ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海でヘリコプターの発着艦訓練を実施した
- カテゴリ:プロジェクト22160哨戒艦

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年6月30日11時10分配信
【黒海艦隊海上航空隊のヘリコプター乗員は夜間及び昼間飛行と哨戒艦の甲板での発艦と着艦へ取り組んだ】
黒海艦隊の独立混成航空連隊の一員であるヘリコプターKa-27乗員は、黒海エリアで哨戒艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」の甲板からの実地飛行を行なった。
黒海艦隊海上航空隊のヘリコプターの飛行任務に沿って、艦の乗組員と協同で、昼間及び夜間時、移動中及び投錨停泊中の甲板での発艦と着艦の海上任務へ取り組んだ。
並行して、哨戒艦の航空複合体の全てのシステムの整然とした動作を点検する目的で、ヘリコプターの飛行を支援する艦内班の訓練が行なわれた。
訓練にはヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが関わり、艦の甲板へ約10回の発艦と着艦を行なった。

プロジェクト22160哨戒艦は、平時には領海警護、200海里の排他的経済水域の哨戒、海上密輸及び海賊行為の取り締まり、海難救助支援、海洋環境調査、 戦時には船舶の海上航行警護、海軍基地及び近海防衛を行なう多目的艦です。
現在建造中のプロジェクト20380コルベット及びプロジェクト20385コルベットよりも、やや小サイズの艦ですが、航続性能は20380/20385を上回っています。
設計はサンクトペテルブルクの「北方計画設計局」が担当しました。
公開株式会社『北方計画設計局』公式サイトより
【哨戒艦プロジェクト22160】
建造を担当するのは、ロシア内陸部タタールスタン共和国の『ゼレノドリスク造船所』です。

【公開株式会社「A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場」公式サイト】

基本的には軽武装の22160哨戒艦ですが、対艦ミサイルや高射ミサイルなどの汎用戦闘モジュールコンテナを装備して武装を強化する事も出来ます。
[ロシア海軍の新世代水上艦の為の汎用戦闘モジュールコンテナの試験が始まる]
[ロシア海軍黒海艦隊の最新哨戒艦ワシーリー・ブイコフは白海で新型兵器の試験を行なう]
プロジェクト22160哨戒艦の3番艦「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、2016年2月18日に起工されました。
[ロシア海軍の為の第3のプロジェクト22160哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは2016年2月18日に起工される]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは起工された]
その後、クリミア半島のケルチ市に在る『ゼレノドリスク造船所』の下請け会社造船工場『ザリフ』へ回航され、ここで建造が進められました。

2019年2月21日に造船工場『ザリフ』で進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは進水した]
2019年8月初頭までに「パーヴェル・デルジャーヴィン」の乗組員の編成が完了しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンの乗組員の編成は完了した]
2020年4月21日、「パーヴェル・デルジャーヴィン」はノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは洋上試験を行なう為にノヴォロシースクへ到着した]

2020年5月15日、サンクトペテルブルクでの訓練を終えた「パーヴェル・デルジャーヴィン」の乗組員がノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィン乗組員はノヴォロシースクへ到着した]
その後、「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、黒海での洋上試験の準備を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは洋上試験の準備を進めている]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンはノヴォロシースクで消磁作業を行なった]
2020年7月23日、「パーヴェル・デルジャーヴィン」は黒海で洋上試験を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で洋上試験を開始した]
8月末には76mm砲などの各種兵器の射撃試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で兵器の射撃試験を行なった]
10月19日には艦上捜索救助ヘリコプターKa-27PSの着艦試験を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海でヘリコプター着艦試験を行なった]
11月6日には黒海艦隊海上航空隊の多用途複座戦闘機Su-30SMの協力を得て、対空防衛システム~対空用レーダーなどの動作点検を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で対空レーダーの動作点検を行なった]
「パーヴェル・デルジャーヴィン」の洋上試験は2020年11月中旬までに完了し、11月27日にロシア海軍への正式な就役式典(聖アンドレイ旗初掲揚式典)がノヴォロシースクで開催されました。
[新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
「パーヴェル・デルジャーヴィン」は、ノヴォロシースク海軍基地の第184水域保護旅団の第181小型対潜艦大隊へ編入されました。
就役後、「パーヴェル・デルジャーヴィン」は乗組員の慣熟訓練を開始し、基地内での基礎訓練を終えた後、2020年12月下旬には海上での訓練へ移行しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは乗組員の慣熟訓練を行なった]
2021年1月12日には機雷敷設演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で機雷敷設演習を行なった]
2021年2月2日には対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは黒海で対空防衛演習を行なった]
2月26日には地対艦ミサイル「バル」と合同演習を行ないました。
演習の筋書きは、「パーヴェル・デルジャーヴィン」が敵水上艦を探知し、そのデータを地対艦ミサイル部隊へ転送し、ミサイルを発射して敵艦を破壊するというものでした。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは地対艦ミサイル部隊と合同演習を行なった]
3月15日には超音速地対艦ミサイル「バスチオン」(「オーニクス」の地上型)と合同演習を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは超音速地対艦ミサイル部隊と合同演習を行なった]

2021年6月28日にセヴァストーポリを出航し、6月30日には黒海で艦載ヘリコプターKa-27の発着訓練を行ないました。
なお、黒海では、6月28日から7月10日まで西側の海軍演習『シーブリーズ-2021』が実施され、アメリカ、カナダ、グレートブリテン、ネーデルラント、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャ、トルコ、ラトビア、ウクライナなどが参加します。
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