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ロシア海軍向けだったプロジェクト11356Rフリゲート6番艦アドミラル・コルニロフに関する最終決定は下されていない

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年2月16日3時11分配信
【工場は第6のプロジェクト11356フリゲートの運命について話した】
モスクワ、2月16日-ロシア通信社ノーボスチ、セルゲイ・サフロノフ

第6のプロジェクト11356フリゲートの船体は、工場『ヤンターリ』(カリーニングラード)で5年前から「保管」されており、今日まで良好な状態に在り、国防省の購入の決定を待っている。
『ロシア通信社ノーボスチ』工場の総取締役イリヤ・サマリンより伝えられた。

「11356は非常に良い艦であり、私共は、これを国防省へ提供し、私共には、エンジン以外の全ての資産が有ります。
主動力装置に関する問題が解決した場合、これは明確に竣工へと向かい、双方にとって好都合な価格となります。
未だ発注者による最終決定を待っております」
サマリン
は話した。

これについて彼は、建造時から既に5年以上が経過した事を強調した。

「既に5年に渡り保管されており、艦は非常に良好な状態です。
下塗りと塗装は、全て整っています」
サマリン
は話した。

同時に彼は、インドによるこのシリーズの2隻の艦の購入を考慮すれば、これがインドの顧客へ売却される可能性を排除しなかった。

当初、カリーニングラード工場は、黒海艦隊の為に6隻のプロジェクト11356フリゲートを建造していたが、以前にはウクライナから供給されていた動力装置を欠いたが故に建造は中断された。
造船所は、3隻のフリゲートのエンジンのみを受け取り、現在、黒海艦隊では、「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」という名で勤務している。

2018年、このシリーズの残り3隻の内の2隻は、既にロシアから6隻の同様のフリゲートを購入したインドへ売却され、完成させる事が知られるようになった。
各艦は、8基の海上有翼ミサイル「ブラモス」で武装する。
インドの為の2隻の艦の建造は、2022~2023年に完了する。
これに加え、更なる2隻の同類のフリゲートが、インド造船所ゴア・シップヤード・リミテッドで建造される。

工場『ヤンターリ』で製造されたもう1隻のプロジェクト11356艦の船体の運命は、これまでに不明なままである。



ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rフリゲート(インド海軍向けの「タルワー」級フリゲートロシア向けヴァージョン)は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。
[「タルワー」級(プロジェクト1135.6)]
[プロジェクト11356(タルワー級)の装備]
[プロジェクト11356R(改タルワー級)フリゲート]

1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2010年12月18日起工/2014年3月14日進水)は2016年3月11日に就役し、2016年6月9日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

2番艦「アドミラル・エッセン」(2011年7月8日起工/2014年11月7日進水)は2016年6月7日に就役し、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]

3番艦「アドミラル・マカロフ」(2012年2月29日起工/2015年9月2日進水)は2017年12月27日に就役し、2018年10月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]


4番艦「アドミラル・ブタコフ」は2013年7月12日、5番艦「アドミラル・イストミン」は2013年11月15日に起工されました。

6番艦「アドミラル・コルニロフ」も2013年12月頃に起工されました。

しかし、この3隻は、ウクライナからのガスタービンエンジンの供給問題により建造が中断しました。
[ガスタービンエンジン代替問題]
ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、ウクライナ「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの主要パーツはロシアで製造し、最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていたのですが、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化し、ガスタービン生産の分業体制も瓦解しました。

この為、2016年初春頃からインドへの売却交渉が行なわれ、2017年2月にはインドへの売却が決まったと報じられました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為に建造されたプロジェクト11356Rフリゲートの4番艦と5番艦はインドへ売却される]

2018年11月20日、ロシアインドは、インド海軍向けのプロジェクト11356フリゲート4隻を含む兵器輸出契約へ署名しました。
[ロシア海軍向けだったプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦はインドへ売却された]

これにより、4番艦「アドミラル・ブタコフ」と5番艦「アドミラル・イストミン」インドへ売却される事になり、建造工事が再開されました。
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しかし、6番艦「アドミラル・コルニロフ」に関しては、未だ最終的な決定は下されていません。
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今更ロシア海軍が購入する可能性はゼロに等しく、インドが購入しない限り、完成する見込みはなさそうです。
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