太平洋中央部(ハワイ諸島海域)の演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の支援船はウラジオストクへ帰投した




『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年7月14日8時0分配信
【太平洋で大規模演習へ参加した太平洋艦隊の支援船はウラジオストクへ戻った】
2ヶ月以上に渡りアジア-太平洋地域で艦支隊の行動を保障した太平洋艦隊の船は、長期航海の後にウラジオストクへ戻った。
これに加え、船は太平洋中央部で行なわれた遠海ゾーンのグループ戦力演習へ参加した。
特に、給油船「イルクト」及び「ボリス・ブトマ」、水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」、病院船「イルティシュ」、海洋曳船が恒久駐留所へ到着した。
航海中に給油船は、25回以上に渡り戦闘艦へ燃料と水の補給を行なった。
備蓄の補充は、気象条件に応じ、停止及び航行の双方で行なわれた。
大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」は、ベトナム及びフィリピンの港への業務寄港を行なった。
水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」は、航海期間に約15000キロメートルの線上で水文気象作業及び水路調査作業を行ない、7基の水文観測ステーションを設置し、約400回の水文気象観測を実施し、更に太平洋中央部で研究プログラムを実行した。
太平洋艦隊の艦グループの支援任務全てを、補助艦隊の船は完全にやり遂げた。
2021年5月1日、ロシア太平洋艦隊の4隻の水上戦闘艦~ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年1月7日就役)、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」(543、1986年2月2日就役/2021年4月27日再就役)、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」(333、2017年7月20日就役)と「グロームキー」(335、2018年12月25日就役)は、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」(1978年10月30日就役)と共に遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、フリゲート マルシャル・シャーポシニコフ、コルベット ソヴェルシェーンヌイ、グロームキー、大型海洋給油船ボリス・ブトマは東南アジアへの遠距離航海へ出発した]
5月5日に対馬海峡を南下し、東シナ海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年5月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】

「ボリス・ブトマ」は、5月15日にベトナムのカムラン港へ入港しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはベトナムのカムラン港を訪れた]
5月19日にカムラン港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはベトナムのカムラン港を去った]
5月22日にフィリピンのマニラ港へ入港しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはフィリピンのマニラ港を訪れた]
5月25日にマニラ港から出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型海洋給油船ボリス・ブトマはフィリピンのマニラ港を去った]

「ワリャーグ」と「マルシャル・シャーポシニコフ」は、5月28日に太平洋上で対空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグとフリゲート マルシャル・シャーポシニコフは太平洋上で対空戦闘訓練を実施した]
一方、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」及び「グロームキー」は、5月29日にフィリピン海で砲撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット ソヴェルシェーンヌイとグロームキーはフィリピン海で砲撃訓練を実施した]


その後、これらの艦船は太平洋中央部へ集結し、更に複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」(1990年2月23日就役)、コルベット「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」(2020年12月25日就役)、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(1992年5月1日就役)、病院船「イルティシュ」(1990年8月10日就役)なども合流し、演習を行なう事になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部で演習を行なう]
6月13日には、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グロームキー」、「ソヴェルシェーンヌイ」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」などが参加する潜水艦の捜索・追尾訓練が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部(ハワイ西方沖)で対空戦闘訓練を実施した]
6月15日には、カーメニ・ルチェイ(マンゴフト)飛行場に駐留する遠距離対潜哨戒機Tu-142M3がカムチャツカ半島のエリゾヴォ飛行場へ進出し、太平洋中央部まで飛行し、演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は太平洋中央部の演習へ参加した]
6月18日には対空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部(ハワイ西方沖)で対空戦闘訓練を実施した]

なお、ロシア側の発表では、演習実施海域は「太平洋中央部」としか述べられていませんが、ハワイ沖まで進出しているようです。
『日刊サン ハワイ』より
2021年6月16日配信
【ヒッカムからF-22戦闘機 3機が緊急離陸】
ロシア艦隊は、6月19日にはハワイ・オアフ島のホノルル南方沖35海里まで接近しました。

【「OSINT-1」の2021年6月21日2時26分のツイート】
6月21日にはハワイ付近の海域で「敵空母部隊」を攻撃する演習を実施しました。
更には、「敵の陸上軍事インフラ」を攻撃する演習も実施しました。
記事中では名前は出ていませんが、おそらくは複合測量艦「マルシャル・クルイロフ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、病院船「イルティシュ」などが「敵空母部隊」の役割を演じたようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊は太平洋中央部(ハワイ諸島海域)で空母打撃群及び陸上軍事インフラへの攻撃訓練を実施した]
更にその後、今度はロシア航空宇宙軍の爆撃機Tu-95とTu-22M3も参加して、再び「敵の陸上軍事インフラ」と「敵空母部隊」を攻撃する演習が行なわれました。
Tu-95が「敵の陸上軍事インフラ」、Tu-22M3は「敵空母部隊」を攻撃するという想定でした。
[ロシア航空宇宙軍の爆撃機Tu-95MSとTu-22M3はロシア海軍太平洋演習へ参加した]
6月30日には「ワリャーグ」と「マルシャル・シャーポシニコフ」が太平洋上で対空砲撃訓練を実施しました。
更に「ワリャーグ」は、短距離対空ミサイル「オサー-M」で海上目標を攻撃しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグとフリゲート マルシャル・シャーポシニコフは太平洋上で砲撃訓練を実施した]

7月4日に日本の沖縄本島と宮古島の間を通過し、その後、対馬海峡を北上して日本海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2021年7月6日発表
【ロシア海軍の動向について】
7月8日にウラジオストクへ帰投しました。
[太平洋中央部(ハワイ諸島海域)の演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]
太平洋艦隊の水上艦に随伴していた支援船部隊~大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」、中型海洋給油船「イルクト」(1975年12月就役)、水路調査船「マルシャル・ゲロヴァーニ」(1983年7月29日就役)、病院船「イルティシュ」、海洋曳船は、一足遅れて7月14日にウラジオストクへ帰投しました。
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