ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦ウラジオストクとヴォロネジの船体の形成が始まった

『タス通信』より
2021年3月4日13時44分配信
【情報筋:『セヴマシュ』はプロジェクト885M原子力潜水艦の7番目と8番目の船体の形成を進めている】
モスクワ、3月4日/タス通信
造船所『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)は、2020年7月20日に起工されたプロジェクト885M(コード名「ヤーセン-M」)原子力潜水艦の7隻目「ヴォロネジ」と8隻目「ウラジオストク」の船体の形成を進めている。
『タス通信』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「『セヴマシュ』では、原子力潜水艦ヴォロネジとウラジオストクの船体の形成が全力で進められています」
対談者は説明した。
彼は、ロシア海軍への潜水艦の引き渡しは、それぞれ2027年と2028年に計画されている事を想い起こした。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
潜水艦「ヴォロネジ」と「ウラジオストク」の起工は、ビデオ会議モードでロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンに見守られた。
この時、国家元首に宛てて『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコは、極超音速兵器を持つ艦が起工されたと述べた。
今年、造船所『セヴマシュ』は、プロジェクト885M潜水艦のトップ「カザン」と、最初の生産艦「ノヴォシビルスク」のロシア海軍への引き渡しを準備している。
同社では、更なる4隻の同プロジェクト潜水艦が様々な建造段階に在る。
プロジェクト885/885M潜水艦の基本兵装は、有翼ミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」、更には極超音速ミサイル「ツィルコン」である。
現在、プロジェクト885「ヤーセン」水中巡洋艦のトップである只1隻の「セヴェロドヴィンスク」は、今年に始まる極超音速ミサイル「ツィルコン」の試験を準備している。
ロシア海軍の第4世代原子力潜水艦となるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦シリーズは、現在までに9隻がセヴェロドヴィンスク市の『セヴマシュ』(北方機械製造事業)で起工され、このうち1隻が就役しています。
1番艦K-560「セヴェロドヴィンスク」は1993年12月21日に起工され、2010年6月15日に進水、2013年12月30日に竣工、2014年6月17日に就役し、北方艦隊の第11対空母原潜師団へ編入されました。
[ロシア海軍最新鋭多用途原潜セヴェロドヴィンスクに聖アンドレイ旗は揚がった]
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦セヴェロドヴィンスクは巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]
2番艦「カザン」からは改良型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」となり、2009年7月24日に起工され、2017年3月31日に進水し、2018年9月下旬から航海試験が始まりました。
ロシア海軍への引き渡しは2021年春頃に予定されており、北方艦隊へ配備されます。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年5月~6月にロシア海軍へ就役する]

プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。
3番艦(「ヤーセン-M」としては2隻目)「ノヴォシビルスク」は2013年7月26日に起工され。2019年12月25日に進水しました。
ロシア海軍への引き渡しは2021年末に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍のヤーセン-M級原子力水中巡洋艦ノヴォシビルスクはセヴェロドヴィンスクで進水した]
4番艦(「ヤーセン-M」としては3隻目)「クラスノヤルスク」は、2014年7月27日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2022年以降に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。
[多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスク(と戦略原潜ボレイ級5番艦)はロシア海軍の日に起工された]
[ロシア海軍の第4世代多用途原潜ヤーセン級4番艦クラスノヤルスクの船体の水圧試験が行なわれた]
5番艦(「ヤーセン-M」としては4隻目)「アルハンゲリスク」は、2015年3月19日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2023年以降に予定されており、北方艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍の為のヤーセン級多用途原潜5番艦アルハンゲリスクは起工された]
6番艦(「ヤーセン-M」としては5隻目)「ペルミ」は、2016年7月29日に起工されました。
ロシア海軍への引き渡しは2023年以降に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。
[ロシア海軍の為の第6のヤーセン級原子力水中巡洋艦ペルミはセヴェロドヴィンスクで起工された]
7番艦(改「ヤーセン」級としては6隻目)「ウリヤノフスク」は、2017年7月28日に起工されました。
[ロシア海軍北方艦隊の為の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級7番艦(最終艦)ウリヤノフスクは起工された]
ロシア海軍への引き渡しは2024年に予定されており、北方艦隊へ配備されます。
但し、「ウリヤノフスク」に関しては、未だ確定では有りませんが、起工後にプロジェクト09853特殊用途原子力潜水艦へ設計変更されているという情報も有ります。
[第3の原子力水中無人機ポセイドン搭載特殊用途原子力潜水艦ウリヤノフスクは2027年までにロシア海軍へ就役する]
以前には、ロシア海軍向けの「ヤーセン」シリーズは7隻で終了する予定でした。
しかし、2019年6月27日、モスクワ州の愛国者公園で開催された軍事機器展示会『アルミヤ-2019』の会場において、「ヤーセン-M」2隻の新たな建造契約が締結されました。
[ロシア海軍の為のヤーセン-M級多用途原潜2隻とラーダ級潜水艦2隻が追加発注された]
そして2020年7月20日、8番艦(「ヤーセン-M」としては7隻目)「ヴォロネジ」と9番艦(「ヤーセン-M」としては8隻目)「ウラジオストク」が一斉に起工されました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクはセヴェロドヴィンスクで起工された]
現在の所、この2隻のロシア海軍への引き渡しは、2027~2028年に予定されおり、「ヴォロネジ」は北方艦隊、「ウラジオストク」は太平洋艦隊へ配備されます。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦ヴォロネジとウラジオストクは2027-2028年にロシア海軍へ就役する]
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ウラジオストクとヴォロネジは新型対地巡航ミサイル"カリブル-M"を搭載する]
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