ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは地中海東部で『シリア・エクスプレス』に従事する
- カテゴリ:地中海情勢(2021年)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年2月20日21時29分配信
【ロシア連邦海軍の大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」は地中海へ入った】
イスタンブール、2月20日、インタファクス
ロシア黒海艦隊の大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」は地中海へ入った。
地元の情報ポータルサイトは発表し、ボスポラス海峡を通過する写真を公表した。
イスタンブールのサイトは、大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」が、地中海のロシア海軍の物資-技術サービス基地が置かれているシリアのタルトゥース港へ向かっていると確信している。
艦の吃水線から判断し、同艦は大量の荷物を積んでいる。
『インタファクス』が伝えたように、2月8日に大型揚陸艦「サラトフ」が地中海へと進んで行った。
これは既に、今年になってから2度目の同艦のシリアへの航海となる。
最初は1月に行なわれた。
現在、地中海では、10隻以上の戦闘艦及び補助船で構成されるロシア戦隊が恒常的に活動している。
海外メディアによれば、ロシア海軍の大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアのフマイミーン飛行場のロシア航空群、タルトゥースの海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける『シリア・エクスプレス』と呼ばれる作戦へ参加している。
ロシア海軍の大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアのタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる『シリア・エクスプレス』に従事しています。

当初は大型揚陸艦のみが『シリア・エクスプレス』へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍がチャーター或いは購入した貨物船も参加するようになりました。
「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦です。
黒海艦隊の大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(1987年就役)は、2020年には計7回の『シリア・エクスプレス』へ従事しました。
・3月2日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクはボスポラス海峡を通過してシリアへ向かった]
・4月20日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]
・5月17日にボスポラス海峡を南下、5月29日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]
・6月1日にボスポラス海峡を南下、6月12日に北上。
2020年2020年9月21日から26日までロシア南部と黒海、カスピ海で実施されたロシア南方軍管区の戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加する]
・11月4日にボスポラス海峡を南下、11月13日に北上。
・12月4日にボスポラス海峡を南下、12月15日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』へ従事した後に黒海へ戻った]
・12月22日にボスポラス海峡を南下、12月29日に北上。

そして2021年2月19日にボスポラス海峡を南下し、その後、地中海へ入りました。
記事中で触れられていますが、黒海艦隊の大型揚陸艦「サラトフ」(1966年8月18日就役)は、今年に入って既に2回『シリア・エクスプレス』へ従事しています。
1度目は1月23日にボスポラス海峡を南下し、2月初頭に同海峡を北上しました。
2度目は2月8日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。

現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」:2020年11月末から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」:2020年12月初頭から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」:2021年2月中旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「サラトフ」:2020年2月上旬から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」:2020年2月下旬から地中海東部に滞在
救助曳船「カピタン・グリエフ」:2020年8月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
フリゲート「アドミラル・カサトノフ」:2021年1月末から地中海東部に滞在
救助曳船「ニコライ・チケル」:2021年1月末から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2021年2月中旬から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
工作船PM-82:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
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