ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2020年12月30日12時0分配信
【フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は初めての遠距離航海へ出発した】
本日(12月30日)、北方艦隊のフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、主要基地セヴェロモルスクの泊地を去り、初めての遠距離航海へ出発した。
近い内にバレンツ海で、更に大洋救助曳船「ニコライ・チケル」を構成に加えた支隊が形成される。
出航の前日の12月29日、北方艦隊参謀長ウラジーミル・グリシェチキン中将は、戦闘艦支隊の要員へ遠洋ゾーンでの質の高い任務の遂行を求めた。
彼は指摘した。
「最新フリゲート"アドミラル・フロータ・カサトノフ"と救助曳船ニコライ・チケルの出発は、新演習年度の北方艦隊の行動計画により提供される一連の全ての遠距離航海の幕開けとなります」
近い内に北方艦隊支隊には、バレンツ海を通過した大西洋への移動が待ち受けている。
移動ルート上でフリゲートと救助曳船の乗組員は、自身の海上技量を向上させ、更に、海上移動中の支隊の艦の様々な種類の防衛の為の一連の艦上演習を行なう。
今年にロシア海軍へ加入したフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」乗組員にとって、これは初めての遠距離航海である。
これに先立ち、長期の緊迫した訓練が有り、その中で要員は、駐留場所及びバレンツ海の北方艦隊戦闘訓練射爆場で完全なサイクルの訓練を行なった。
遠距離航海の準備の枠組みでフリゲート乗組員は、バレンツ海において、数回の有翼ミサイル「カリブル」射撃を含む複合戦闘演習を行なった。
困難な流行病状況を考慮し、フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」及び救助曳船「ニコライ・チケル」の乗組員は、ロシア製の新型コロナウイルス伝染病薬「Gam-COVID-Vac」(スプートニク-V)の予防接種を受けた。
フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、誘導ミサイル兵装を有するロシアの遠海・大洋ゾーン多目的フリゲート・プロジェクト22350である。
サンクトペテルブルクの造船企業『北方造船所』で建造された。
『海軍の日』に先立つ2020年7月21日、フリゲートで聖アンドレイ旗が厳かに掲揚された。
艦は、ロシア海軍最大の水上艦連合部隊であり、現在は同プロジェクトのフリゲート2隻が活動している北方艦隊のロケット艦師団へ含まれた。
フリゲートの兵装は、130㎜砲装置A-192、高射ミサイル複合体、対艦ミサイル「オーニクス」或いは「カリブル」の為の発射装置である。
対潜複合体を有し、艦上には対潜ヘリコプターKa-27を搭載する。
1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で2009年11月26日に起工されました。
[プロジェクト22350フリゲート2番艦「カサトノフ海軍元帥」起工]
起工から約5年後の2014年12月12日に進水しました。
[ロシア海軍の新型フリゲート(大型警備艦)アドミラル・フロータ・カサトノフは進水した]
2016年6月下旬、「アドミラル・カサトノフ」へ「主要打撃複合体」が設置されました。
[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
これは、有翼ミサイル「オーニクス」と「カリブル」の汎用ミサイル垂直発射機3S-14UKSKを指しています。
2018年12月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、洋上試験の最初の段階である工場航行試験を開始する為、造船所の岸壁を離れました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは洋上試験を開始した]
フィンランド湾における工場航行試験の第1段階を終えた「アドミラル・カサトノフ」は、2019年1月9日にサンクトペテルブルクへ戻りました。
[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは最初の洋上試験を完了した]
最初の航行試験は、フィンランド湾が結氷していた為、速力は26ノットまでしか出さなかったようです。
(プロジェクト22350フリゲートの最大速力は29ノット)
2019年4月21日、「アドミラル・カサトノフ」は2回目の工場航行試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は2回目の洋上試験を開始した]

その後、大祖国戦争(1941年6月22日のナチスドイツ軍によるソ連侵攻開始から1945年5月9日のベルリン占領までのソ連-ドイツ戦争のロシア側公式呼称)の勝利74周年の祝賀行事へ参加する為、一時バルチースクへ戻りました。
「アドミラル・カサトノフ」は5月9日の戦勝記念日をバルチースク軍港で祝いました。
その後、洋上試験を続ける為、再びバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"とコルベット"グレミャーシチー"はバルト海で洋上試験を続ける]
その後、物資補充の為に一旦バルチースクへ戻り、5月29日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で洋上試験を行なっている]
6月4日には、同じくバルト海で洋上試験中のプロジェクト23130中型海洋給油船「アカデミック・パシン」から洋上給油を受けました。

[ロシア海軍の新型給油船(補給艦)アカデミック・パシンはバルト海で最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]
6月20日までに洋上試験の第2段階は終了し、建造元の『北方造船所』へ戻りました。

[ロシア海軍最新鋭のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験の第2段階を終えてサンクトペテルブルクへ戻った]
「アドミラル・カサトノフ」は、2019年7月10日~14日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロンIMDS-2019で展示されました。


そしてサンクトペテルブルクで7月28日に行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2019年7月28日14時37分配信
【ロシアは『海軍の日』を迎えた】
8月23日、「アドミラル・カサトノフ」は洋上試験を再開する為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は洋上試験を再開した]
その後もバルト海で試験は続けられ、9月20日にはバルト艦隊航空隊の航空機を目標にしたレーダーの動作試験が行なわれ、翌9月21日には、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で射撃試験を実施した]
バルト海で試験試験を行なっていた「アドミラル・カサトノフ」でしたが、10月上旬にバルト海を出て北方へ向かい、10月中旬に白海へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は試験の為に白海へ到着した]
その後、白海での洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方海域での洋上試験の準備を進めている]
その後、一旦白海海軍基地へ戻った後、11月20日に白海での洋上試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で洋上試験を行なっている]
11月25日にはヘリコプターの着艦試験が行なわれました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海でヘリコプターの発着試験を行なった]
その後、一旦白海海軍基地へ戻り、11月27日に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で兵装の試験を行なう]
11月29日、白海で「アドミラル・カサトノフ」は、汎用垂直発射機3S-14から有翼ミサイル「カリブル」(対艦型)と超音速対艦ミサイル「オーニクス」を同時に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で対艦ミサイル"オーニクス"と"カリブル"を同時に発射した]
12月1日(ロシア連邦軍の新年度の初日)、今度は白海からチジャ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「カリブル」(対地型)を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で地上目標へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
12月8日、「アドミラル・カサトノフ」はセヴェロモルスク泊地へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ到着した]
12月18日、「アドミラル・カサトノフ」は、再び試験の為にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海へ出航した]
試験後に一旦基地へ戻った後、12月24日に再びバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は兵装試験の為にバレンツ海へ出航した]
しかし、バレンツ海は悪天候の為、予定された試験は一部しか実行できておらず、兵装の射撃試験などは天候回復まで延期される事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は悪天候下のバレンツ海で洋上試験を行なっている]
「アドミラル・カサトノフ」は、2019年12月末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、洋上試験が全て完了しなかった為、2020年に延期される事になりました。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]
年が明けた2020年1月11日、「アドミラル・カサトノフ」は、残りの洋上試験を行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で最終洋上試験を再開した]
1月14日には沿岸目標へ130mm砲を発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で沿岸への艦砲射撃を行なった]
2月3日には高射ミサイル「ポリメント-リドゥート」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で高射ミサイル"ポリメント-リドゥート"を発射した]
2月9日には電波電子戦闘複合体による電波妨害の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で電波電子妨害試験を行なった]
2月11日、「アドミラル・カサトノフ」はセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロモルスクへ帰投した]
2月14日、130mm砲A-192及び30mm高射機関砲「パラシ」の射撃試験などを行なう為、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で砲撃試験を行なう]
射撃試験実施後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、2月20日に再び出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で洋上試験を続ける]
その後、一旦セヴェロモルスクへ戻り、3月24日に出航しました。
「アドミラル・カサトノフ」は、水中音響複合体(ソナー)や対潜兵器の試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海でソナーと対潜兵器の試験を行なう]
北方海域(バレンツ海と白海)での洋上試験を全て完了した「アドミラル・カサトノフ」は、北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かいました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクを去り、バルト海へ向かった]
4月14日にバルト艦隊基地バルチースクへ到着しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト艦隊基地バルチースクへ到着した]
5月21日、「アドミラル・カサトノフ」は、最終洋上試験を行なう為にバルト海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で最終洋上試験を開始した]
6月2日には対魚雷兵器「パケート」(324mm魚雷迎撃用魚雷)の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバルト海で魚雷迎撃魚雷パケートの発射試験を行なった]
6月6日、全ての洋上試験を終えて建造元の『北方造船所』へ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は全ての洋上試験を完了した]
「アドミラル・カサトノフ」は『北方造船所』で検査とメンテナンスを行ない、一度海上へ検査出航した後、ロシア海軍への引き渡しの準備を行ないます。
2020年7月15日、「アドミラル・カサトノフ」の受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]
正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクのネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]
ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルクのネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]
9月15日、「アドミラル・カサトノフ」はセヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
その後、「アドミラル・カサトノフ」は白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]
10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]
「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう]
数日後に帰投した後、今度は対潜演習を行なう為、10月20日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なう]
バレンツ海で対潜演習を行なった後、10月24日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なった後に帰投した]
この時、新型対潜ミサイル「オトヴェート」の発射試験も行なわれました。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]
11月7日、バレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう]
バレンツ海での戦闘訓練の後、11月11日に白海沿岸のセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]
翌11月12日、「アドミラル・カサトノフ」は白海で有翼ミサイル「カリブル」をチジャ射爆場の地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]
11月14日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海での演習を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
12月初頭には「アドミラル・カサトノフ」乗組員へ新型コロナウイルスのワクチン接種が行なわれました。
そして12月30日、「アドミラル・カサトノフ」はセヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
近日中にバレンツ海で救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流します。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】
- 関連記事
-
- ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアを去った
- ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアのアルジェ港を訪れた
- ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った
- ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た
- ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した
スポンサーサイト