ロシア海軍の5隻の大型揚陸艦が地中海東部に居る
- カテゴリ:地中海情勢(2021年)
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年4月12日23時50分配信
【地中海へ5隻目のロシア連邦海軍の大型揚陸艦が入った】
イスタンブール、4月12日、インタファクス
黒海艦隊の大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」は月曜日にボスポラス海峡を通行し、地中海エリアへ入った。
地元の情報ポータルサイトは発表し、ボスポラス海峡を通過する写真を公表した。
以前に『ツイッター』で公表されたOSINT-1によるヨーロッパの衛星「コペルニクス」の画像から判断すると、これは、現在地中海に滞在する5隻目のロシアの大型揚陸艦である。
4月8日の画像によると、シリアのタルトゥース港のロシア海軍基地海域には、バルト艦隊の2隻の大型揚陸艦と北方艦隊の2隻の大型揚陸艦が居る。
海外メディアによれば、ロシア海軍の大型揚陸艦及び補助船隊、更にチャーター船は、ラタキアのフマイミーン飛行場のロシア航空群、タルトゥースの海軍物資-技術サービス供給基地、そしてシリア政府軍の為に貨物を送り届ける『シリア・エクスプレス』と呼ばれる作戦へ参加している。
ロシア海軍の大型揚陸艦は、2013年1月以降、黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアのタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務、いわゆる『シリア・エクスプレス』に従事しています。

当初は大型揚陸艦のみが『シリア・エクスプレス』へ参加していましたが、2015年夏以降は海軍がチャーター或いは購入した貨物船も参加するようになりました。
「シリア・エクスプレス」へ参加しているのは、主に黒海艦隊所属艦です。
黒海艦隊の大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(1987年就役)は、2020年には計7回の『シリア・エクスプレス』へ従事しました。
・3月2日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクはボスポラス海峡を通過してシリアへ向かった]
・4月20日にボスポラス海峡を南下、3月14日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]
・5月17日にボスポラス海峡を南下、5月29日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』に従事する]
・6月1日にボスポラス海峡を南下、6月12日に北上。
2020年2020年9月21日から26日までロシア南部と黒海、カスピ海で実施されたロシア南方軍管区の戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊は戦略指揮参謀演習『カフカス-2020』へ参加する]
・11月4日にボスポラス海峡を南下、11月13日に北上。
・12月4日にボスポラス海峡を南下、12月15日に北上。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦サラトフとノヴォチェルカッスクは『シリア・エクスプレス』へ従事した後に黒海へ戻った]
・12月22日にボスポラス海峡を南下、12月29日に北上。

2021年2月19日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦ノヴォチェルカッスクは地中海東部で『シリア・エクスプレス』に従事する]
3月5日にボスポラス海峡を北上し、黒海へ戻りました。
そして4月12日にボスポラス海峡を南下し、地中海へ入りました。

記事中で触れられていますが、現在、地中海東部には、「ノヴォチェルカッスク」以外にも4隻の大型揚陸艦が居ます。
2021年3月26日にはバルト艦隊の大型揚陸艦「カリーニングラード」(102)と「コロリョーフ」(130)がジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。


[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
4月初頭にはシリアのタルトゥースへ到着しました。
更に、北方艦隊の大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」(031)と「コンドポガ」(027)も、4月初頭にシリアのタルトゥースへ到着しました。


この2隻は、最近の北方艦隊の北極遠征部隊の「常連」です。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2020年8月-10月)]
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]
[ロシア北方艦隊第7次北極圏遠征(2018年8月-10月)]
[ロシア北方艦隊の第6次北極海遠征(2017年8月-10月)]
「アレクサンドル・オトラコフスキー」は、2017年10月から12月まで地中海東部で行動しています。
[シリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)を行なったロシア海軍北方艦隊の大型揚陸艦アレクサンドル・オトラコフスキーは母港セヴェロモルスクへ帰投した]
「コンドポガ」は、2012年7月から8月まで地中海東部への遠距離航海を行ないました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]
現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」:2021年3月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年3月中旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2021年3月初頭から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「イワン・アントノフ」:2021年2月中旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2021年3月上旬から地中海東部に滞在
海洋曳船「セルゲイ・バルク」:2021年3月下旬より地中海東部に滞在
対水中工作艇「クルサント・キロヴェツ」:2020年10月中旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
[バルト艦隊]
大型揚陸艦「カリーニングラード」:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「コロリョーフ」:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
大型揚陸艦「コンドポガ」:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
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