ロシア海軍バルト艦隊旗艦・戦隊水雷艦(駆逐艦)ナストーイチヴイは就役28周年を迎えた

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年3月27日配信
【バルト艦隊旗艦-28歳】
アントン・ガニエフ3等海佐が指揮するバルト艦隊旗艦・戦隊水雷艦(駆逐艦)「ナストーイチヴイ」は、艦へ初めて海軍旗が掲揚されてから28年目の記念日を迎えた。
艦の記念日へ捧げられる行事は、乗組員による隊列、聖アンドレイ旗と満艦飾の掲揚で始まった。
艦長は、顕著な働きを見せた軍人への褒賞の指示書を読み上げた。
現在、戦隊水雷艦はクロンシュタットで計画修理中である。
駆逐艦「ナストーイチヴイ」は、1993年にロシア海軍の戦闘編制へ加入し、それから数ヶ月を経て、同艦はロシア海軍の歴史上初めてキール運河の通行を行なった。
駆逐艦「ナストーイチヴイ」は、再三に渡り、砲撃及び戦術訓練において海軍の最優秀賞を獲得した。
1996年及び1997年に同艦はロシア最良の水上艦と認定された。
1996年7月、同艦は国際海軍演習『バルトップス-96』へ参加した。
1997年2月~4月、同艦は遠距離航海を行ない、総計で20000海里を航行した。
駆逐艦「ナストーイチヴイ」は、ケープタウン及びサイモンズタウンでの南アフリカ共和国海軍創設75周年祝賀行事へロシア海軍を代表して参加した。
バルト艦隊の戦闘編制に在る間、戦隊水雷艦は80000海里以上を航行し、海上に2年以上滞在した。
[ソブレメンヌイ級16番艦ナストーイチヴイ]
プロジェクト956A戦隊水雷艦「モスコフスキー・コムソモーレッツ」は、1988年4月7日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『A.A.ジダーノフ記念工場』(現『北方造船所』)で起工され、1991年1月19日に進水しました。
1992年2月15日に「ナストーイチヴイ」と改名され、同年10月から11月までバルト海で洋上試験が行なわれました。

1992年12月30日にロシア海軍へ納入され、翌1993年3月27日にロシア海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
就役と同時にバルト艦隊旗艦に指定されました。
就役から3ヶ月弱の1993年6月16日にキール運河を通過し、6月19日から26日までドイツのキール市を訪問し、同市で開催されていたイベント『キール週間』へ参加しました。

1994年7月4日から24日までフランスのルーアン及びル・アーヴルを訪問しました。
1995年4月30日から7月20日までドック修理を行ないました。
1996年6月23日にはロシア大統領ボリス・エリツィンが訪れました。
1996年6月6日から17日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-96』へ参加し、10月10日から13日までフランスのシェルブールを訪問しました。
1997年2月17日に遠距離航海へ出発し、3月15日から18日までアラブ首長国連邦のアブダビで開催された国際兵器展示会『IDEX-1997』へ参加しました。
4月2日から6日まで南アフリカ共和国のサイモンズタウン及びケープタウンを訪問し、南アフリカ共和国海軍創設75周年記念式典へ参加し、ネルソン・マンデラ大統領の訪問を受け、4月30日にバルチースクへ帰投しました。
1998年6月8日から19日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-98』へ参加しました。
1999年5月にはカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所でドック修理を行ない、同年9月21日から11月18日までクロンシュタットへ滞在し、中国へ売却される事になった同型艦の乗組員の研修を行ないました。
2000年2月8日にはドイツ連邦海軍艦隊司令官ディルク・ホルテン中将の訪問を受けました。
2003年6月7日から23日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-2003』へ参加しました。
2005年6月6日から17日までバルト海で行なわれたNATO加盟国海軍演習『バルトップス-2005』へ参加しました。

2008年7月には、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ポーランドを訪問しました。
[バルト艦隊の3隻の戦闘艦は、1ヶ月間の長期航海を実施する]
[バルト艦隊艦艇、オーフス(デンマーク)訪問(2008年7月10日)]
[ソブレメンヌイ級駆逐艦ナストーイチヴイ、グディニヤ訪問(2008年7月14日)]
2009年9月には実地戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。
[実地戦略演習「ザーパド-2009」と「ラドガ-2009」(2009年9月)]
2011年7月31日にはロシア大統領ドミトリー・メドベージェフの訪問を受けました。

2015年2月には海上教会が置かれました。
2018年3月27日、戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は就役25周年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊旗艦・戦隊水雷艦「ナストーイチヴイ」は就役25周年を迎えた]
2018年7月29日の『ロシア海軍の日』には、バルチースクの観艦式へ参加しました。

2019年からオーバーホールを行なう予定でしたが、先送りされました。
[ロシア海軍バルト艦隊旗艦・駆逐艦ナストーイチヴイはオーバーホールを行なう]


「ナストーイチヴイ」は2021年2月初頭にクロンシュタットの『クロンシュタット海洋工場』へ回航され、ようやくオーバーホールが行なわれる事になりました。
2021年3月初頭には乾ドックへ入渠しています。

[駆逐艦ソブレメンヌイ型]
[ソブレメンヌイ級全艦リスト]
プロジェクト956戦隊水雷艦(駆逐艦)は、1981年から1994年に掛けて17隻がソ連/ロシア海軍へ就役しましたが、現在、稼動状態に在る艦はゼロに等しい状態です。
北方艦隊の「アドミラル・ウシャコーフ」はオーバーホール中であり、復帰は2021年末に予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の駆逐艦アドミラル・ウシャコーフはオーバーホールを行ない、2021年末に復帰する]
太平洋艦隊の「ブイストルイ」は、2020年春の太平洋艦隊の演習へ参加した後は洋上へ出ていません。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]
この他、バルト艦隊には、もう1隻のプロジェクト956駆逐艦「ベスパコーイヌイ」が居たのですが、退役して洋上博物館に改装され、クロンシュタットで展示されています。
[ロシア海軍バルト艦隊の駆逐艦ベスパコーイヌイはクロンシュタットで記念艦として展示される]

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