ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフ(フルンゼ)は解体場所へ到着した
- カテゴリ:重原子力ロケット巡洋艦キーロフ型


『タス通信』より
2021年5月1日17時40分配信
【原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ラーザレフ」は解体の為に工場へ到着した】
モスクワ、5月1日/タス通信
太平洋艦隊のプロジェクト1144「オルラン」重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ラーザレフ」は、解体の為に沿海地方の艦船修理工場へ運ばれた。
『タス通信』は土曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「前日に巡洋艦は解体の為、ドゥナイの第30艦船修理工場へ運ばれました」
彼は話した。
巡洋艦は、その更なる運命の為の決定を長い間待っていた。
2つの選択肢が検討された~「アドミラル・ナヒーモフ」のような近代化か、或いは解体か。
専門家は、巡洋艦の船体が良好な状態である為、第1の選択肢に賛同していた。
「アドミラル・ラーザレフ」は、プロジェクト1144としてバルト工場(現在は『統合造船業営団』へ加入)で建造された4隻の巡洋艦の内の2隻目である。
1978年7月26日に「フルンゼ」の名で起工された。
1981年5月26日に進水し、1984年10月に太平洋艦隊へ加わった。
1992年に巡洋艦は現在の名前に改名された。
1990年代後半には巡洋艦は活動を停止した。
2004年には原子炉の炉心を撤去する操作が行なわれた。
艦の次のドック修理は2014年に行なわれた。
他の「オルラン」の内、現在、北方艦隊に1隻のみ~「ピョートル・ヴェリキー」が在籍している。
もう1隻の同プロジェクト巡洋艦~「アドミラル・ナヒーモフ」は、『セヴマシュ』で近代化が行なわれている。


プロジェクト1144重原子力ロケット巡洋艦の2番艦「フルンゼ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)のオルジョニキーゼ記念造船工場(現バルト工場)で1978年7月26日に起工、1981年5月26日に進水、1984年10月31日に就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

1985年11月下旬に極東へ回航されました。

[原子力巡洋艦フルンゼ極東回航(1985年)]
1986年の「フルンゼ」


1987年の「フルンゼ」

1987年7月末の「フルンゼ」

1989年の「フルンゼ」

1990年9月の「フルンゼ」


1992年4月22日付で「アドミラル・ラーザレフ」)と改名されました。
1999年7月に予備役へ編入され、以後は沿海地方のフォーキノで係留保管されました。


[原子力巡洋艦フルンゼ(アドミラル・ラザレフ)-2007年3月]
[キーロフ級2番艦フルンゼ(現アドミラル・ラーザレフ)近影(2007年秋)]
[原子力巡洋艦フルンゼ(アドミラル・ラザレフ)近況(2008年8月2日)]
[フォーキノ湾の原子力巡洋艦アドミラル・ラザレフ<旧フルンゼ>(2009年8月31日)]
ロシア海軍総司令官フェリックス・グロモフ提督による視察(1996年6月4日)
2002年12月6日には小火災事故を起こしました。
2004年~2005年にボリショイ・カーメニの艦船修理工場『ズヴェズダー』で原子炉の核燃料が撤去されました。


2009年9月には近代化改装計画が発表されました。
[ロシアはキーロフ型を復帰させる]
2010年以降、艦上の各種装備が撤去されました。
[キーロフ型原子力巡洋艦アドミラル・ラーザレフ(2011年7月)]
2014年6月末からフォーキノ近郊のドゥナイの『第30艦船修理工場』の大型浮きドックPD-41(日本の石川島播磨重工業(IHI)が建造し、1978年にソ連へ輸出)へ入渠し、船体の修復を行ないました。

[ロシア太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフ(旧フルンゼ)近影]
[ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフは浮きドックで修理された]
船体の修復後、またフォーキノで係留保管されました。



2015年3月5日、海軍旗初掲揚30周年を迎えました。
2019年8月、「アドミラル・ラーザレフ」で、ロシア国家親衛隊(2016年4月5日創設)との合同演習が行なわれました。
演習のシナリオは、「アドミラル・ラーザレフ」への侵入を試みるテロリストを排除するというものでした。
[ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフで対テロ演習が行なわれた]
今後の運命が決まっていなかった「アドミラル・ラーザレフ」ですが、2021年8月から解体作業が始まる事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ラーザレフの解体作業は2021年8月に始まる]
2021年4月末、「アドミラル・ラーザレフ」は解体場所となるドゥナイの『第30艦船修理工場』へ到着しました。


解体作業は2025年11月末までの完了が予定されています。
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