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ロシア海軍の将来フリゲート(プロジェクト22350M「超ゴルシコフ」型)の為のガスタービンユニットが開発される

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『タス通信』より
2021年6月23日17時23分配信
【『ロステック』は将来のロシアのフリゲートの為のエンジンを開発している】
サンクトペテルブルク、6月23日/タス通信

『ロステック』『統合エンジン製造営団』は、将来のロシアフリゲートの為の動力装置の開発を進めている。
『タス通信』は、国際海軍サロン(IMDS-2021)の最中に海洋ガスタービンエンジンの設計主任アレクサンドル・ポネジェーリンより伝えられた。

「最新の動力装置を作成する為の作業は進行中です。
特に、将来フリゲートの為のガスタービンユニットを開発するプロジェクトは、実現段階に在ります」

広報サービスは通知した。

営団が指摘したように、動力装置の構成には、『統合エンジン製造営団』が開発する最新のユニットが含まれる。
「航行用エンジンとしてM70FRUを、そして増速用にはM90FRを使用します」
ポネジェーリン
は付け加えた。

現在、最も現代的なロシア「フリゲート」クラスの艦~プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」級は、M90FRガスタービンエンジンをベースにした動力装置を装備している。



ロシア海軍の為の1等多目的フリゲート・プロジェクト22350は、現在までにサンクトペテルブルク『北方造船所』で8隻が起工され、この内の2隻が就役しています。

1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥ゴルシコフ)(艦番号454)は2006年2月1日に起工、2010年10月28日に進水し、2018年7月28日にロシア海軍へ引き渡されました。
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[プロジェクト22350フリゲート1番艦アドミラル・ゴルシコフはロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ編入された]

2番艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」(海軍元帥カサトノフ)(艦番号461)は2009年11月26日に起工、2014年12月12日に進水し、2020年7月21日にロシア海軍へ引き渡されました。
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[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)フリゲート2番艦アドミラル・カサトノフはロシア海軍へ就役した]

3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工され、2020年5月22日に進水しました。
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[ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは係留試験の準備を進めている]
ロシア海軍への引き渡しは2022年に予定されています。
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2022年にロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ配備される]

4番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」(ソヴィエト連邦海軍元帥イサコフ)は2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]
ロシア海軍への引き渡しは2022年以降に予定されています。

1番艦~4番艦はプロジェクト22350フリゲートの第1シリーズ(原型)となります。


4隻で建造が打ち切られる筈だったプロジェクト22350フリゲートですが、2018年7月末に就役した1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」の運用実績を踏まえ、建造が続行される事になりました。

2019年4月23日、プロジェクト22350フリゲートの第2シリーズとなる5番艦と6番艦が『北方造船所』で一斉に起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲート"アドミラル・アメリコ"と"アドミラル・チチャーゴフ"はサンクトペテルブルクで起工された]

プロジェクト22350フリゲート5番艦「アドミラル・アメリコ」起工記念板
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プロジェクト22350フリゲート6番艦「アドミラル・チチャーゴフ」起工記念板
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「アドミラル・アメリコ」は2024年、「アドミラル・チチャーゴフ」は2025年に就役予定です。

2020年7月20日、プロジェクト22350フリゲートの7番艦「アドミラル・ユマシェフ」と8番艦「アドミラル・スピリドノフ」『北方造船所』で一斉に起工されました。
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[ロシア海軍の新世代フリゲート"アドミラル・ユマシェフ"と"アドミラル・スピリドノフ"はサンクトペテルブルクで起工された]

現在の所、この2隻のロシア海軍への引き渡しは、2025~2026年に予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート"アドミラル・ユマシェフ"と"アドミラル・スピリドノフ"は2025-2026年にロシア海軍へ就役する]

5番艦~8番艦は、打撃巡航ミサイル(対艦/対地ミサイル)の搭載数が増加します。
(1~4番艦は16基)
[ロシア海軍のプロジェクト22350フリゲートの後期建造艦(5番艦以降)は32基の巡航ミサイル(対艦ミサイル)を搭載する]

計8隻の建造が計画されているプロジェクト22350フリゲートは、北方艦隊に3隻、太平洋艦隊に3隻、黒海艦隊に2隻が配備されます。


その後は、第3シリーズとなる拡大発展型のプロジェクト22350Mフリゲートの建造へと移行します。
[プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)の拡大発展型となるロシア海軍の次世代フリゲートの開発は進められている]

2018年12月25日、『北方計画設計局』は、プロジェクト22350Mフリゲートの草案設計作業の契約へ署名し、艦の大まかな概要を決める草案設計作業が始まりました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350Mフリゲート(改アドミラル・ゴルシコフ型)の草案設計の契約が締結された]

草案設計作業は2019年11月末に完了しました。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の草案設計は完了した]

今後は実際に建造される艦の詳細な設計作業が行なわれ、2022年の完了が予定されています。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の設計作業は2022年に完了する]
その後、プロジェクト22350Mの建造が開始されます。

プロジェクト22350Mの排水量は、以前には6500トン~約8000トンになると言われていましたが、現在では7000トン程度に落ち着いているようです。
[ロシア海軍の将来フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の排水量は6500トンになる]
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(改アドミラル・ゴルシコフ型)の排水量は約8000トンになる]

プロジェクト22350M有翼ミサイルの搭載数は48基と、ベースとなった22350の3倍になります。
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(改アドミラル・ゴルシコフ型)は48基の巡航ミサイルを搭載する]

その他の兵装も、大体プロジェクト22350と同じものになるようです。

高射ミサイル複合体「ポリメント-リドゥート」
[ロシア海軍の新世代高射ミサイル複合体ポリメント-リドゥートの国家試験は完了した]

130mm単装砲A-192M「プーマ」
[ロシア海軍の新型130mm砲A-192Mの量産が始まった]

高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」
[ロシア海軍は最初の新型高射複合体パーンツィリ-MEを受領する]

対潜/対魚雷複合体「パケート-NK」
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷複合体パケート-NKは近代化される]

視覚-光学妨害ステーション「フィリン」
[ロシア海軍最新鋭のプロジェクト22350フリゲートは視覚-光学妨害ステーションを装備する]


プロジェクト22350は、航行用のディーゼルエンジン10D49(出力5200馬力)1基と増速用のガスタービンエンジン「M90FR」(出力27500馬力)1基を組み合わせたディーゼル-ガスタービンユニットを2組搭載したCODAG(COmbined Diesel And Gas turbine)方式ですが、22350Mは、航行用のガスタービンエンジン「M70FRU-R」(出力14000馬力)1基と増速用のガスタービンエンジン「M90FR」(出力27500馬力)1基を組み合わせたガスタービンユニットを2組搭載したCOGAG(COmbined Gas turbine And Gas turbine)方式になるようです。

ガスタービンエンジン「M90FR」(出力27500馬力)
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ガスタービンエンジン「M70FRU-R」(出力14000馬力)
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[ルイビンスクのサトゥルン社はロシア海軍の為のガスタービンエンジンの生産を開始する]


なお、2020年4月、プロジェクト22350Mの開発作業が一時中断されていると報じられ、これが「22350Mは中止された」と一部で誤解されましたが、動力となるガスタービンユニットの開発が進められているくらいですから、中止されてなどいません。。
[ロシア海軍の次世代水上戦闘艦・原子力駆逐艦リデルとプロジェクト22350Mフリゲートの設計作業は一時中断されている]
[ロシア海軍の次世代フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ)の開発作業は中止されていない]
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