ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を去った

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年2月18日18時24分配信
【ロシアのフリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」はエジプトのアレクサンドリアへの業務寄港を完了した】
地中海で遠距離航海任務を遂行しているロシアの最新戦闘艦~フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は、エジプトのアレクサンドリア港への業務寄港を完了した。
国際海軍協力計画に沿った北方艦隊将兵の訪問は3日間続いた。
フリゲートと一緒に港には救助曳船「ニコライ・チケル」も滞在した。
寄港初日、艦上には、エジプト・アラブ共和国のロシア連邦特命全権大使にしてアラブ国家連盟のロシア全権代表ゲオルギー・ボリセンコ率いるロシア大使館代表団が到着した。
外交官の為にフリゲートの見学旅行が行なわれた。
支隊指揮官は更に一連の表敬訪問を行ない、乗組員の為、対流行病体制を遵守したアレクサンドリアへのバス旅行が用意された。
フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」と救助曳船「ニコライ・チケル」は、午後にエジプトの港の埠頭から離れ、地中海へ進路を取った。
近い内に、彼らは遠距離航海計画の下、地中海東部で行動する。
地中海での航海中、ロシア艦はアルジェリアとギリシャへの業務寄港を行なった。
エジプトは、現在の遠距離航海において最新フリゲートが入港する地域の3番目の国であり、そして同艦の歴史上初めてとなった。
艦は、北方艦隊主要基地~セヴェロモルスクから2020年12月30日に出航した。
航海開始までに軍事船員及び民間船員、更に海軍歩兵と他の臨時出向者は、ロシア製のコロナウイルス伝染病薬「スプートニク-V」の予防接種を受けた。
1等多目的フリゲート・プロジェクト22350の2番艦「アドミラル-フロータ・カサトノフ」は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で2009年11月26日に起工され、2014年12月12日に進水し、2020年7月15日にロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ納入された]
正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、サンクトペテルブルクのネヴァ川泊地に停泊中の「アドミラル・カサトノフ」で7月21日に開催されました。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]
ロシア海軍へ就役した「アドミラル・カサトノフ」は、7月26日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルクのネヴァ川で行なわれた観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
その後もバルト海に留まっていましたが、2002年9月に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ回航される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向かっている]
9月15日、「アドミラル・カサトノフ」はセヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
その後、「アドミラル・カサトノフ」は白海へ移動し、9月29日には有翼ミサイル「カリブル」(対地攻撃型)を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上へ発射した]
10月2日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海からセヴェロモルスクへ帰投した]
「アドミラル・カサトノフ」は各種演習や乗組員の錬成訓練を行なう為、10月15日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で演習を行なう]
数日後に帰投した後、今度は対潜演習を行なう為、10月20日にバレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なう]
バレンツ海で対潜演習を行なった後、10月24日にセヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海で対潜演習を行なった後に帰投した]
この時、新型対潜ミサイル「オトヴェート」の発射試験も行なわれました。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]
11月7日、バレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう為に出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海で戦闘訓練を行なう]
バレンツ海での戦闘訓練の後、11月11日に白海沿岸のセヴェロドヴィンスク(白海海軍基地)へ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はセヴェロドヴィンスクへ到着した]
翌11月12日、「アドミラル・カサトノフ」は白海で有翼ミサイル「カリブル」をチジャ射爆場の地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]
11月14日に母港セヴェロモルスクへ帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はバレンツ海と白海での演習を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]
12月初頭には「アドミラル・カサトノフ」乗組員へ新型コロナウイルスのワクチン接種が行なわれました。

2020年12月30日、「アドミラル・カサトノフ」はセヴェロモルスクから出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は遠距離航海へ出発した]
出航後、バレンツ海で救助曳船「ニコライ・チケル」(1989年4月12日就役)と合流しました。
『Marine Traffic』より
【曳船「ニコライ・チケル」】
「アドミラル・カサトノフ」と「ニコライ・チケル」は2021年の新年をノルウェー海で迎え、その後にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過、1月11日にはビスケー湾を抜けて大西洋上へ出ました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は大西洋へ出た]

1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
1月15日にバルト艦隊の中型海洋給油船「コラ」から洋上給油を受けました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]
1月18日にアルジェリアのアルジェ港へ寄港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアのアルジェ港を訪れた]


1月20日にアルジェ港を出航し、地中海東部へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はアルジェリアを去った]
1月22日から地中海中部(マルタ海峡付近)で演習を開始しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海中部で演習を開始した]
1月26日、「ニコライ・チケル」は地中海東部のキプロス島南部のリマソール港を訪れました。

[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を訪れた]
1月27日、「アドミラル・カサトノフ」は地中海東部で対空戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"は地中海東部で対空戦闘訓練を行なった]
1月28日、「ニコライ・チケル」はリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大洋救助曳船ニコライ・チケルはキプロスのリマソール港を去った]


その後、「ニコライ・チケル」と「アドミラル・カサトノフ」は合流し、2月3日にはギリシャのピレウス港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャのピレウス港を訪れた]
2月5日にピレウス港を出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はギリシャを去った]
そして、地中海東部で行動中の「アドミラル・カサトノフ」と「ニコライ・チケル」へ、北方艦隊のプロジェクトREF-675中型海洋給油船「ヴャジマ」(1982年9月29日就役)が合流する事になり、2月初頭にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊の中型海洋給油船ヴャジマは地中海東部でフリゲート"アドミラル・カサトノフ"と合流する]
『Marine Traffic』より
【給油船「ヴャジマ」】
一方、「アドミラル・カサトノフ」と「ニコライ・チケル」は、2月16日にエジプトのアレクサンドリア港を訪れました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"はエジプトのアレクサンドリア港を訪問した]
最近は世界的なコロナウイルス流行の為、外国港を訪れても乗組員の市内旅行は行なわれていませんでしたが、今回のアレクサンドリア訪問では、久しぶりに市内旅行が実施されました。
「アドミラル・カサトノフ」と「ニコライ・チケル」は、2月18日午後にアレクサンドリア港を出航しました。
この2隻は、当面の間は地中海東部に留まるようです。
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」:2020年11月末から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」:2021年2月中旬から地中海東部に滞在
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年2月上旬から地中海東部に滞在

対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
フリゲート「アドミラル・カサトノフ」:2021年1月末から地中海東部に滞在
救助曳船「ニコライ・チケル」:2021年1月末から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2021年2月中旬から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
工作船PM-82:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
なお、2020年6月から8ヶ月間に渡り地中海東部に滞在していた黒海艦隊の大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」は、2月12日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入りました。

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