ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部に居る
- カテゴリ:地中海情勢(2021年)

『タス通信』より
2021年3月19日20時50分配信
【クリミアの権力機関は、どのようにNATOがロシア潜水艦を「見失った」のかを話した】
モスクワ、3月19日/タス通信
最初の計画修理後の艦隊間移動を行なっている黒海艦隊のプロジェクト636.3潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊へ加わっている。
『タス通信』は金曜日にクリミアの権力機関の情報提供者より伝えられた。
「潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはジブラルタルを水上位置で通過した後、東地中海へ行きます。
それは、地中海戦隊の一員である同型潜水艦と交代します」
対談者は話した。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
情報提供者によると、ロシアが『潜水艦船員の日』を祝った金曜日、事実上全ての黒海艦隊のプロジェクト636.3潜水艦が海上で行動している。
彼は、ジブラルタルを水上位置で通過した後、NATOの偵察手段が潜水艦を「見失った」事件は、「全く気に留める価値は無い」事を指摘した。
「NATO自身が、同プロジェクト潜水艦を『ブラックホール』と呼んでいるのは伊達じゃありませんから」
彼は想い起した。
『アドミラルティ造船所』は以前に黒海艦隊の為の6隻のプロジェクト636.3潜水艦を建造した。
これらの内の数隻は、地中海戦隊に居た時、シリアのテロリストの目標へ有翼ミサイル「カリブル-PL」による打撃を一度ならず与えた。
ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の2番艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2011年11月21日にサンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」で起工されました。


2013年7月下旬までに乗員団が編成され、艦長が任命されました。
「ロストフ・ナ・ドヌー」艦長に任命されたのは、同じ黒海艦隊の潜水艦「アルローサ」艦長上級補佐官(副長)アンドレイ・アダムスキー2等海佐でした。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーの艦長が任命された]
起工から約3年後の2014年6月26日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは進水した]
2014年8月下旬、係留試験が開始されました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは係留試験を開始した]
その後、2014年10月21日から工場航行試験が始まりました。
『ruspodplav』より
2014年11月2日23時44分配信
【「ロストフ・ナ・ドヌー」はサンクトペテルブルクへ戻ってきた】
2014年12月23日には洋上試験が全て完了しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月23日13時26分配信
【ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は国家試験から戻った】
その後、2014年12月27日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、12月30日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊の第4独立潜水艦旅団へ編入されました。
[潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはロシア海軍へ就役した]
就役した「ロストフ・ナ・ドヌー」は、まずバレンツ海へ移動して深海試験を行ない、その後に配備先の黒海艦隊基地-ノヴォロシースク海軍基地へ回航されます。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験を行なう為にバレンツ海へ移動する]
2015年4月17日、「ロストフ・ナ・ドヌー」はクロンシュタットを抜錨しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットを去り、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ向かった]
2015年5月22日、深海試験を行なう為、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
その後、バレンツ海で各種試験が行われました。
2015年10月2日には有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型の発射試験を実施しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した]
2015年10月9日、「カリブル」対艦型を海上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"(対艦型)を発射した]
2015年10月16日、ポリャールヌイ基地へ到着した同型艦「スタールイ・オスコル」と入れ違いに出航しました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
2015年10月29日、クロンシュタットへ入港しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは『補給』の為にクロンシュタットへ寄港した]
2015年11月5日にクロンシュタットを出航し、黒海へ向かいました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットから黒海へ向かった]
その後、「ロストフ・ナ・ドヌー」の動向が公表される事は一切ありませんでした。
「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2015年12月8日までに地中海東部(シリア沖)へ到達しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはシリア沖に居る]
2015年12月8日、「ロストフ・ナ・ドヌー」はシリア沖からシリア国内のISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型を発射しました。
「ロストフ・ナ・ドヌー」にとっては3度目となる有翼ミサイル発射は、ロシア海軍史上初の潜水艦発射有翼ミサイルの実戦使用となりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
12月13日にダータネルス海峡とボスポラス海峡を通過し、黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは黒海へ入った]
12月15日、ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはノヴォロシースク基地へ到着した]
艦の定期整備を行なう為、12月25日にセヴァストーポリへ回航されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはセヴァストーポリへ回航された]
その後は黒海で行動していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーと『決闘』する]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーは黒海で巡航ミサイル"カリブル"発射訓練を行なった]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌー及び対潜哨戒機は黒海で演習を行なった]
2020年4月29日には深度200メートル以上の潜航訓練を行ない、同日にセヴァストーポリへ帰投しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは黒海で潜航訓練を行なった]
「ロストフ・ナ・ドヌー」は、「ロシア北西の艦船修理企業」でオーバーホールを行なう為、2020年6月下旬にセヴァストーポリを出航し、6月23日にはボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海へ入った]
暫く地中海に滞在した後、2020年10月31日にクロンシュタットへ到着しました。

その後、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』でオーバーホールが行なわれました。

オーバーホールを完了した「ロストフ・ナ・ドヌー」は2021年2月半ば頃に出航し、2月27日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過し、3月7日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。

「ロストフ・ナ・ドヌー」に随伴する救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」は、元々は2020年12月初頭に地中海へ派遣されましたが、その後、バルト海へ向かう潜水艦「ノヴォロシースク」へ随伴した後、バルト海から出てくる「ロストフ・ナ・ドヌー」を出迎え、一緒に地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
現在、「ロストフ・ナ・ドヌー」は地中海東部に滞在していますが、記事中で触れられているように、NATO軍は同艦の所在を一時的に見失っているようです
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年3月19日11時36分配信
【情報筋はロシア潜水艦がNATOのレーダーから行方不明であると話した】
現在、地中海東部(シリア沖)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」:2021年3月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年3月中旬から地中海東部に滞在
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2021年3月中旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2021年3月初頭から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」:2021年2月中旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2021年3月上旬から地中海東部に滞在
海洋曳船「セルゲイ・バルク」:2021年3月下旬より地中海東部に滞在

救助曳船「プロフェッソル・ニコライ・ムール」:2021年3月中旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
フリゲート「アドミラル・カサトノフ」:2021年1月末から地中海東部に滞在
救助曳船「ニコライ・チケル」:2021年1月末から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2021年2月中旬から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
工作船PM-82:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
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