地中海東部でロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同防空演習が実施された
- カテゴリ:地中海情勢(2021年)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年6月29日16時28分配信
【(ロシア)国防省は地中海演習について話した】
モスクワ、6月29日-ロシア通信社ノーボスチ
地中海の軍事演習中、水上及び水中状況を偵察する動作へ取り組み、敵の空中攻撃を「撃退」した。
ロシア国防省は発表した。
演習には、ロシア海軍及び航空宇宙軍が参加している。
「戦闘訓練活動の枠組みにおいて、水上及び水中状況を偵察する戦術動作へ取り組みました。
艦の演習は、対潜航空機Il-38と協同で行なわれました。
艦隊の部隊の行動の航空援護は、戦闘機Su-35及び戦闘爆撃機Su-34により保障されました」
声明では、こう述べられた。
敵を捜索する取り組みには、フリゲート「アドミラル・マカロフ」艦上に駐留する対潜ヘリコプターKa-27が参加した。
戦闘演習は成功裏に実施され、全ての航空機は無事にフマイミーン航空基地へ戻った。
「更に海軍部隊は、空中攻撃を撃退する訓練を実施しました。
空中目標へ対処する対空防衛班及び対空防衛手段の実地行動の問題へ取り組みました。
無人飛行装置への対処に特別な注意が払われました」
ロシア連邦国防省は指摘した。
これに加え、地中海エリアで最新ミサイル複合体「キンジャール」を構成する航空機MiG-31K、遠距離爆撃機Tu-22M3が練習飛行を行なった。
演習は6月25日に始まり、その中でロシアの飛行場からフマイミーンへ航空機MiG-31K及び対潜機Il-38のペアが特別に移転した。
演習中、ロケット巡洋艦「モスクワ」、フリゲート「アドミラル・エッセン」及び「アドミラル・マカロフ」を含むロシア海軍の5隻の艦、更に潜水艦「スタールイ・オスコル」及び「ロストフ・ナ・ドヌー」は、対潜航空機Tu-142MK、Il-38、遠距離爆撃機Tu-22M3及び航空機MiG-31Kと合同で、フマイミーン航空基地とタルトゥースのロシア海軍物資-技術サービス供給所の安全を保障する戦闘演習任務を遂行した。
ロシア黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」とフリゲート「アドミラル・エッセン」は、2021年6月中旬にセヴァストーポリを出航し、6月18日にはボスポラス海峡を南下、地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦モスクワとフリゲート アドミラル・エッセンは地中海東部へ向かった]
フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、2021年5月初頭にセヴァストーポリを出航し、5月2日にはボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。
その後も地中海東部で行動しています。
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート アドミラル・マカロフはシリアのタルトゥース港で演習を実施した]
潜水艦「スタールイ・オスコル」は、2019年4月末から地中海に滞在し、その後、バルト海へ回航され、2020年1月末からクロンシュタットでオーバーホールを行ない、完了後の12月初頭に出航、12月12日頃にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、12月下旬から地中海東部に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦スタールイ・オスコルはバルト海から黒海への移動を準備する]
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2020年6月下旬にセヴァストーポリを出航し、6月23日にボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、暫く地中海に滞在した後、2020年10月31日にクロンシュタットへ到着してオーバーホールを行ない、完了後の2021年2月半ば頃に出航、2021年3月初頭にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入り、3月中旬から地中海東部に滞在しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部に居る]

2021年6月25日、これらの水上艦及び潜水艦と、シリアのフマイミーン航空基地へ進出した北方艦隊航空隊の対潜哨戒機Tu-142MK及びIl-38、そしてロシア航空宇宙軍の超音速爆撃機Tu-22M3、極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載する戦闘機MiG-31K、戦闘爆撃機Su-34、戦闘機Su-35Sが参加するロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同演習が地中海東部で始まりました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍は地中海東部で合同演習を開始した]
なお、演習実施海域となるキプロス島南方海域では、イギリス海軍の航空母艦「クイーン・エリザベス」を中核とする機動部隊が行動中でした。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は英空母クイーン・エリザベス機動部隊の近くでミサイル発射演習を行なう]
6月28日には対空防衛演習などが実施されました。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は地中海東部で対空防衛演習を実施した]
翌6月29日にも対空防衛演習が実施されましたが、こちらは敵の無人機の攻撃を想定したものだったようです。
現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「スタールイ・オスコル」:2020年12月下旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」:2021年3月中旬から地中海東部に滞在
ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」:2021年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・エッセン」:2021年6月下旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・マカロフ」:2021年5月初頭から地中海東部に滞在
哨戒艦「ワシーリー・ブイコフ」:2021年5月下旬から地中海東部に滞在
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2021年3月初頭から地中海東部に滞在
海洋掃海艦「コヴロヴェツ」:2021年5月上旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「イマン」:2021年3月上旬から地中海東部に滞在
救助曳船「シャフテル」:2021年5月上旬から地中海東部に滞在
対水中工作艇「パーヴェル・シラーエフ」:2021年6月上旬から地中海東部に滞在
工作船PM-138:2021年4月初頭から地中海東部に滞在
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