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ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験の準備を進めている

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『イズベスチヤ』より
2021年2月11日0時1分配信
【「ポセイドン」潜水艦:潜水艦は核ロボットの試験を準備する】

最新原子力潜水艦「ベルゴロド」は、新たな戦略抑止兵器の最初の標準搭載艦となる。

原子力水中ロボット「ポセイドン」の最初の標準搭載艦~原子力潜水艦「ベルゴロド」の試験の準備が始まる。
現在、原子力巡洋艦は最初の出航を準備している。
以前、特殊戦略水中無人機は、ディーゼル潜水艦B-90「サロフ」でテストされた。
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専門家は、革新的な弾薬を備えた複合体のプロジェクト作成の完了には、更に数年を必要とすると考えている。

[最終テスト]
以前、海上射爆場での「ポセイドン」の試験は成功裏に完了したと防衛当局のトップ、セルゲイ・ショイグは発表した。
更に、原子力潜水艦「ベルゴロド」でテストが行なわれると1月初頭に生産合同『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコは報道機関へ伝えた。
特殊潜水艦新兵器「ポセイドン」搭載艦の就役までに、実験潜水艦B-90「サロフ」で試験が行なわれた。
2008年から、模型と、その後に核ロボットのプロトタイプの発射が行なわれた。

1月に生産合同『セヴマシュ』は、建造中の原子力潜水艦「ベルゴロド」への「ポセイドン」の為の試験機器の据え付けの契約の締結について幾つかの通知書を用意した。
機材の正確な名前は明らかにされていない。
更に、安全及びダメージコントロールの為の艦内システムの据え付けを含む他の作業についても通知書に記されている。
文書に表記された日付のよると、潜水艦及び核無人機から成る複合体の開発完了の為には、更に5年掛かる。

「ベルゴロドの試験には、かなり多くの段階の実行が控えております」
潜水艦艦長イーゴリ・クルディン1等海佐は『イズベスチヤ』へ話した。
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「潜水艦の航行性能は、様々なモード及び動力装置の動作速度で点検されます。
最後は、ポセイドンの発射を含む実地魚雷射撃となります。
これに掛かる時間がどのくらいになるのかを御話しするのは、今は難しいですね。
これがシリーズの潜水艦ならば、何らかの予測を行なう事も出来ます。
ですが、このような特殊な艦のテストの為には、かなり長い時間が掛かる事も有り得ますね」


専門家は、当初、「ベルゴロド」プロジェクト949A「アンテイ」として起工された事を指摘した。
このような潜水艦は、1980年代中期から1990年代中期に建造され、今は、近代化を行ない、新たな兵器を受け取った多くの艦が現役に留まっている。

「これらの艦は、大いなる近代化の余裕を持たせて建造されました」
イーゴリ・クルディン
は説明した。
「例えば、兵器の発射管は、当時使用されていた弾薬よりも直径が大きいものでした。
その強度船体は長持ちし、核動力装置は、アクティブゾーンのみの交換を必要とし、電波電子機器と、全ての他の機器は、新たなものに交換できます。
従いまして、同プロジェクト潜水艦は、30年以上前に建造されたものであっても、現役に留まり、戦闘勤務へ就いています」


[核の心臓]
「ポセイドン」
は、新たな風貌の抑止兵器の1つであり、2018年にウラジーミル・プーチンが連邦教書演説で提示した。
それは、核を含む大量破壊手段を用いたロシアへの奇襲攻撃の場合でも、報復打撃の保証を与える為に意図されている。

新たなプロジェクトの心臓は、革新的な小型原子炉である。
この装置の詳細は明らかにされていない。
大統領によると、核動力装置原子力潜水艦のエンジンの100分の1の容量であり、その出力を超える。

大型魚雷に類似するロボット装置は、コンパクトな核エンジンのお陰で無制限の航行距離を有する。
それは深度1キロメートルまでの潜航を可能にする。
最大輪郭は、数メガトンに相当する強力な弾頭の設置を可能にする。
これは、潜在敵の沿岸インフラへ許容できない損害を与える為、更には航空母艦打撃グループを破壊するには充分である。
更に、爆薬を有する通常弾頭を無人機へ設置する事も出来る事が表明された。

国防省は、水中プラットフォーム及び実験潜水艦「サロフ」からの「ポセイドン」発射試験の動画を幾つか示した。


しかし、専用搭載艦からのテスト開始は、未だ伝えられていない。
様々な報道によると、各々は核ロボットの為の4基から6基のシャフト装置を搭載する。

[「ポセイドン」搭載艦]
「ベルゴロド」
は、その30歳の誕生日よりも少し前に就役しなければならない。
「航空母艦キラー」プロジェクト949A「アンテイ」の建造は1992年に始まった。
しかし、間もなく作業は、他のソヴィエト時代の未完成艦のように凍結された。
潜水艦は保管された。
長年に渡り、その運命は不確実なままであった。
2隻の同型潜水艦は、その建造が準備の少ない段階に在ったが、造船台で切断された。
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2006年、当時の軍当局のトップ、セルゲイ・イワノフは、国防省原子力潜水艦「ベルゴロド」を必要としないと言った。
他の顧客の為、その改装が検討されたが、アイデアは実現しなかった。

未完成の水中巡洋艦への関心は、「ポセイドン」作成プロジェクトの開始と共に戻った。
2009年、近代化潜水艦プロジェクトの開発が始まり、3年後に海軍総司令官は、「ベルゴロド」が特殊任務を解決する為に特別ヴァージョンで完成すると述べた。
2012年、潜水艦工場で再び起工され、船体の大規模なペレストロイカ(再編)が始まった。
有翼ミサイルの為の区画に代わり、新たな兵器の発射装置が設置された。
プロジェクト番号は、949Aから09852へ変更された。

2019年4月、潜水艦セヴェロドヴィンスクの船台から出渠した。

ウラジーミル・プーチン大統領は、テレビ中継でその進水を見た。
潜水艦は水上で点検が始まり、艤装が行なわれ、原子炉がテストされた。
試験は今年末の完了が予定されている。
以前、国防省は、最初の搭載艦の為の乗組員は既に形成され、潜水艦及びその兵器への実地での習熟が始まったと伝えた。



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プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)原子力水中巡洋艦K-329「ベルゴロド」は、1992年7月24日にセヴェロドヴィンスク市生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されましたが、2006年に完成度80パーセント程度で建造工事は凍結されました。
[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

その後、「ベルゴロド」特殊用途原潜へ改造されることになりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する]
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2012年12月20日、「ベルゴロド」は、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として、『セヴマシュ』で改めて「起工」されました。
[調査原潜プロジェクト09852は起工された]
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当初、「ベルゴロド」は、2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、その後、引き渡しは延期され、2018年末までの進水予定も実現しませんでした。
[原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の為の原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年末までに進水する]
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「ベルゴロド」は、無人潜水艇「クラヴェシン-2」などの有人或いは無人の各種潜水艇を搭載します。
[ロシア海軍の新型無人潜水艇クラヴェシン-2の試験はクリミア半島のフェオドシヤで行なわれている]

この他、現在開発中の大洋多目的システム「ポセイドン」の搭載母艦としての役割も果たします。

[大洋多目的システム「ポセイドン」]

2019年4月23日、「ベルゴロド」『セヴマシュ』で進水しました。
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[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

「ベルゴロド」は2020年末にロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、同年中に洋上試験を開始する事すら実現できず、引き渡しは2021年に延期される事になりました。
[特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2020年6月に洋上試験を開始し、同年9月にロシア海軍へ引き渡される]
[セヴェロドヴィンスク造船所で建造されている特殊用途原子力潜水艦ベルゴロド、原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスク、戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・オレグは2021年にロシア海軍へ就役する]
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