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ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクはバレンツ海での試験を未だ実施していない

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『イズベスチヤ』より
2013年2月1日11時27分配信
【「サンクト-ペテルブルク」はバレンツ海での試験を逸した】

最新プロジェクト潜水艦は、エンジンの出力不足が故に断念されるかもしれない。


ディーゼル-エレクトリック潜水艦B-585「サンクト-ペテルブルク」(新プロジェクト677「ラーダ」のトップにして唯一の艦)は、2012年12月~2013年1月に予定されていた北氷洋での複合試験へ行かなかった。

公式には、潜水艦は、ベトナム海軍の為に特別に設計されたプロジェクト636潜水艦「ワルシャワンカ」との合同受領試験の為にクロンシュタットへ留まったとされている。

しかし、海軍総司令部が『イズベスチヤ』へ伝達した所によれば、「サンクト-ペテルブルク」は、多くの技術的問題が解決されていない。

「動力装置(2基のディーゼル発電機と主推進電動機)は、設計出力の70パーセント以上を発揮する事は稀です。
そのような事が起こった後には、幾つかのシステムが負荷により瞬く間に吹っ飛んでしまい、ブロックの修理または交換を必要とします。
このような状態では、大嵐が吹き荒れるバレンツ海において潜水艦は何も出来ません。
エンジンのフル出力発揮を必要とする場合、それは破壊されて沈黙し、その結果、潜水艦は沈むか、永遠に停止したままになるでしょう」

状況に精通している総司令部の代理人は話した。

彼によると、この問題は、正常モードで動作しない艦載航海複合体の為に悪化した。
「ラーダ」が輸出用「 ワルシャワンカ」との共同試験に参加したという海軍の公式な説明は、他の理由からも疑わしい。

ベトナムの為の最初の潜水艦・工場番号01339は、サンクトペテルブルク「アドミラルティ造船所」のドックを出た後、 2012年12月5日から航海試験を行なった。
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その試験には、北方艦隊第165ディーゼル潜水艦旅団所属のプロジェクト877「ワルシャワンカ」「マグニトゴルスク」が参加した。
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ベトナムの艦は2013年8月まで航行し、その後、発注者へ納入される。
「サンクト-ペテルブルク」は、これらの計画全てに、当初から姿を見せる事は無かった。

北氷洋へのB-585到着時には、戦闘射撃の実施、他のディーゼル潜水艦との連携機動、限界深度への潜航が計画されていた。
全ての艦上システム、特に、戦闘情報管理システムと水中音響システムの試験が行われる筈だった。

今、潜水艦の見込みは失われ、霧の中に在る。
プロジェクト「ラーダ」は、海軍で最も不幸なものの一つと見られている。
「サンクト-ペテルブルク」は2004年に進水したものの、プロジェクトは長い間採用されなかった。
2006年の国家試験では、動力装置と推進軸に重大な欠陥がある事が明らかにされた。
それからの4年間、電動機の製造者-サンクトペテルブルク工場「エレクトロシーラ」は、欠陥の除去に努めたが、出力は設計値の50パーセントを超える事は無かった。
2010年5月、海軍は、出力60パーセントで試験運用中のB-585を受領した。
去年夏、海軍総司令官ヴィクトル・チルコフは、「ラーダ」シリーズを建造すると発表した。

海軍総司令部の対談者は『イズベスチヤ』へ、全てのプロジェクト「ラーダ」の運命は、2013年6-7月に決定されると伝えた。
「サンクト-ペテルブルク」の他に、「クロンシュタット」「セヴァストーポリ」が起工されている。

「承認された計画によると、 今年夏にはラーダの為の新たな接続装置とユニットの試験が完了します。
私には、それがどうなるのか分かりません。
成功に達しなかった場合、プロジェクト677は断念され、潜水艦サンクト-ペテルブルクは試験運用のままになるでしょう」

彼は明確に話した。

ウラジーミル・ザハロフ退役少将は、677シリーズは必ず仕上げる必要がある事を確認した。
「それは多くの資源と労力を投入しております。古い潜水艦を代替する必要が有る為に。
また、世界市場ではディーゼル潜水艦は大きな需要が有ります。
彼らは沈黙し、素早く動けます」

彼は『イズベスチヤ』へ指摘した。

下院防衛委員会委員長で元黒海艦隊司令官ウラジーミル・コモエドフは、「ラーダ」は低騒音である事を指摘した。
「それは、彼らに高い隠密性を与えます。
潜水艦は、特に内海で優位を発揮します。
沿岸海域では、兵器として魚雷のみが使用でき、戦術ミサイルは使えません。
それでも彼らは、戦略潜水艦を保護する為に使用できます」

コモエドフ『イズベスチヤ』へ表明した。

彼は、プロジェクト677の唯一の欠点として、ディーゼル起動時の騒音が有る事を付け加えた。
しかし、有能な艦長ならば、それを最低限に抑える事が出来る。


[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]

前ロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、「ラーダ」級潜水艦「サンクト-ペテルブルク」に対する不満を述べています。

『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年2月9日配信
【ウラジーミル・ヴィソツキー提督へのインタビュー】

ラーダ級に関する箇所を抜粋。

インタビュアー:多くのメディアの報道で、プロジェクト677「ラーダ」ディーゼルエレクトリック潜水艦の将来に関する憶測が流れていますが・・・

ヴィソツキー
「ラーダ」?この艦については、何か申し上げる事が有りますかね?
潜水艦「サンクト-ペテルブルク」の試験運用では、技術的特性が示されていません。
その理由は、非常に簡単です。
要するに、この艦の主要動力装置は、欠陥が有るのですよ。

僕達は、第二次世界大戦時の動力を有するような武器を新たに必要であるなどという頭脳は持ち合わせておりません。
何故かって?誰がそれを必要とするのでしょうか?
そして、それは同様の動作特性を有しています。
現在の形での「ラーダ」を、ロシア海軍は必要としておりません。

インタビュアー:建造中の同プロジェクト潜水艦「クロンシュタット」と「セヴァストーポリ」の今後はどうなりましょうか?

ヴィソツキー:これらの艦は、他の動力装置になると思います・・・



そして潜水艦「サンクト-ペテルブルク」は、バレンツ海へ移動して試験を実施する事になりました。
[ラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバレンツ海及び白海で試験を行なう]


今回の記事によると、その試験は未だ実施されていません。
それどころか、潜水艦「サンクト-ペテルブルク」の主要動力装置の欠陥も是正されていないとの事です。

潜水艦「サンクト-ペテルブルク」は、2012年5-6月頃にアドミラルティ造船所で修理が行なわれています。

2012年6月1日の「サンクト-ペテルブルク」
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建造が凍結されていた「ラーダ」級2隻に関しては、昨年(2012年)に複数の関係者から建造再開が表明されました。
[ロシア海軍はラーダ級潜水艦の建造を再開する]
[ラーダ級潜水艦は近い将来にロシア海軍へ就役する]
[ラーダ級潜水艦の建造は2013年に再開される]
[潜水艦ラーダ級2番艦にはリチウムイオン電池、3番艦にはAIPが搭載される]


記事中で名前が出てくる北方艦隊所属の「マグ二トゴルスク」は、2012年にバルト海に居た事は確かです。
2012年7月29日のロシア海軍記念日には、バルチースク基地の観艦式に参加しています。
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「マグ二トゴルスク」は、6ヶ月間に渡りバルト海へ「出張」した後、2012年11月末に北方艦隊の基地へ戻っています。

テレビ局『ズヴェズダー』動画ニュースより
2012年11月28日09時36分配信
【ディーゼル潜水艦「マグ二トゴルスク」は常駐場所ポリャールヌイに到着した】
同艦はバルト海で新型機器の試験を行なっていたようです。


記事中で触れられているベトナム海軍向けのプロジェクト6361潜水艦の1番艦「ハノイ」は、2012年12月5日に消磁作業を行ない、12月8日から25日までバルト海で航海試験が実施されました。
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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より。
【プロジェクト6361「ハノイ」工場番号01339】

このサイトでは、「サンクト-ペテルブルク」「ハノイ」の航海試験に同行したと書かれています。
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