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ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年2月末にロシア海軍への引き渡しの準備を終える

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年2月4日18時53分配信
【『統合造船業営団』トップ:2月末に原子力潜水艦「カザン」の作業は完了する】

近代化プロジェクト885M(コード名「ヤーセン-M」)多目的原子力潜水艦の1隻目「カザン」は、2月末に海軍への引き渡しの準備が整う。
『インタファクス』のインタビューに対し、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは述べた。


「原子力潜水艦カザンは、メカニズムの仕上げ及び修正の最終段階に在ります。
御自身で判断して下さい:潜水艦は2年半航行試験に在り、私共は、通常は機械部品の最初の修理を行なう最初のサービス間隔へ近付いています。
今日において、更なる長期間の試験を必要とするような問題は見当たりません。
2月末には、この部分の完了を準備します」

彼は語った。

「カザン」の建造は、2009年に『セヴマシュ』で始まった。
2017年春に造船台から出て進水した。
潜水艦は2018年に海軍への引き渡しが計画されていたが、その後、就役は2019年に延期された。

2019年春、アレクセイ・ラフマノフは、「カザン」の第1段階航行試験時に設計上の不具合が見つかったと話し、10月には、「カザン」の引き渡しは2020年に延期されると発表された。

2020年6月初頭、「カザン」の国家試験は秋に始まり、少なくとも2ヶ月間を必要とするが故に、潜水艦海軍への引き渡しは2021年に延期されるという情報がメディアに登場した。
その後、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは、潜水艦は12月末までに就役しなければならないと言った。

改善プロジェクト885Mは、『セヴマシュ』で更に潜水艦「ノヴォシビルスク」「クラスノヤルスク」「アルハンゲリスク」「ペルミ」「ウリヤノフスク」が建造されている。

[Mil.Press FlotProm参照]
「ヤーセン」型多目的原子力潜水艦
の水上排水量は8600トン、水中排水量13800トン。
それは深度600メートルまで潜航でき、水中で30ノットの速力を発揮する。
プロジェクトは混合船体システムを採用した~軽量船体は、騒音を低減する為、潜水艦の艦首の強度船体の一部のみを覆っている。

国内造船で初めて魚雷発射管が艦首では無く、中央区画の後部に配置された。
「ヤーセン」は、有翼ミサイル「オーニクス」及び「カリブル」自立誘導533mm魚雷で武装する。
将来的には、極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」を使用できるようになる。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。

北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


当初、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]

「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]

しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]

一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]

翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]

白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。

2020年にも「カザン」の航行試験は続けられる事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]

「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭に始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]

10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

その後、「カザン」は11月21日に国家試験の最終段階の為に白海へ出航し、11月23日には有翼ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月30日には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

その後、「カザン」は一旦セヴェロドヴィンスクへ戻り、12月中旬に白海へ出航し、12月19日に再び超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で再び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2020年12月末に予定されていましたが、結局、またも実現せず、引き渡しは翌2021年に延期される事になりました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]

建造元の『セヴマシュ』は、「カザン」を2021年の何時引き渡すのか明言していませんが、非公式筋によると、2021年前半、つまり6月末までの引き渡しが予定されているようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年前半にロシア海軍へ就役する]

早ければ、引き渡しは2021年の第1四半期、つまり3月末までになるようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2021年第1四半期に延期された]


当初、「ヤーセン」級シリーズの建造は、原型1隻、改型6隻の計7隻で完了する予定でしたが、2019年6月27日、モスクワ州愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]

この2隻は、2020年7月20日に起工されました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]
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