ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦3隻とコルベット"ボイキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出た
- カテゴリ:ロシア海軍バルト艦隊(2020年-)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年3月21日12時45分配信
【ロシア海軍の大型揚陸艦とコルベットのグループはラ・マンシュ海峡を大西洋へ通過した】
ロンドン、3月21日、インタファクス
バルト艦隊の3隻の大型揚陸艦~「ミンスク」、「カリーニングラード」、「コロリョーフ」、更にコルベット「ボイキー」は、ラ・マンシュ海峡を大西洋へ通過した。
ブリテンのソーシャルネットワークの観察者は伝え、ブリテン沿岸近くでの写真を公開した。
ブリテンの情報筋によると、ロシア艦の海峡通行時、スコットランドのロジーマス航空基地から発進した王立海軍の哨戒対潜航空機P-8Aポセイドンが追跡した。

バルト艦隊のプロジェクト775大型揚陸艦「ミンスク」(127、1983年5月30日就役)は、2013年以降、度々地中海東部へ派遣され、黒海沿岸からシリアのタルトゥース港へ各種貨物を輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に従事しました。

1回目は2013年8月に出航し、2014年5月15日に帰投しました。
2回目は2015年11月に出航し、2016年9月9日に帰投しました。
3回目は2017年10月4日に出航し、4月29日に帰投しました。
[シリアへの輸送任務に従事したロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦ミンスクは母港バルチースクへ帰投した]
その後はバルト海で行動していました。
2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]
2020年3月下旬にはコルベット「ボイキー」、大型揚陸艦「カリーニングラード」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦2隻は北海で演習を行なった]

プロジェクト775大型揚陸艦「カリーニングラード」(102、1984年12月9日就役)も、2013年以降、度々地中海東部へ派遣され、「シリア・エクスプレス」に従事しました。
1回目は2012年12月27日に出航し、2013年8月8日に帰投しました。
[大型揚陸艦カリーニングラードはバルチースク基地へ戻った]
2回目は2013年12月24日に出航し、2014年12月2日に帰投しました。
その後、オーバーホールが行なわれました。
この時、57mm砲と対地攻撃用ロケット砲の射撃を一括して管制する汎用射撃管制システムMR-123-02/3「バギラ」が搭載されました。



その後はバルト海で行動していました。
2020年3月下旬にコルベット「ボイキー」、大型揚陸艦「ミンスク」と共に北海へ進出しました。

プロジェクト775M大型揚陸艦「コロリョーフ」(130、1992年1月5日就役)は、これまでに2回地中海東部へ派遣され、黒海沿岸とシリアを往航する貨物輸送任務(シリア・エクスプレス)に就いています。
1回目:2015年5月20日にバルチースクを出航、2016年1月23日に帰投。
計10回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフは地中海任務(シリア・エクスプレス)を終えて母港バルチースクへ戻った]
2回目:2016年11月頃に出航、2017年5月7日に帰投。
計5回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリア沖から母港バルチースクへ帰投した]
2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
2020年2月下旬から3月中旬までコルベット「ストイーキー」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と大型揚陸艦コロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した]

プロジェクト20380コルベットの3番艦「ボイキー」(532)は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で2005年5月27日に起工され、2011年4月15日に進水し、2013年5月16日に就役、バルト艦隊へ編入されました。
[コルベット「ボイキー」はロシア海軍へ就役した]
就役以来バルト海でのみ行動していた「ボイキー」でしたが、2016年6月、同型艦「ストイーキー」(545、2014年7月27日就役)と共に初めて北海へ進出しました。
(2016年6月中旬にバルチースクを出航し、7月5日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北海から戻ってきた]
2016年10月には同型艦「ソーブラジテルヌイ」(531、2011年10月14日就役)と共に北大西洋へ進出しました。
(2016年10月初頭にバルチースクを出航し、10月22日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北大西洋から戻ってきた]
「ボイキー」と「ソーブラジテルヌイ」は、2017年4月にも北大西洋へ進出しました。
(2017年4月7日バルチースクを出航し、5月1日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻はバルチースクへ帰投した]
2017年6月には同型艦「ステレグーシチー」(550、2008年2月27日就役)と共に北海へ進出しています。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は北海での戦闘演習を終えてバルト海へ戻った]
2017年7月下旬にはバルト海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2017』第1段階へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2017』第1段階はバルト海で実施された]
2017年10月14日から2018年1月14日まで、同型艦「ソーブラジテルヌイ」と共に地中海、アデン湾への遠距離航海を行ないました。
ただし「ボイキー」は地中海東部までしか進出しませんでした。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベットは地中海・アデン湾遠征を終えて帰投した]
2018年6月中旬、同型艦「ストイーキー」と共に北大西洋へ進出し、7月上旬に帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ストイーキー"は北大西洋遠征を終えた]
2018年8月初頭にはバルト海で北方艦隊及び黒海艦隊の艦と合同演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]
2019年1月下旬にはバルト海へ入ったアメリカ合衆国海軍の駆逐艦を追尾しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ボイキー"は、バルト海でアメリカ海軍のミサイル駆逐艦グレーヴリーとポーターを監視する]
2019年6月9日から21日までバルト海で実施されたNATOの海軍演習『バルトップス-2019』を監視しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の軍艦はバルト海のNATO海軍演習『バルトップス-2019』を監視する]
2019年6月25日、同型艦「ストイーキー」と共に北大西洋への航海へ出発し、7月8日に母港バルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ストイーキー"は北海での演習を終えてバルチースクへ帰投した]
2019年7月28日の『ロシア海軍の日』にはカリーニングラード州のバルチースクで行なわれた観艦式へ参加しました。
2019年8月にはバルト海で行なわれたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]
2019年8月末には同型艦「ステレグーシチー」、「ストイーキー」と共にバルト海の演習へ参加しました。
2019年9月末には同型艦が4隻揃ってバルト海の演習へ参加しました。
2020年3月初頭にバルト海で演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"はバルト海で対潜戦闘訓練を行なった]
2020年3月下旬、「ボイキー」は、大型揚陸艦「ミンスク」、「カリーニングラード」と共に北海へ進出し、対潜演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦2隻は北海で演習を行なった]
その後、「ボイキー」は単独で英仏海峡海域まで進出し、この間、北方艦隊の最新鋭給油船「アカデミック・パシン」(2020年1月21日就役)から補給を受けました。


4月30日、「ボイキー」は英仏海峡を北上しました。

[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"は英仏海峡を通過した]
「ボイキー」は、シェルブール造船所で建造されたフランス海軍の最新鋭原子力潜水艦「シュフラン」(2007年12月19日起工、2019年7月12日進水、2020年4月27日洋上試験開始)の情報収集を行なっていたようです。
[ロシア海軍はフランス海軍最新鋭原潜の情報を収集していた?]
2020年8月初頭のロシア海軍演習『大洋の盾-2020』へ参加し、8月8日には北海へ進出して模擬ミサイル発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新鋭水上戦闘艦6隻は北海でミサイル発射訓練を行なった]
その後にバルト海へ戻り、対潜戦闘訓練などを行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット3隻はバルト海で対潜戦闘訓練を行なった]
2020年11月下旬に北海へ進出し、12月上旬に帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ステレグーシチー"は北東大西洋での行動後に母港バルチースクへ帰投した]
そして2021年3月下旬、3隻の大型揚陸艦と「ボイキー」はバルト海を出て北海へ進出し、更にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出ました。
現在、バルト艦隊には4隻の大型揚陸艦が在籍していますが、この内の「アレクサンドル・シャバリン」は長期オーバーホール中なので、この3隻は稼働艦全てになります。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・シャバリンはクロンシュタットでオーバーホールを行なう]
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