サンクトペテルブルクの北方造船所の新たな乾ドックは2022年以降に稼働する
- カテゴリ:ロシアの造船業

『タス通信』より
2021年2月6日0時9分配信
【『北方造船所』は近い内に5隻の艦船の引き渡しを予定している】
モスクワ、2月5日/タス通信
『北方造船所』(『統合造船業営団』へ加入)は、近い内に発注者へ5隻の艦船の引き渡しを予定している。
『タス通信』は同社の総取締役イーゴリ・オルロフより伝えられた。
「2020年に私共は2隻の艦を国防省へ御引き渡し致しました。
先ず3隻の漁師(漁船)、2隻の戦闘艦を」
彼は、近い将来の同社の引き渡し計画についての質問に答え、説明した。
国家防衛発注ラインにおいて『北方造船所』は、特に、プロジェクト22350フリゲートと、同番号の近代化プロジェクト、更にはプロジェクト20385コルベットを建造する。
現在、ロシア海軍には2隻のプロジェクト22350フリゲート~「アドミラル・ゴルシコフ」及び「アドミラル・カサトノフ」が引き渡されている。
更に、近代化プロジェクト2隻を含む4隻が建造されている。
『北方造船所』はプロジェクト20385コルベット「グレミャーシチー」を建造した。
もう1隻の同プロジェクト艦の建造が進められている。
[新たな船台]
オルロフは、『北方造船所』が大洋ゾーン艦の建造の為の新たな船台を2022年に受け取ると述べた。
「2021年に建設の完了が計画されており、引き渡しは2022年です」
彼は話した。
彼の判断によると、新たな造船台の建造作業はスケジュールに沿って進んでいる。
幅50メートル以上、全長240メートルの造船台が2ヶ所建造される。
そこには、『統合造船業営団』及び発注者から与えられた課題により建造される艦船を据える事が出来る。
新たな船台は、プロジェクト22350Mフリゲートの建造の為に使用される予定である。
[プロジェクト22350フリゲートのトップ]
オルロフによると、『北方造船所』がプロジェクト22350フリゲートのトップを起工する日時は、未だ設定されていない。
「フリゲートのトップを起工する日時は、未だ設定されていません。
サンクトペテルブルクの『北方計画設計局』は、新たな将来遠海ゾーン艦の作業に従事しています」
彼は話した。
以前、『統合造船業営団』総取締役アレクセイ・ラフマノフは、近代化の後に『北方造船所』は近代化プロジェクト22350Mフリゲートの建造に着手すると述べた。
彼によると、これは更により強力かつ良好な武装を持つ。
トップ艦の開発及び建造の国家契約へ署名されたと彼は付け加えた。
未確認の公開情報によると、プロジェクト22350Mフリゲートは、8基の汎用艦載射撃複合体の搭載が可能であり、64基のミサイル:「カリブル-NK」或いは「オーニクス」、そして将来的には極超音速の「ツィルコン」を持つ。
【『北方造船所』公式サイト】
サンクトペテルブルクの『北方造船所』は、1912年11月14日に創立されました。
当初は『プチロフ造船所』という名前でしたが、1922年に『北方造船所』と改名されました。
1934年には『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(第190工場)と改名されましたが、1989年には『北方造船所』に戻され、現在に至っています。
『北方造船所』(当初は『プチロフ造船所』)が最初に建造した船は、今もロシア海軍で現役に留まっている救助船「コムーナ」です。
(1912年11月12日起工、1913年11月17日進水、1915年7月14日就役、就役時の船名は「ヴォルホフ」)

操業開始以来、主に駆逐艦クラスの水上戦闘艦を建造してきました。
特に、プロジェクト1134ロケット巡洋艦、プロジェクト1134A大型対潜艦、プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦)は、『北方造船所』のみで建造されました。
プロジェクト1134ロケット巡洋艦:1967年~1969年に4隻建造

プロジェクト1134A大型対潜艦:1969年~1977年に10隻建造

プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦):1980年~1993年に17隻建造(この他、中国海軍向けとして改型2隻を含む4隻建造)

21世紀に入ってからは、ロシア海軍の新世代水上戦闘艦~プロジェクト20380コルベット、プロジェクト20385コルベット、プロジェクト20386コルベット、プロジェクト22350フリゲート~を建造しています。
これまでに通常動力艦のみを建造してきた『北方造船所』ですが、2012年2月には、原子力推進艦を建造できる認可をロシア連邦政府から得ました。
[サンクトペテルブルク北方造船所は、原子力艦の建造を準備する]
これは、将来の原子力駆逐艦「リデル」の建造を見据えた措置です。
しかし、『北方造船所』の乾ドックのサイズは全長170メートル、幅20メートルであり、全長200メートル以上の「リデル」を建造するのは不可能です。
そこで、新たに、より大型の乾ドックが建設される事になりました。

この大型乾ドックは2021年末までの完成が予定されています。
新たな大型乾ドックの完成後、先ずプロジェクト22350の拡大発展型であるプロジェクト22350Mフリゲートを建造し、その後に「リデル」が建造される事になります。
更には新世代原子力航空母艦の建造への参画(船体の一部の建造)も可能になります。
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