ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルを視察した



『タス通信』より
2021年4月13日21時6分配信
【海軍総司令官:潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」は北極の氷において優秀さを見せた】
セヴェロモルスク、4月13日/タス通信
ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフは、戦略水中ロケット艦「クニャージ・ウラジーミル」は、北極で3隻の原子力潜水艦が一度に1.5メートルの氷を割って浮上した際、その優秀さを見せたとロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグへ報告した。
エフメノフは、「クニャージ・ウラジーミル」が「その用途を完全に正当化し、浮上の際に如何なる損傷も無かった」と報告した。
ショイグは、ガジエヴォ駐屯地(ムルマンスク州)の原子力潜水艦の駐留所の軍用及び社会インフラストラクチュアの視察中、総司令官から報告を受けた。
2021年3月の北極探検の枠組みにおいて、フランツ・ヨシフ諸島のゼムリャ・アレクサンドル島海域で3隻の原子力潜水艦が同時に浮上した。
この内の2隻はプロジェクト667BDRM(コード名「デリフィン」)潜水艦であった。
3隻目は、最新のプロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)原子力潜水艦「クニャージ・ウラジーミル」である。
3隻の原子力潜水艦には、合計で48基の潜水艦発射弾道ミサイルが在る。
『セヴマシュ』で2021年7月30日に起工された戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ウラジーミル」は、改善プロジェクト955A(コード名「ボレイ-A」)の下で建造され、ロシア海軍の為に作成された第4世代原子力潜水艦に属している。
最初の3隻の「ボレイ」(水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」、「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」)と「クニャージ・ウラジーミル」は、低騒音、より完全な操艦システムと深度保持システム、更には兵器制御が異なる。
潜水艦は(2020年)6月12日にロシア海軍へ受け入れられた。
[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

プロジェクト955「ボレイ」戦略用途原子力水中巡洋艦シリーズの4番艦(改良型のプロジェクト955A「ボレイ-A」としては1番艦)K-549「クニャージ・ウラジーミル」は、2012年7月30日にセヴェロドヴィンスク造船所「セヴマシュ」で起工されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミル起工]
2013年10月、船体の水圧試験が実施されました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルは水圧試験を行なう]
2014年2月中旬、船体が完成しました。
[改ボレイ級戦略原潜クニャージ・ウラジーミルの船体が形成された]
2017年11月17日に進水しました。
[ロシア海軍最新鋭戦略原潜クニャージ・ウラジーミル進水(2017年11月17日)]
「クニャージ・ウラジーミル」は北方艦隊への配備が予定されております。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]
「クニャージ・ウラジーミル」は、2018年11月28日から12月24日まで洋上試験(工場航行試験)の第1段階を実施しました。

「クニャージ・ウラジーミル」は、初の試みとして、艦の洋上試験と並行して乗組員の慣熟訓練も行なっています。
[2019年末までにロシア海軍へ就役するボレイ-A級戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験と乗組員の慣熟訓練を同時並行で行なう]
これまでは、海軍へ引き渡された後に乗組員の慣熟訓練を開始し、それが終わった後でパトロールなどの洋上任務に就いていたのですが、引き渡される前に乗組員の慣熟訓練も済ませ、就役後、すぐに洋上任務へ就けるようにするのが狙いです。
これが上手く行けば、今後就役する他の新造艦でも実施される事になるでしょう。
「クニャージ・ウラジーミル」は、本格的な航行試験に先立ち、2019年6月10日にセヴェロドヴィンスクを出航しています。
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年6月末から本格的に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年6月末に航行試験を再開する]
2019年10月30日未明、「クニャージ・ウラジーミル」は、弾道ミサイル「ブラヴァー」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海からカムチャツカ半島へ弾道ミサイル"ブラヴァー"を発射した]
その後、白海で水上目標への魚雷発射試験を実施しました。
11月8日には白海で水中目標への魚雷発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で魚雷発射試験を行なった]
洋上試験を全て終えた「クニャージ・ウラジーミル」は、11月21日に白海海軍基地(セヴェロドヴィンスク)へ到着しました。
[ロシア海軍最新鋭のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは洋上試験を完了した]
「クニャージ・ウラジーミル」は、2019年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈でした。
[第4のボレイ級戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは2019年12月にロシア海軍へ引き渡される]
しかし、最終洋上試験中に不具合が発覚した為、ロシア海軍への引き渡しは2020年に延期される事になりました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルのロシア海軍への引き渡しは2020年前半に延期される?]
造船所で不具合を修正した「クニャージ・ウラジーミル」は、それを確認、点検する為、2020年5月12日に白海へ出航しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは検査の為に白海へ出航した]
まず最初に浮上状態で各種試験を行なった後、5月16日から水中での試験を開始しました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海で水中試験を開始した]
試験は5月21日に完了し、「クニャージ・ウラジーミル」はセヴェロドヴィンスクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新鋭戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは白海での試験を完了し、セヴェロドヴィンスクへ帰投した]
5月28日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。

[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦の1番艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ納入された]
ただし、これだけでは正式にロシア海軍へ就役したとは見なされません。
正式なロシア海軍への就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典は、ロシア連邦の祝日『ロシアの日』の6月12日に開催されました。
[ボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルはロシア海軍へ就役した]
6月29日、「クニャージ・ウラジーミル」はセヴェロドヴィンスクから出航し、母港となるガジエヴォ基地へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ向かった]
[ロシア海軍北方艦隊の原潜基地のインフラ更新は進められている]

7月3日にガジエヴォ基地へ到着しました。



[ロシア海軍北方艦隊の最新鋭戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦クニャージ・ウラジーミルは常駐基地ガジエヴォへ到着した]
2021年3月26日、他のプロジェクト667BDRM戦略原潜2隻と同時に北極の氷上へ浮上しました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力潜水艦3隻は同時に北極の氷上へ浮上した]
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