プロジェクト11351境界線警備艦オリョールはロシア海軍へ移管される?
- カテゴリ:ロシアの水上艦

『MASHNEWS』より
2021年4月7日11時50分配信
【情報筋:警備艦「オリョール」は海軍への移管が計画されている】
ロシア連邦保安庁の境界線沿岸保護局に留まっている2隻の1等警備艦プロジェクト11351の内の1隻は、ロシア海軍への移管が計画されている。
『MASHNEWS』は海軍に精通した情報提供者より伝えられた。
対談者によれば、今年、軍艦「オリョール」の技術的状態の検査の為、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーを国防省委員会が訪れた。
「オリョールの最後の戦闘勤務は2018年12月でした。
その後、艦は第2カテゴリー予備役へ編入されました。
2019年春、警備艦は再び出航し、7月にはロシア連邦海軍の日のパレードラインに加わりました。
2019年11月、最終的に予備役へ編入する決定が下されました」
対談者は、プロジェクト11351を代替し、同様の特性を有する新たな1等境界線警備艦が受け入れられると説明した。
「境界線局は、予備役編入の時点で既に34歳の艦を更に保持する事は適切ではないと考えています。
境界線局の為に、新たなプロジェクト22100オケアーン警備艦シリーズが起工されていますので」


艦が国防省へ移管された場合、海軍指導部は、その使用の可能性についての2つの選択肢を検討している。
「オリョールの外部検査は満足すべき状態でしたが、艦は2014年以来ドック入りしておりません。
これに関連し、ドックへ置く事のみが、その更なる運命を完全に明確出来るでしょう。
今、2つの選択肢が検討されています。
第1に、黒海艦隊への移動。
第2に、太平洋艦隊の艦の近代化及び修理の為の『ドナー』としての使用」
太平洋艦隊及び黒海艦隊の広報サービスは、「オリョール」の将来についての情報にすぐにコメントできなかった。

[プロジェクトの歴史」
プロジェクト11351「ネレイ」は、1970年代にソヴィエト社会主義共和国連邦の国家保安委員会(KGB)の境界線海上部門の為に北方計画設計局が開発した。
それは、十分に成功した「警備艦」プロジェクト1135及び1135Mを発展させたものであり、兵装の変更及びヘリコプターの存在が異なっている。
合計9隻の同プロジェクト艦が起工された。
これらはケルチ造船工場『ザリフ』で建造された。
最初の7隻は国家保安委員会の境界線部隊海上部門(その後、ロシア連邦境界線部隊とロシア連邦保安庁境界線局)へ加入し、第1境界線警備艦師団(カムチャツカ)及び第15独立境界線警備艦旅団(ナホトカ)で勤務に就いた。
更なる2隻はソヴィエト社会主義共和国連邦崩壊の時点で完成しておらず、ウクライナ海軍へと去り、「フリゲート」に分類された。
「キーロフ」はU130「ヘトマン・サハイダチヌイ」と改名され、1993年に完成した(今もなおウクライナ海軍の旗艦である)
最後の「へトマン・ヴィシュネヴィエツキー」は船台で解体された。
[『MASHNEWS』参照]
排水量(満載)-3642トン
全長-122.98メートル
幅-14.2メートル
吃水-4.8メートル
最大速力-32ノット
航続距離-3600海里
自立行動期間-30日
兵装:1基の砲装置AK-100、2基の砲装置AK-630、1基の高射ミサイル複合体「オサー-MA2」発射装置、2基の533mm魚雷発射管、2基の噴射推進爆雷、1機のヘリコプターKa-27PS
乗組員-193名(士官22名)
[クリヴァクIII型フリゲート「オリョール」]
プロジェクト11351境界線警備艦の3番艦「ユーリー・アンドロポフ」は、クリミア半島のケルチ市の造船工場『ザリフ』で1983年9月26日に起工され、1985年11月2日に進水しました。

進水後の1986年3月7日に「第27回共産党大会記念」と改名され、1986年11月1日に国家保安委員会(KGB)へ引き渡されました。
1987年2月10日から3月25日に掛けて極東への移動航海を行ない、沿海地方のナホトカ港へ配備されました。


1991年12月1日に「オリョール」と改名され、その後、カムチャツカ半島のペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ配置替えとなりました。


その後もカムチャツカ方面で行動していましたが、2019年11月に予備役となりました。
予備役に編入された「オリョール」ですが、最近、ロシア海軍への移管が検討されているようです。
仮に移管が実現した場合、同系列のプロジェクト1135警備艦「ラードヌイ」(861)、プロジェクト1135M警備艦「プイトリーヴイ」(868)が尚も現役に留まっている黒海艦隊へ移動するかもしれません。

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