デルタ級戦略原子力潜水艦は2030年までにロシア海軍から退役する

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年5月17日10時49分配信
【ロシアはソヴィエト時代の伝説的な潜水艦を艦隊から除く】
モスクワ、5月17日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシアは、伝説的なソヴィエトの原子力潜水艦プロジェクト667の様々なモデルを2030年に艦隊の戦闘編制から除く。
『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、軍事産業委員会参与会のメンバーにしてロシア政府海洋評議会のメンバーであるウラジーミル・ポスペロフは述べた。

「第9と第10のボレイは2030年までに引き渡され、この時期までに、最後のプロジェクト667BDRM原子力潜水艦が艦隊の艦構成から除外されます」
彼は話した。
現在、第4世代戦略原子力ロケット艦プロジェクト「ボレイ」及び「ボレイ-A」により代替されているプロジェクト667は、記録的な数の近代化を体験した。
1960年代に開発されたプロジェクト667A潜水艦は、近代化されたプロジェクト667B、667BD、667BDR、667BDRMのベースとなった。
最後の2つは、未だロシア連邦北方艦隊及び太平洋艦隊に在籍している。
近代化の各々の段階において、潜水艦は新たなミサイル複合体を受け取り、その度にミサイルの最大射程と投射量は増加した。
1991年にプロジェクト667BDRM潜水艦「ノヴォモスコフスク」で「ベゲモート2」作戦が実施され、16基のミサイル全ての一斉発射が行なわれた。
1998年、同じ潜水艦は世界で初めて水中から商業用ロケットの発射を実施し、2基のドイツの大学の小型衛星が軌道上へ打ち上げられた。
現在、ロシア海軍の戦略原子力潜水艦部隊には、6隻のプロジェクト667BDRM「デリフィン」(NATOコード名「デルタIV」)と1隻のプロジェクト667BDR「カリマール」(NATOコード名「デルタIII」)が在籍しています。
一番古い「リャザン」は1982年就役、一番新しい「ノヴォモスコフスク」が1990年就役であり、既に艦齢は30年を超えています。
【北方艦隊】
プロジェクト667BDRM戦略用途原子力水中巡洋艦
K-51「ヴェルホトゥリエ」:1984年12月30日就役
K-84「エカテリンブルク」:1985年12月30日就役
K-114「トゥーラ」:1987年11月5日就役
K-117「ブリャンスク」:1988年10月6日就役
K-18「カレリア」:1989年10月11日就役
K-407「ノヴォモスコフスク」:1990年11月27日就役
【太平洋艦隊】
プロジェクト667BDR戦略用途原子力水中巡洋艦
K-44「リャザン」:1982年9月18日就役
これらの戦略原潜は度々近代化改装が行なわれ、寿命も延長されてきました。
[全てのデルタIV級戦略原潜は寿命を35年に延長する]
667BDRMは弾道ミサイルも新型に換装されました。
[ロシア海軍戦略原潜デルタIV型は「シネーワ」で武装している]
[ロシア海軍の新たな潜水艦用弾道ミサイル「ライネル」は制式採用された]
一方、667BDRMを代替する第4世代戦略原子力潜水艦「ボレイ」シリーズの建造も進められており、現在までに4隻が就役しています。
最終的には10隻以上の建造が予定されています。
[プロジェクト955ボレイ戦略用途原子力水中巡洋艦]
[プロジェクト955Aボレイ-A戦略用途原子力水中巡洋艦]

これに伴い、667BDR/667BDRMも退役する事になり、先ず初めに667BDRMの2番艦「エカテリンブルク」が2022年に退役します。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦エカテリンブルクは2022年に退役する]
他の667BDR/667BDRMも、2030年までに全て退役します。
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