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ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフの解体作業は2021年8月に始まる

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『インタファクス』より
2021年2月18日11時27分配信
【原子力巡洋艦「アドミラル・ラーザレフ」は解体へと向かう】
モスクワ、2月18日、インタファクス・ロシア

重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ラーザレフ」の解体は、今年に始まる。
国家発注ポータルサイトの資料には、こう記されている。

文書によると、国営法人『ロスアトム』は、『第30艦船修理工場』「重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフの解体」契約を締結した。
作業費用は50億ルーブルになる。
巡洋艦は、2021年8月末までに『第30艦船修理工場』の切断船台へ置かれなければならない。

解体作業は、2025年11月30日までの完了が計画されている。

巡洋艦プロジェクト「オルラン」に属している。
「アドミラル・ラーザレフ」は1984年に海軍へ引き渡された。
1900年代には活動を停止した。
これまで同艦の運命は不明であり、様々な時期に、巡洋艦の近代化や、或いは解体の計画が発表された。

プロジェクト「オルラン」の下で合計4隻の巡洋艦が建造された。
巡洋艦「アドミラル・ウシャコーフ」は2002年に海軍から除籍され、同艦も又解体が予定されている。
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巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は、現在、近代化が進められている。
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2017年に北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ『インタファクス』へ伝えたように、(アドミラル・ナヒーモフの)近代化作業の完了後、同プロジェクトの第4の巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が(近代化へ)送られる事が計画されている。
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プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦の2番艦「フルンゼ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)のオルジョニキーゼ記念造船工場(現バルト工場)で1978年7月26日に起工、1981年5月26日に進水、1984年10月31日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。
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1985年11月下旬に極東へ回航されました。
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[原子力巡洋艦フルンゼ極東回航(1985年)]

1986年の「フルンゼ」
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1987年の「フルンゼ」
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1987年7月末の「フルンゼ」
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1989年の「フルンゼ」
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1990年9月の「フルンゼ」
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1992年4月22日付で「アドミラル・ラーザレフ」)と改名されました。

1999年7月に予備役へ編入され、以後は沿海地方フォーキノで係留保管されました。
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[原子力巡洋艦フルンゼ(アドミラル・ラザレフ)-2007年3月]
[キーロフ級2番艦フルンゼ(現アドミラル・ラーザレフ)近影(2007年秋)]
[原子力巡洋艦フルンゼ(アドミラル・ラザレフ)近況(2008年8月2日)]
[フォーキノ湾の原子力巡洋艦アドミラル・ラザレフ<旧フルンゼ>(2009年8月31日)]

ロシア海軍総司令官フェリックス・グロモフ提督による視察(1996年6月4日)


2002年12月6日には小火災事故を起こしました。

2004年~2005年にボリショイ・カーメニ艦船修理工場『ズヴェズダー』原子炉の核燃料が撤去されました。
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2009年9月には近代化改装計画が発表されました。
[ロシアはキーロフ型を復帰させる]

2010年以降、艦上の各種装備が撤去されました。
[キーロフ型原子力巡洋艦アドミラル・ラーザレフ(2011年7月)]

2014年6月末からフォーキノ近郊のドゥナイ『第30艦船修理工場』大型浮きドックPD-41(日本石川島播磨重工業(IHI)が建造し、1978年にソ連へ輸出)へ入渠し、船体の修復を行ないました。
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[ロシア太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフ(旧フルンゼ)近影]
[ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフは浮きドックで修理された]

船体の修復後、またフォーキノで係留保管されました。
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2015年3月5日、海軍旗初掲揚30周年を迎えました。


2019年8月、「アドミラル・ラーザレフ」で、ロシア国家親衛隊(2016年4月5日創設)との合同演習が行なわれました。
演習のシナリオは、「アドミラル・ラーザレフ」への侵入を試みるテロリストを排除するというものでした。
[ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフで対テロ演習が行なわれた]

今後の運命が決まっていなかった「アドミラル・ラーザレフ」ですが、2021年8月から解体作業が始まる事になりました。
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解体作業はドゥナイ『第30艦船修理工場』大型浮きドックPD-41で行なわれ、2025年11月末までの完了が予定されています。
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