ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦ゲパルトはバレンツ海で水上艦部隊への魚雷攻撃訓練を実施した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年6月18日16時5分配信
【潜水艦「ゲパルト」はバレンツ海で仮想敵艦支隊を雷撃した】
バレンツ海の北方艦隊の戦闘訓練射爆場における計画戦術演習の枠組みで、巡洋原子力潜水艦「ゲパルト」は、実用(練習)弾の一斉射撃実施を伴う仮想敵艦支隊への魚雷攻撃へ取り組んだ。
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」、救助曳船「アルタイ」で構成される北方艦隊艦船支隊が水上目標を務めた。
射撃は水中位置から数発の魚雷により実施された。
実施された戦闘訓練は成功と認められた。
射撃実施海域は民間船舶航行の為に閉鎖された。
攻撃実施後、潜水艦乗員は、反撃から回避及び離脱する操艦へ取り組んだ。

プロジェクト971原子力巡洋潜水艦K-335は、1991年9月23日にセヴェロドヴィンスク市の造船工場『セヴマシュ』で起工されました。
1993年2月22日付で「ゲパルト」と命名され、1997年12月4日にはプロジェクト675MKV原子力潜水艦K-22より親衛称号を受け継ぎ、親衛艦となりました。

ソ連邦解体後の財政難で建造資金の供給が滞った為に工事は遅れ、当初は1995年に就役する予定でしたが1998年に延期され、更に就役は延びる事になりました。
起工から8年後の1999年9月17日に造船台から出され、同年12月7日に進水しました。



1999年12月15日から2000年9月22日まで工場の岸壁で係留試験が行なわれ、同年12月10日から25日まで工場航行試験第1段階が実施されました。
2001年6月2日から16日まで工場航行試験第2段階が実施され、7月10日から26日まで工場航行試験第3段階と国家受領試験が実施されました。
洋上試験中に同艦は6150海里を航行し、この内の2376海里は潜水状態でした。

2001年12月3日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
2001年12月4日、ウラジーミル・プーチン大統領が出席して海軍旗掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。

2002年2月に北方艦隊の第24潜水艦師団~通称「野獣師団」へ編入され、ヤーゲリナヤ湾のガジエヴォ基地へ配備されました。


2004年と2007年には北方艦隊最高の潜水艦と認定され、海軍総司令官から表彰されました。
2012年1月14日、第10艦船修理工場に居た「ゲパルト」で小火騒ぎが起こりました。
[ロシア原潜「ゲパルト」で火災は無かった]

2012年2月11日夜、「ゲパルト」水雷長マクシム・ガルキン中尉が艦内で自殺しました。
『窓に!窓に!』より
【ロシア海軍北方艦隊の原潜K-355で自殺が発生】

2013年から艦船修理工場『ネルパ』でオーバーホールが行なわれ、2015年11月27日に完了し、北方艦隊へ復帰しました。
このオーバーホールにより、「ゲパルト」の寿命は10年程度延長されました。
[ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦ゲパルトはオーバーホールを終えて復帰した]

復帰後の「ゲパルト」の動向は明らかにされていませんでしたが、2021年6月17日にはバレンツ海で対潜ミサイルの発射訓練を実施しました。
「敵役」は、同型の原子力潜水艦が務めました。
対潜ミサイルの具体的なタイプには触れられていませんが、おそらくはRPK-6「ヴォドパード」(全長8.2m、発射重量2445㎏、最大射程37㎞)でしょう。

[ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦ゲパルトはバレンツ海で対潜ミサイル発射訓練を実施した]
翌6月18日には、バレンツ海でロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、大型対潜艦「大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」、救助曳船「アルタイ」から成る水上艦部隊に対する魚雷攻撃訓練を実施しました。
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