fc2ブログ

ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦エカテリンブルクは2022年に退役する

21-0428c.jpg
21-0428d.jpg
21-0414d.jpg
『タス通信』より
2021年4月28日16時30分配信
【情報筋:原子力水中ロケット艦「エカテリンブルク」は海軍から除籍される】
モスクワ、4月28日/タス通信

戦略用途原子力水中ロケット巡洋艦「エカテリンブルク」は2022年に北方艦隊から除籍される。
『タス通信』は水曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「2022年にエカテリンブルクは北方艦隊の戦闘編制から除外され、解体へと向かいます」
彼は話した。

『タス通信』は、この件に関する公式情報を持っていない。

対談者は、潜水艦が就役してから既に36年が経過している事を想い起こした。

「エカテリンブルク」(プロジェクト667BDRM、コード名「デリフィン」)は『セヴマシュ』(現在は『統合造船業営団』へ加入)で1982年に起工され、1984年に進水し、進水から2年後に海軍へ引き渡された。
再三に渡り、「シネーワ」及び「ライネル」を含む大陸間弾道ミサイルの試験発射と、更にはミサイル搭載艦としての戦闘演習を行なった。

2011年12月29日、浮きドックに居た潜水艦で火災が発生した。
事故当時、潜水艦には弾薬が在った。
3年間の修理の後、「エカテリンブルク」は勤務期間が5年延長されて復帰した。



プロジェクト667BDRM「デリフィン」戦略用途ロケット水中巡洋艦の2番艦K-84は、セヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で1982年2月17日に起工され、1985年3月17日に進水しました。

1985年6月に係留試験が始まり、その後、工場航行試験と国家試験が12月まで行なわれました。

1985年12月30日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にソ連海軍へ就役しました。
1985年12月31日にオレニヤ湾へ到着しました。
19-0607f.jpg
1986年2月15日に赤旗北方艦隊第3潜水艦小艦隊第13潜水艦師団へ編入されました。

1988年4月1日にはソ連国防相ドミトリー・ヤゾフ元帥K-84を視察しました。

1988年5月~6月にはファーストチーム乗組員による戦闘勤務を行ない、13日間氷の下で行動しました。
同年10月から12月にはセカンドチーム乗組員による戦闘勤務を行ない、38日間氷の下で行動しました。

1989年冬~春にファーストチーム乗組員による戦闘勤務を行ない、38日間氷の下で行動しました。

1990年春~夏にファーストチーム乗組員による戦闘勤務を行ないました。
1990年9月19日~11月29日にセカンドチーム乗組員による戦闘勤務を行ない、7日間氷の下で行動しました。

1992年2月21日~4月7日にセカンドチーム乗組員による戦闘勤務を行ないました。
1992年6月3日に「戦略用途原子力水中巡洋艦」に艦種変更されました。

1993年7月にヤーゲリナヤ湾ガジエヴォ基地へ到着しました。
19-0607g.jpg

1996年12月3日にセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へへ到着し、1998年3月24日から第1次近代化改装が始まりました。
19-0607e.jpg

1999年2月9日付で「エカテリンブルク」と命名されました。
1999年2月23日にエカテリンブルク市と後援協定を締結しました。

2002年4月21日に造船台から出渠し、同年5月に進水しました。
21-0428e.jpg
2002年9月から白海で航行試験を開始し、12月30日に完了しました。

2003年1月15日に海軍へ引き渡されました。
2003年6月5日から7月5日まで航行試験を行ない、7月8日にガジエヴォ基地へ到着しました。

2003年12月5日と12月26日に弾道ミサイル「シネーワ」発射試験を行ないました。

2004年8月8日に弾道ミサイル「シネーワ」発射試験を行ないました。

2005年8月~9月に遠距離航海を行ない、8月11日にはカムチャツカ半島へ弾道ミサイルを発射しました。

2008年10月12日にカムチャツカ半島へ弾道ミサイルを発射しました。

2009年7月13日にカムチャツカ半島へ弾道ミサイルを発射しました。
[デルタIV型原潜、弾道ミサイル「シネーワ」発射]

2011年4月26日にカムチャツカ半島弾道ミサイルを発射しました。

2011年5月20日には「シネーワ」の改良型「ライネル」の発射試験を行ないました。

2011年12月8日には短期間の修理を行なう為、ロスリャコヴォ第82艦船修理工場へ到着し、大型浮きドックPD-50へ入渠しました。
21-0428b.jpg

2011年12月29日16時20分(モスクワ時間)、修理中の「エカテリンブルク」で火災が発生しました。
12月30日1時40分、火災は沈静化されました。

[ロシア海軍戦略原潜「エカテリンブルク」で火災]
[ロシア原潜「エカテリンブルク」火災事故・続報]
[戦略原潜「エカテリンブルク」は修理後に復帰する]

この火災により、「エカテリンブルク」は、艦首の水中音響探知ステーション(スカート-BDRM)が損傷しました。
[デルタIV級戦略原潜エカテリンブルクの修理費用は減少する]
[デルタIV級戦略原潜エカテリンブルクの修理は2012年末に開始される]

2012年6月22日、セヴェロドヴィンスクに到着しました。
[デルタIV級戦略原潜エカテリンブルクは修理の為、セヴェロドヴィンスクへ到着した]

8月29日、修理の為に『ズヴェズドーチカ』のドックへ入りました。
[戦略原潜エカテリンブルクはドック入りした]
[デルタIV級戦略原潜エカテリンブルクの修理作業は進んでいる]

修理と共に第2次近代化改装工事も行なわれ、これまでの「シネーワ」に代わる新たな弾道ミサイル「ライネル」を搭載しました。
[ロシア海軍の新たな潜水艦用弾道ミサイル「ライネル」は制式採用された]

2014年6月6日、『ズヴェズドーチカ』の造船台から出渠しました。
[デルタIV級戦略原潜エカテリンブルクは造船台を出渠した]


7月27日には進水しました。

11月14日、修理後の点検の為、海洋試験へと出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜エカテリンブルクは修理後初の海洋試験を行なう]

しかし、海洋試験の最中、同艦に乗っていた「ズヴェズドーチカ」の従業員が足に重傷を負いました。
この為、「エカテリンブルク」は、急遽試験を中断してセヴェロドヴィンスクへ帰港しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜エカテリンブルクの海洋試験中に工場従業員は重傷を負った]

11月24日には再び出航し、海洋試験(工場航行試験)の第2段階が始まりました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜エカテリンブルクは海洋試験を再開した]

全ての試験が完了した後、2014年12月19日にロシア海軍へ引き渡されました。
[火災で損傷したデルタIV級戦略原潜エカテリンブルクは修理を終えてロシア海軍へ復帰した]

復帰後にセヴェロドヴィンスクを出航し、12月30日にガジエヴォ基地へ到着しました。
[ロシア海軍のデルタIV級戦略原潜エカテリンブルクは北方艦隊原潜基地ガジエヴォに到着した]

その後は北方艦隊戦略原潜部隊の一員として行動していましたが、2022年には海軍から除籍される事になりました。

プロジェクト667BDRM戦略用途原子力水中巡洋艦は1984年から1990年に掛けて計7隻が就役し、この内の1隻(K-64)は特殊用途原子力潜水艦へ改造されていますが、この7隻の中で最初に退役するのは「エカテリンブルク」になるようです。
関連記事
スポンサーサイト