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ロシアはヘリ空母ミストラル級の為の新たな歩兵戦闘車を開発する

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『イズベスチヤ』より
2013年1月31日0時01分配信
【国防省は「ミストラル」の為の装甲車を発注する】

新たな戦闘車両は大型でなければならず、全体的に良好な浮上航行能力を有するだろう。


フランス製ヘリコプター空母「ミストラル」に対するドミトリー・ロゴージン副首相からの批判にもかかわらず、国防省は、これらの艦~フランスで建造される2隻~の揚陸部隊の為の新たな歩兵戦闘車輌(BMP)の仕様を作成する。

海軍総司令部『イズベスチヤ』へ伝えた所によると、少なくとも15名の標準武装戦闘員が収容可能であり、更には、迫撃砲、自動擲弾砲、携帯高射ミサイル複合体、重機関銃を備えた車輌が必要である。

「この車輌は、現用のBMP-2、BMP-3、BTR-80よりも全体的により大型でなければなりません。
従いまして、その重量は約30トンになります」

海軍総司令部の対談者は『イズベスチヤ』に話した。

海軍将兵の他の条件は、必須の受動防護複合体(敵弾が命中した際に反応爆発し、有害な効果を軽減するように装甲外部に取り付けられた火薬筒)である。
更に、車輌にはアクティブ防護複合体「アリーナ」(距離25メートルで飛翔弾を迎撃し、金属球を雨あられのごとく撃ち出す車上装置)の装備が望ましい。

最後に、新たな海軍歩兵車輌は、過不足の無い揚陸火力を提供し、戦車及びヘリコプターを含む全ての脅威と戦わなければならない。
それ故に、30mm機関砲7.62mm機関銃対戦車誘導ロケット装置を装備していたBMP-2の武装は、譲る事は出来ない。
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「このような大型車輌は、無論、現代の対戦車兵器の前では脆弱です。
ですが、アメリカ海兵隊の揚陸水陸両用車AAV7という例は、小さなサイズの車両は現代の戦闘条件ではチャンスが無い事を示しております。
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従いまして、エンジン出力は少なくとも400馬力となり、私共は、電気伝導ガスタービンと、クルガンツェフの為の750馬力の将来ディーゼルエンジンに期待しております」

海軍士官は説明した。

国防省『イズベスチヤ』へ伝達した所によれば、「ミストラル」の為の標準海軍歩兵大隊の装備として既に決まっていた将来浮揚装甲車クルガンツェフ-25及びBMP-3Fは、断念される事が決定された。

「海軍歩兵は最も強力な軍の一つであり、戦闘車両は、全ての兵器の条件を得る必要が有ります。
最初に、何を積むのかの決定が行なわれ、その後に車輌が発注されました。
通常は、逆の事が起こっています。国防省は車輌を与え、私共は、その下で定員を形成します。
それ故に、人員数と個々の兵器の不一致が発生しております」

対談者は話した。

2013年、新たな装甲車両の全体の開発者が公開入札により決定される。
翌年春、入札の勝者は国防省委員会からプロジェクトの後援を受けなければならず、その後、生産が開始される。

2011年6月、ロシアは2隻のヘリコプター空母「ミストラル」型を12億ユーロで購入する契約に署名した。
ロシア海軍の為の最初のヘリ空母は2014年にフランスで完成し、2隻目は2015年となる。
更に2隻の「ミストラル」ロシアで建造する契約については議論されており、決定は後日に下される。
1月下旬、ドミトリー・ロゴージンは、フランスからの技術購入に批判的な発言を行なった-彼の意見によれば、フランスのヘリコプター空母は、低温では使用できない。

地政学問題高等学院副校長コンスタンチン・シフコフは、「ミストラル」を揃える海軍の計画を批判した。
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「特定のヘリコプター空母の為に戦闘車両のシリーズ生産を組織する事は全く持って馬鹿げていますよ。
一般的には、戦闘車両の生産の場合、生産数は100-150輌を越えるのならば理にかなっています。
ですが、2隻のミストラルの為に必要な車輌など、最大でも20両程度でしょう」

専門家は『イズベスチヤ』へ指摘した。

ウラジーミル・ザハロフ退役海軍少将は懐疑的に考えている。
彼は「ミストラル」が沿岸から遠く離れた場所での行動を意図している事を『イズベスチヤ』に対して想起させた。

「上陸場所に重装甲車両を送り込む?
それは、既存の水陸両用装甲兵員輸送車や戦車を遥かに超える全く新しい浮上航行能力を有していなければならないでしょうね。
ですが、我々の防衛産業が、特定分野で技術革新を成し遂げられるなどとは、僕には思えませんがね」

提督は言った。

しかし、海軍総司令部は検討する-重量級かつ大型の揚陸車輌の作成を-それは、世界的な傾向に倣うものである。
現代の海軍歩兵は、海岸から30-40km離れた所からヘリコプター及び揚陸艇で上陸する超水平線と呼ばれる方式を取っている。
戦車は、自力で水域を克服する。

ソヴィエト連邦の軍科学者は、実際には沿岸の艦から這い出る方式の優位を主張してきた。
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それ故に、海軍歩兵の軍備は、自力で1km以上のなぎ海を浮上航行出来ない通常の装甲車であった。
大容量の重水陸両用車は、海軍に必要である。
それは「ミストラル」に関係する事のみならず、将来の為にも。
海軍総司令部は話した。


[ヘリ空母ミストラル型]
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された]

以前、ロシア海軍「ミストラル」級の為の専用の海軍歩兵大隊が設立されると報じられました。
[ロシア海軍はヘリ空母ウラジオストク型の為のスぺツナズ大隊を設立する]

この「ミストラル」大隊は、異なる構成の3個中隊から成ります。
第1中隊:ヘリコプター降下中隊
第2中隊:水陸両用車中隊
第3中隊:ゾディアックボート機動中隊


今回の記事で取り上げられている「新たな重水陸両用歩兵戦闘車」は、この第2中隊用の車輌です。

以前は、BMP-3F或いは「クルガンツェフ-25」の装備が想定されていましたが、今回の記事に有るように、両方とも海軍の要求を満たさないので、「新たな重水陸両用歩兵戦闘車」を開発する事になったようです。


今回の記事でも触れられていますが、ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージンは、1月26日に「ミストラル」級購入への批判を表明しました。
[ミストラル級は低温地帯では使用できない]
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