結)

1997年11月には予備役に編入され、2001年11月には沿海地方ボリショイ・カーメニ市艦船修理工場『ズヴェズダー』へ回航されました。
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しかし、修理の為の予算の割り当ては無く、10数年に渡り『ズヴェズダー』の岸壁に係留されていました。
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その後、主要兵装の長距離対艦ミサイルを換装する大規模な近代化改装(プロジェクト949AM)が行なわれる事になりました。
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]

2019年7月から本格的な近代化改装工事が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクと原子力巡洋潜水艦マガダンの近代化改装が始まる]

工事が順調に進めば、「イルクーツク」は2023年末に太平洋艦隊へ復帰します。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクの近代化改装は2023年に完了する]

「イルクーツク」は近代化改装により、計48基の巡航ミサイル:「カリブル」/「オーニクス」/「ツィルコン」を搭載可能になります。


以前には、「イルクーツク」以外にも何隻かの949Aプロジェクト949AMへ改装されると報じられていましたが、今回の記事の情報提供者の発言を見る限り、949AMとなるのは「イルクーツク」1隻のみであり、2023年の時点で現役に留まる他の6隻は949Aのまま(つまり、「イルクーツク」のようにミサイル発射機を換装しない)になるようです。

おそらく2023年末の時点では、こうなっているでしょう。

[北方艦隊]
K-410「スモレンスク」(949A)
K-266「オリョール」(949A)

[太平洋艦隊]
K-132「イルクーツク」(949AM)
K-442「チェリャビンスク」(949A)
K-456「トヴェリ」(949A)
K-186「オムスク」(949A)
K-150「トムスク」(949A)
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