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ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクとサラトフは黒海で砲撃訓練を実施した


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2021年7月1日9時0分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦支隊は海上で砲射撃を実施した】

黒海艦隊大型揚陸艦「オルスク」「サラトフ」の乗組員は、合同任務への取り組みの枠組みにおいて、海上で砲射撃を実施した。

射撃は、黒海艦隊大型揚陸艦連合部隊の戦闘訓練計画に沿って、黒海の海上射爆場で行なわれた。

活動中、大型揚陸艦の乗組員は、海上揚陸部隊の仮想上陸を援護する行動へ取り組み、砲装置から海上および空中目標への射撃を実施した。

海上目標の役割として盾船標的が関わり、仮想敵空中攻撃手段の役割は、黒海艦隊対空防衛・海上航空隊水陸両用機Be-12が演じた。

更に、大型揚陸艦「オルスク」「サラトフ」の砲術班は、浮遊海上機雷模型を破壊する訓練を実施した。
全ての目標は成功裏に撃破された。

戦闘訓練活動実施中、射撃海域は民間船舶航行の為に閉鎖された。



プロジェクト1171大型揚陸艦の6番艦BDK-69は、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』で1967年3月7日に起工され、1968年2月29日に進水、1968年12月5日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。

ソ連海軍時代には、地中海、大西洋、インド洋へ進出し、活発に行動していました。
1972年6月~7月にはエジプトへ駐留しました。

ソ連邦解体後も2000年代初頭までは稼働状態に在りました。

上陸演習を行なうBDK-69(1997年撮影)
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複合補給艦「べレジナ」と共に(2000年撮影)
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2002年10月20日に「オルスク」と命名されました。

2004年からオーバーホールが始まりましたが、資金の割り当てが不十分だった為に作業は殆ど進まず、事実上予備役となっていました。

2014年8月から本格的な修理工事が始まりました。
[ロシア黒海艦隊のアリゲーター級揚陸艦2隻はセヴァストーポリで修理される]

オーバーホールは2017年10月下旬に完了し、10月27日には艦の点検の為に出航しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年10月27日14時3分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「オルスク」は計画修理後に出航した】

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
黒海地域情報供給部(セヴァストーポリ市)発表
2017年11月12日8時0分配信
【大型揚陸艦「オルスク」乗組員は艦の修理後の工場点検を完了した】

オーバーホール後の点検を終え、2017年12月中旬に艦隊へ復帰しました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年12月12日13時6分配信
【黒海艦隊の大型揚陸艦「オルスク」は修理後に戦闘任務遂行へ着手する】

2018年には計9回の「シリア・エクスプレス」(黒海沿岸のロシア領からシリアへの貨物輸送任務)に従事しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の大型揚陸艦オルスクはシリアへ行く]

2019年には計4回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。

2020年春までに計2回の「シリア・エクスプレス」に従事した後、セヴァストーポリ『第13艦船修理工場』でオーバーホールが行なわれました。


プロジェクト1171大型揚陸艦の1番艦BDK-10は、カリーニングラード造船工場『ヤンターリ』で1964年2月5日に起工され、1964年7月1日に進水、1966年8月18日に就役し、黒海艦隊へ編入されました。
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1967年2月22日に「ヴォロネジスキー・コムソモーレツ」と命名されました。

ソ連邦解体後の1992年2月15日にはBDK-65と改名され、2003年7月26日に「サラトフ」と命名されました。

2008年8月上旬の南オセチア紛争中には、ノヴォロシースクからアブハジアへの兵員輸送任務に従事しており、これに目を付けたグルジア海軍戦闘艇部隊(ミサイル艇2隻を含む)と護衛艦(小型ロケット艦「ミラーシュ」など)との間でアブハジア沖海戦が発生しました。


2013年1月下旬に実施されたロシア海軍3艦隊(北方艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊)合同演習に参加した後は、セヴァストーポリでオーバーホールを行なっていました。
[ロシア海軍3艦隊合同演習(2013年1月下旬)]

2014年2月中旬に現役へ復帰しました。
[大型揚陸艦サラトフは修理を終えて現役に復帰した]

2014年には計4回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。

2015年には計7回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。

2016年には計6回の「シリア・エクスプレス」へ従事しましたが、同年7月末に帰投して以来、長らくシリアへは派遣されていませんでした。

2020年4月10日、「サラトフ」は、ほぼ4年ぶりにボスポラス海峡を南下して地中海へ入り、「シリア・エクスプレス」に従事しました。

2020年には計7回の「シリア・エクスプレス」に従事しました。

2021年には、6月下旬までに計4回の「シリア・エクスプレス」へ従事しています。


2021年7月1日、「オルスク」「サラトフ」は、黒海57mm連装砲ZIF-31の実弾射撃訓練を実施しました。
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なお、黒海では、6月28日から7月10日まで西側の海軍演習『シーブリーズ-2021』が実施され、アメリカ、カナダ、グレートブリテン、ネーデルラント、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャ、トルコ、ラトビア、ウクライナなどが参加します。
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