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ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイとクニャージ・ポチョムキンは2021年に起工される

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『タス通信』より
2021年3月19日6時4分配信
【水中ロケット艦「ドミトリー・ドンスコイ」と「クニャージ・ポチョムキン」は2021年に起工される】
モスクワ、3月19日/タス通信

2隻のプロジェクト「ボレイ-A」戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ポチョムキン」「ドミトリー・ドンスコイ」は、ロシア海軍の為に今年に起工される。
ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将は述べた。

「今年には、海軍の為の更なる2隻の戦略用途ロケット水中巡洋艦クニャージ・ポチョムキンとドミトリー・ドンスコイが起工されます」
エフメノフ
新聞『クラースナヤ・ズヴェズダー』のインタビューに対し、こう話した。

彼は、「ドミトリー・ドンスコイ」の名前は、海軍の伝統に沿って、「番号」潜水艦として新たな兵器システム及び機材の試験任務の遂行を続ける前任の原子力水中巡洋艦から移されると説明した。
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以前、防衛産業企業体の情報提供者は、「ドミトリー・ドンスコイ」「クニャージ・ポチョムキン」『セヴマシュ』で2021年5月に起工されると『タス通信』へ伝えた。
彼は更に、艦の海軍への引き渡し時期は、2026年と2027年になると述べた。
各々の潜水艦は16基の大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」を搭載する。



プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦シリーズは、計8隻が起工され、この内の4隻が就役しています。

1番艦K-535「ユーリー・ドルゴルーキー」は、1996年11月2日に起工、2007年4月15日に進水、2012年12月29日に竣工、2013年1月10日に就役し、北方艦隊第31潜水艦師団に編入されました。
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーはロシア海軍へ就役した]
[新世代戦略原潜ユーリー・ドルゴルーキーは北方艦隊第31潜水艦師団へ編入された]
就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、最近では、2019年8月24日に弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラ及びユーリー・ドルゴルーキーは弾道ミサイルを発射した]

2番艦K-550「アレクサンドル・ネフスキー」は、2004年3月19日に起工、2010年12月6日に進水、2013年12月23日にロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[ボレイ級戦略原潜2番艦アレクサンドル・ネフスキーはロシア海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入された]
2015年9月30日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しています。
[ロシア海軍新世代戦略原潜アレクサンドル・ネフスキーはカムチャツカ半島の原潜基地へ到着した]

3番艦K-551「ウラジーミル・モノマーフ」は、2006年3月19日に起工、2012年12月30日に進水、2014年12月10日に竣工、同年12月19日に就役し、太平洋艦隊第25潜水艦師団へ編入されました。
[第3のボレイ級戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはロシア海軍へ就役した]
2016年9月26日に太平洋艦隊原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜ウラジーミル・モノマーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]

太平洋艦隊の2隻も就役後の動向が公表される事は滅多に在りませんが、「アレクサンドル・ネフスキー」は「長期任務」遂行後の2020年9月24日に母港へ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦アレクサンドル・ネフスキーは長期洋上任務を終えてヴィリュチンスクへ帰投した]

「ウラジーミル・モノマーフ」は2020年12月12日に弾道ミサイル「ブラヴァー」を発射しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ウラジーミル・モノマーフはオホーツク海から弾道ミサイル"ブラヴァー"4基を一斉発射した]


4番艦からは改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」となり、その1番艦K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工され、2017年11月17日に進水、2020年6月12日に就役し、、北方艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]

5番艦(「ボレイ-A」級としては2隻目)「クニャージ・オレグ」は、2014年7月27日に起工され、2020年7月17日に進水ました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグは進水した]
就役は2021年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

6番艦(「ボレイ-A」級としては3隻目)「ゲネラリーシムス・スヴォーロフ」は2014年12月26日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第6のボレイ級戦略原潜は起工された]
就役は2021年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

7番艦(「ボレイ-A」級としては4隻目)「インペラートル・アレクサンドルIII」(皇帝アレクサンドル3世)は2015年12月18日に起工されました。
[太平洋艦隊の為のロシア海軍新世代戦略原潜ボレイ級7番艦インペラ―トル・アレクサンドルIII(皇帝アレクサンドル3世)は起工された]
就役は2022年頃に予定されており、太平洋艦隊へ配備されます。

8番艦(「ボレイ-A」級としては5隻目)「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
就役は2023年頃に予定されており、北方艦隊へ配備されます。

955「ボレイ」955A「ボレイ-A」は、セイルや艦尾の形状が異なっています。
(上が「ボレイ」、下が「ボレイ-A」)
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当初は「クニャージ・ポジャールスキー」を以ってプロジェクト955A「ボレイ-A」の建造は終了し、その後は、更なる改良型であるプロジェクト955B「ボレイ-B」が少なくとも4隻建造される計画でした。
[新型戦略原潜ボレイ-Bの1番艦は2026年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、「ボレイ-B」は、費用対効果の面で満足の行くものとはなりませんでした。
[ロシア海軍の新型戦略原子力水中巡洋艦ボレイ-Bの設計作業は進められている]

その後、「ボレイ-B」の代わりに「ボレイ-A」を追加建造するという話が出てきました。
[ロシア海軍の為にボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦2隻が追加建造される]
[ロシア海軍の第4世代戦略原子力潜水艦ボレイ級シリーズは10隻に増加する]

その後更に、「ボレイ-A」追加建造に代わる新たな構想として、有翼ミサイル搭載型の「ボレイ-K」が出てきました。
[ロシア海軍の為に2隻の巡航ミサイル原子力潜水艦ボレイ-Kが建造される?]

話は二転三転し、結局、「ボレイ-A」を2隻追加建造する事になりました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年に締結される]

「ボレイ-A」2隻の建造契約は、2020年8月にモスクワ州愛国者公園で開催される軍事機器展示会『アルミヤ-2020』の会場で締結されました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻の建造契約は2020年8月に締結される]

この2隻(9番艦と10番艦)は、2021年に起工されます。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻は2021年に起工される]

2021年起工予定の2隻は、「ドミトリー・ドンスコイ」、「クニャージ・ポチョムキン」と命名される事になりました。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイとクニャージ・ポチョムキンは2021年に起工される]
非公式筋の情報によると、この2隻は2021年5月9日の大祖国戦争戦勝記念日の起工が予定されています。
[ロシア海軍の為の新たなボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイとクニャージ・ポチョムキンは2021年5月9日に起工される]

今回、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ提督は、この2隻は2021年中に起工されるとしか述べておらず、それ以上具体的な日付は明らかにしていません。

現在、ロシア海軍には、プロジェクト941UM重戦略用途原子力水中巡洋艦TK-208「ドミトリー・ドンスコイ」(1982年12月14日就役)が在籍していますが、新たな「ドミトリー・ドンスコイ」が起工されれば、こちらは「名無し」のTK-208として現役に留まる事になるようです。
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[ロシア海軍の重戦略用途原子力水中巡洋艦ドミトリー・ドンスコイは2020年代後半まで現役に留まる]

そして、「クニャージ・ポチョムキン」(ポチョムキン公)は、20世紀初頭に就役したロシア帝国海軍戦隊装甲艦(戦艦)「クニャージ・ポチョムキン・タヴリーチェスキー」以来、実に百数十年ぶりの命名となります。
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