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ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは2020年11月に巡航ミサイル"カリブル"とオーニクスを同時に発射した

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『タス通信』より
2021年4月20日9時1分配信
【情報筋:プロジェクト885M原子力潜水艦は「カリブル」と「オーニクス」の一斉射撃が可能である】
モスクワ、4月20日/タス通信

プロジェクト885M(コード名「ヤーセン-M」)原子力潜水艦は、有翼ミサイル「カリブル-PL」「オーニクス」の一斉射撃が可能である。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「プロジェクト885M原子力潜水艦カザンは、国家試験中に垂直発射装置と魚雷発射管から2基のミサイルの一斉発射を実施しました」
彼は説明した。

彼によると
「2020年11月のカザンの国家試験中、一斉発射が実施され、このような性質の発射能力が確認されました」
垂直発射装置
から有翼ミサイル「オーニクス」が水上目標へ、魚雷発射管からミサイル「カリブル-PL」が沿岸目標へ発射された。
情報提供者によると、双方の目標は成功裏に撃破された。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
「オーニクス」を開発、製造する科学生産合同『機械製造』からのコメントは無かった。

以前、「カザン」は、今年は7月25日に祝われる『ロシア連邦海軍の日』海軍へ引き渡されると報じられた。

潜水艦海軍への引き渡し時期は、再三に渡り延期された。
以前の既存の計画によると、潜水艦は2020年末までの海軍への加入が想定されていた。
しかし、幾つかの理由により、計画された国家試験プログラムを定められた期限内に実行できなかった。
「カザン」は、試験実施中に有翼ミサイル「カリブル」及び「オーニクス」の発射プログラムを実行した。
これ以上の発射は計画されていない。

原子力潜水艦「カザン」は2017年3月31日に『セヴマシュ』で進水した。
2018年9月25日に工場航行試験へ出発した。
プロジェクト885/885M潜水艦の基本兵装は、有翼ミサイル「カリブル」或いは「オーニクス」、将来的には極超音速ミサイル「ツィルコン」である。



ロシア海軍第4世代原子力潜水艦であるプロジェクト885「ヤーセン」原子力水中巡洋艦の2番艦(改型のプロジェクト885M「ヤーセン-M」としては1番艦)「カザン」は、2009年7月24日にセヴェロドヴィンスク造船所『セヴマシュ』で起工されました。
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[改セヴェロドヴィンスク型原潜「カザン」起工]
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
[改ヤーセン級多用途原潜カザンの操舵装置の製造が始まった]

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プロジェクト885M「ヤーセン-M」は、以前の885「ヤーセン」(「セヴェロドヴィンスク」)よりも全長が10メートル短くなり(つまり129.2メートル)、533mm魚雷発射管は8門に減らされ(「セヴェロドヴィンスク」は10門)、4連装垂直ミサイル発射管は10基(「セヴェロドヴィンスク」は8基)に増加しています。
従いまして、885の改良型と言うよりは実質的に新しい設計の潜水艦と言えます。

北方艦隊への配備が予定されている「カザン」の乗組員の編成は、2016年3月までに完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊潜水部隊は新世代戦略原潜クニャージ・ウラジーミルと多用途原潜カザンの乗組員を編成した]

「カザン」は2017年3月31日に進水しました。

[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンはセヴェロドヴィンスク造船所で進水した]

2017年7月末からは、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンの係留試験が始まった]

2018年9月24日、「カザン」は最初の航行試験(工場航行試験)へ出発しました。

[ロシア海軍の為のヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンの航行試験が始まった]
試験は2019年1月初頭頃まで続きました。


当初、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2019年12月末に予定されていました。
[第4世代原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、航行試験の結果、幾つかの不具合が発覚した為、2019年中の引き渡しは実現できませんでした。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは延期されるかもしれない]

「カザン」は、2019年7月以降に航行試験を再開しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦ヤーセン級2番艦カザンは2019年7月に航行試験を再開する]

しかし、不具合は完全に修正されたわけでは無く、「カザン」ロシア海軍への引き渡しは、2020年末頃までに延期される事になりました。
[ヤーセン級原子力水中巡洋艦2番艦カザンのロシア海軍への引き渡しは2020年に延期された]

一方、「カザン」の航行試験は白海で続けられ、12月5日には魚雷発射試験を行ない、水中目標へ2基の魚雷を一斉に発射しました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で魚雷発射試験を行なった]

翌12月6日には水上目標への魚雷発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で水上目標へ魚雷を発射した]

白海での「カザン」の航行試験は、2019年12月半ばまで続けられました。

2020年にも「カザン」の航行試験は続けられる事になりました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンの洋上試験は延長される]

「カザン」の最終洋上試験となる国家試験は、2020年9月初頭に始まりました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年秋に最終洋上試験を開始する]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で航行試験を行なった]
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で試験を続ける]

10月7日、「カザン」は洋上試験と、乗組員の錬成訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海での試験と訓練を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

その後、「カザン」は11月21日に国家試験の最終段階の為に白海へ出航し、11月23日には有翼ミサイル「カリブル」を地上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で巡航ミサイル"カリブル"を地上目標へ発射した]

11月30日には超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍のヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは白海で超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

この他、11月中に「カリブル」「オーニクス」の同時発射試験も行なったようです。

その後、「カザン」は一旦セヴェロドヴィンスクへ戻り、12月中旬に白海へ出航し、12月19日に再び超音速対艦ミサイル「オーニクス」の発射試験を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭原子力水中巡洋艦カザンは白海で再び超音速対艦ミサイル"オーニクス"を発射した]

「カザン」ロシア海軍への引き渡しは2020年12月末に予定されていましたが、結局、またも実現せず、引き渡しは翌2021年に延期される事になりました。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦カザンは2020年12月にロシア海軍へ就役する]

建造元の『セヴマシュ』は、「カザン」を2021年の何時引き渡すのか明言していませんが、非公式筋によると、2021年前半、つまり6月末までの引き渡しが予定されているようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年5月~6月にロシア海軍へ就役する]

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今後、「カザン」は最終点検の為、もう1度海上へ出なければなりませんが、それは白海が解氷した後になります。
その後、「カザン」の引き渡しの準備が行なわれます。

「カザン」の就役時期に関しては、2021年7月25日になるという話も有れば、5月末という話も有り、明確には決まっていないようです。
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年7月25日にロシア海軍へ就役する]
[ヤーセン-M原子力水中巡洋艦の1番艦カザンは2021年5月にロシア海軍へ就役する?]
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