ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年5月にロシア海軍へ就役する?

『インタファクス』より
2021年4月12日11時29分配信
【原子力潜水艦「カザン」のロシア連邦海軍への加入は5月に計画されている】
モスクワ、4月12日、インタファクス-ロシア
多目的原子力潜水艦「カザン」は、近い内に検査出航を行なう予定であり、その後、ロシア連邦海軍への加入が計画されている。
『インタファクス』は月曜日に業界の情報提供者より伝えられた。
「潜水艦の御引き渡しは5月に計画されております」
情報提供者の1人は話した。
他の対談者は、ロシア連邦海軍への加入を前に、潜水艦は海上への検査出航を行なうと話した。
3月4日、『統合造船業営団』は、「カザン」は全ての試験を行なっており、海軍への引き渡しの準備の用意が出来ていると伝えた。
「2020年2月28日、プロジェクト"ヤーセン-M"潜水艦のトップ"カザン"は、全種類の国家試験を完了しました。
現時点で『セヴマシュ』は問題点を除去する全ての作業を完了し、原子力潜水艦を海軍へ御引き渡しする準備を整えております。
受領証書への署名と艦への聖アンドレイ旗掲揚の時期に関する決定は、海軍総司令部が下さなければなりません」
『統合造船業営団』広報サービスは伝えた。
「潜水艦は2年半航行試験に在り、私共は、通常は機械部品の最初の修理を行なう最初のサービス間隔へ近付いています。
今日において、更なる長期間の試験を必要とするような問題は見当たりません」
2月4日、『統合造船業営団』のトップ、アレクセイ・ラフマノフは『インタファクス』のインタビュー受け、こう話した。
インタビューにおいてラフマノフは、原子力潜水艦「カザン」は、メカニズムの仕上げ及び修正の最終段階に在ると言った。
3月19日、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフは、ロシア海軍は2021年に3隻の原子力潜水艦を戦闘編制へ受け入れると述べた。
「年末までにロシア海軍は、『セヴマシュ』社で建造されているプロジェクト"ボレイ-A"戦略用途ロケット水中巡洋艦クニャージ・オレグ、プロジェクト"ヤーセン"原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスクを受け入れます」
エフメノフは話した。
「今年は更に、2隻の戦略用途ロケット水中巡洋艦~クニャージ・ポチョムキンと、番号潜水艦として新たな兵器システム及び機材の試験任務の遂行を続ける前世代の艦から名前を移されるドミトリー・ドンスコイが起工されます」
エフメノフは話した。
[「カザン」の試験]
「カザン」は、2017年に進水した新たなプロジェクト「ヤーセン-M」潜水艦のトップである。
試験完了時期は一度ならず延期された。
ロシア連邦国防省によると、「カザン」は、標準乗組員と受入-試運転チームを乗せて2020年11月21日に出航した。
2020年11月、「カザン」は白海エリアから対艦ミサイル「オーニクス」(科学生産合同『機械製造』、コーポレーション『戦術ミサイル兵器』)の試験発射を実施した。
それまでに「カザン」は白海から1000キロメートル以上離れたアルハンゲリスク州のチジャ射爆場への有翼ミサイル「カリブル」(コンツェルン『アルマーズ-アンテイ』)の射撃を実施した。
プロジェクト885M「ヤーセン-M」多目的原子力潜水艦は、有翼ミサイル「オーニクス」及び「カリブル」の搭載艦である。
極超音速ミサイル「ツィルコン」(コーポレーション『戦術ミサイル兵器』により試験が行なわれている新たなロシアの極超音速ミサイル)での武装が計画されていると伝えられた。
ロシア海軍の第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。

[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。
北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「カザン」は2017年3月31日に進水しました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]
2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]
2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。
[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。
当初、「カザン」のロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]
「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]
しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」のロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]
一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]
翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]
白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。
2020年にも「カザン」の航行試験は続けられる事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]
「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭に始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]
10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]
その後、「カザン」は11月21日に国家試験の最終段階の為に白海へ出航し、11月23日には有翼ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]
11月30日には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]
その後、「カザン」は一旦セヴェロドヴィンスクへ戻り、12月中旬に白海へ出航し、12月19日に再び超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で再び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]
「カザン」のロシア海軍への引き渡しは2020年12月末に予定されていましたが、結局、またも実現せず、引き渡しは翌2021年に延期される事になりました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]
建造元の『セヴマシュ』は、「カザン」を2021年の何時引き渡すのか明言していませんが、非公式筋によると、2021年前半、つまり6月末までの引き渡しが予定されているようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年5月~6月にロシア海軍へ就役する]

今後、「カザン」は最終点検の為、もう1度海上へ出なければなりませんが、それは白海が解氷した後になります。
その後、「カザン」の引き渡しの準備が行なわれます。
その後、「カザン」の就役は2021年7月25日になるという話も出てきました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年7月25日にロシア海軍へ就役する]
しかし今回、またもや2021年5月就役という話が出てきました。
今回の「匿名希望の情報提供者」によると、「カザン」の最終点検の為の出航は、早ければ4月中にも行なわれるようです。
その後に「カザン」の引き渡しの最終準備が行なわれるので、順調なら5月中に就役できるという事のようです。
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