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ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部(ハワイ諸島海域)で空母打撃群及び陸上軍事インフラへの攻撃訓練を実施した


テレビ局『ズヴェズダー』より
2021年6月21日5時0分配信
【無条件の要素:太平洋艦隊の大規模演習は初めて太平洋中央部で実施された】

遠海ゾーンの太平洋艦隊の多種戦力艦グループの乗組員は、演習中に仮想敵航空母艦打撃グループを破壊する課題へ取り組んだ。
演習中、艦は互いに約300海里離れた場所に居た。

最大限に戦闘に近い環境を作成する為、太平洋艦隊グループは2個戦術グループに分かれ、その1つが「敵」役を務めた。

演習中、太平洋艦隊の2個艦支隊は、クリル群島の南東から約2500海里離れた場所で行動し、仮想敵航空母艦打撃グループの探知、対抗、そしてミサイル打撃を与える課題へ取り組んだ。
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仮想ミサイル打撃は、艦隊旗艦・ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」により与えられた。

合同演習には更に、太平洋艦隊潜水艦海上航空隊遠距離対潜航空機Tu-142M3が参加した。
10000キロメートル以上を超えた海上航空隊航空機は、事前にカムチャツカエリゾヴォ飛行場への基地移動を行ない、そこから演習海域への飛行を実施した。

演習中、艦グループ海上航空隊は、仮想敵の軍事インフラストラクチャの重要な施設へ有翼ミサイルで仮想打撃を与える課題へ取り組んだ。
「ミサイル攻撃」は、水上艦及び空中から行なわれた。

Tu-142M3への近隣ゾーンでの同行は、太平洋艦隊高空迎撃戦闘機MiG-31BMにより行なわれた。
演習の枠組みで、遠距離航空機は、太平洋エリア上空でロシア航空宇宙軍特殊給油航空機Il-78からの給油を実施した。
給油は、高度5000メートル以上で時速500~600キロメートルで行なわれた。

太平洋艦隊海上航空隊は、演習中、更に仮想敵潜水艦の捜索と追跡へ取り組んだ。
この目的で、一度に6機の対潜機Il-38及びIl-38Nが2機ペアを構成してオホーツク海及び太平洋エリア上空へ配置された。
潜水艦の捜索は、標準の機内及び投下型の水中音響捜索手段を使用して行なわれた。
各々の対潜航空機は、空中へ少なくとも8時間滞在した。

更に太平洋艦隊の艦の乗組員は、演習の枠組みで戦闘艦支隊の組織的な対空及び対潜防衛の課題へ取り組み、船団護送作戦を実施した。

現代史上初めて太平洋中央部で実施されている太平洋艦隊の遠海ゾーン演習には、20隻までの水上戦闘艦、潜水艦、支援船が参加している。
航空隊からは、遠距離対潜航空機Tu-142M3、高空迎撃戦闘機MiG-31BMロシア航空宇宙軍航空機艦上対潜及び捜索救助ヘリコプターKa-27を含む約20機の飛行装置が演習へ参加している。

遠海ゾーンにおける太平洋艦隊の多種戦力グループ双務演習は、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ大将の総指揮の下で行なわれている。



テレビ局『ズヴェズダー』より
2021年6月21日5時20分配信
【太平洋艦隊の艦は中央太平洋における初の演習で「敵」航空母艦を破壊した】

太平洋艦隊の数個多種戦力艦グループの乗組員は、仮想敵航空母艦を一掃する課題へ取り組んだ。
演習は太平洋中央部で2個艦支隊が参加して実施された。

活動の枠組みで「敵」部隊が探知され、その後、敵航空母艦グループに対し「ミサイル攻撃」が行なわれた。
仮想ミサイル攻撃は、艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」により行なわれた。

演習へは更に、太平洋艦隊潜水艦海上航空隊遠距離対潜航空機Tu-142M3が参加した。
戦闘環境の作成は、艦グループを2個に分ける事により達成され、この内の1つは仮想敵として行動した。



2021年5月1日、ロシア太平洋艦隊の4隻の水上戦闘艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年1月7日就役)、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」(543、1986年2月2日就役/2021年4月27日再就役)、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333、2017年7月20日就役)と「グロームキー」(335、2018年12月25日就役)は、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」(1978年10月30日就役)と共に遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート マルシャル・シャーポシニコフ、コルベット ソヴェルシェーンヌイ、グロームキー、大型海洋給油船ボリス・ブトマは東南アジアへの遠距離航海へ出発した]

5月5日に対馬海峡を南下し、東シナ海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年5月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

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「ボリス・ブトマ」は、5月15日にベトナムカムラン港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはベトナムのカムラン港を訪れた]

5月19日にカムラン港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはベトナムのカムラン港を去った]

5月22日にフィリピンマニラ港へ入港しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはフィリピンのマニラ港を訪れた]

5月25日にマニラ港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはフィリピンのマニラ港を去った]


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「ワリャーグ」「マルシャル・シャーポシニコフ」は、5月28日に太平洋上で対空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグとフリゲート マルシャル・シャーポシニコフは太平洋上で対空戦闘訓練を実施した]

一方、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」及び「グロームキー」は、5月29日にフィリピン海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット ソヴェルシェーンヌイとグロームキーはフィリピン海で砲撃訓練を実施した]
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その後、これらの艦船は太平洋中央部へ集結し、更に複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」(1990年2月23日就役)、コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」(2020年12月25日就役)、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(1992年5月1日就役)、病院船「イルティシュ」(1990年8月10日就役)なども合流し、演習を行なう事になりました。

[ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部で演習を行なう]

6月13日には、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グロームキー」、「ソヴェルシェーンヌイ」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」などが参加する潜水艦の捜索・追尾訓練が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部(ハワイ西方沖)で対空戦闘訓練を実施した]

6月15日には、カーメニ・ルチェイ(マンゴフト)飛行場に駐留する遠距離対潜哨戒機Tu-142M3カムチャツカ半島エリゾヴォ飛行場へ進出し、太平洋中央部まで飛行し、演習へ参加しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は太平洋中央部の演習へ参加した]

6月18日には対空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部(ハワイ西方沖)で対空戦闘訓練を実施した]

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なお、ロシア側の発表では、演習実施海域は「太平洋中央部」としか述べられていませんが、ハワイ沖まで進出しているようです。
『日刊サン ハワイ』より
2021年6月16日配信
【ヒッカムからF-22戦闘機 3機が緊急離陸】


ロシア艦隊は、6月19日にはハワイ・オアフ島ホノルル南方沖35海里まで接近しました。
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【「OSINT-1」の2021年6月21日2時26分のツイート】

6月21日にはハワイ付近の海域で「敵空母部隊」を攻撃する演習を実施しました。
更には、「敵の陸上軍事インフラ」を攻撃する演習も実施しました。

記事中では名前は出ていませんが、おそらくは複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、病院船「イルティシュ」などが「敵空母部隊」の役割を演じたようです。


ロシア太平洋艦隊の10隻以上の艦船部隊がハワイ沖で演習を行なうのは今回が初めてですが、ソヴィエト連邦時代に遡れば、1985年3月~4月にソ連太平洋艦隊重航空巡洋艦「ノヴォロシースク」を中核とする「空母機動部隊」ハワイ沖で演習を行なっています。
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今回のロシア太平洋艦隊ハワイ付近での演習は、かつての「ノヴォロシースク」機動部隊ハワイ沖演習へのオマージュでしょうか・・・?
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