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ロシア海軍の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mは黒海艦隊へ重点的に配備される

『イズベスチヤ』より
2021年7月16日0時0分配信
【水上から届ける:黒海艦隊航空隊はKa-27Mで再装備する】

更新された対潜ヘリコプターは地中海地域のロシア軍の能力をどのように高めるのか。
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南西の境界は「スーパーハンター」ヘリコプターで強化される。
黒海艦隊航空隊は、最初に近代化された最新機Ka-27Mで再装備される。
今日において、これは最も効果的な対潜ヘリコプターの1つと見なされている。
潜水艦の捜索に加え、更新された機材は、海上および沿岸目標へミサイル超音速の「ヤーホント」極超音速の「ツィルコン」を効果的に誘導する。
専門家によると、有力な偵察手段を有するヘリコプターは、地中海地域ロシア軍を著しく強化する。

[発見と破壊]
国防省
は、黒海艦隊航空隊近代化ヘリコプターKa-27Mで完全に再装備する決定を下したと『イズベスチヤ』軍当局の情報提供者より伝えられた。
新たな機体は、セヴァストーポリカーチャ飛行場に駐留する第318独立混成航空連隊の一団へ補充される。
現在、この軍部隊に含まれる飛行隊は、Ka-27の基本ヴァージョンで構成されている。

対潜ヘリコプターKa-27の近代化ヴァージョンの試験は、この10年間の半ばに完了した。
2016年から更新された機体は海上航空隊の一部への引き渡しが開始されたが、その量は限られていた。
今、幾つかのヘリコプターが、バルト艦隊、北方艦隊、太平洋艦隊で勤務に就いている。
黒海艦隊は、初めてKa-27Mで完全に構成される。

このヘリコプターは、尾部ローターが無いが故に2重同軸ローター形式で製造され、それは高い機動性を持つ。
折り畳み式ブレードは、小さな艦の甲板でも機体の配置を可能にする。
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近代化ヴァージョンは、最新機器を装備する。
水上へワイヤーロープで下げられる強力な水中音響ステーションは、基礎ヴァージョンの手段よりも遥かに長距離での潜水艦の探知を可能にする。

機体には更に、潜水艦の金属船体の発見が可能な磁気測定システムが設置される。
これに加え、ヘリコプターは水面上へ、水中音響状況に関するデータを機上へ転送する特殊ブイを配置できる。

Ka-27Mは、対潜魚雷を含む様々なタイプの弾薬を機内へ搭載できる。
しかし、その主な特徴は、アクティブフェーズドアレイアンテナ方式の強力な機上電波位置測定ステーション「コピョー-A」に在る。
これは潜水艦の捜索のみならず、捜索救助ミッションも遂行できる。

目標探知の為の超最新装置のお陰により、新たなヘリコプター偵察-打撃複合体の構成として使用できる~特に、識別された対象物へミサイル打撃を与える為のデータを指揮所へ転送する。
これにより、ロシア海軍部隊は、目標を超音速ミサイル「ヤーホント」、そして今後は将来極超音速ミサイル「ツィルコン」で効果的に撃破できる。

Ka-27の象徴は、鮫を押さえ付ける足を持つ鳥である。
この為、更新されたKa-27Mは、艦隊から「鮫のハンター」というニックネームを受けた。

「近代化された機体では、事実上全ての機器が交換され、改善された電波位置測定機器、航空電子機器、磁力計、水中音響サブシステムが設置されました」
軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「その特性は数倍に増加します。
このようなヘリコプターは、その多くの国が潜水艦部隊を有している地中海地域における作戦実施の上で必要不可欠です。
機上には強力なレーダーを有し、効果的に目標を探知し、他の撃破手段~航空機、艦、潜水艦へ座標を送信できます」


[戦力の投射]
黒海艦隊
は、ロシアの戦略的利益が在る地中海地域での作戦に焦点を当てている事を『地政学問題高等学院』校長レオニート・イワショフ大将は指摘した。
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「我々は地中海、アラブ東部へ戻り、多くの国との協力が在り、ロシアはシリアでテロリストとの戦いへ参加しています」
専門家は想い起こした。
「今日において軍事力は、重要な戦略施設を掌握する問題において決定的な役割を果たし続けております。
ロシアにとって、地中海における我々の艦及び航空グループの存在は非常に重要です。
ですが、それは包括的な戦闘及び航法支援を必要とします。
近代化されたKa-27Mは多機能ヘリコプターであります。
これは、効果的に偵察を行ない、航法に関連する任務と、必要ならば戦闘適用の為の任務を遂行できます」


最近、ロシア軍は、ロシア境界から遠く離れた地域で戦力を投射する活動へ定期的に取り組んでいる。
その中で重要な役割は、地中海海軍常設作戦連合部隊により果たされている。
今年6月、艦船連合部隊航空宇宙軍部隊の大規模な演習が行なわれた。
これには、黒海艦隊旗艦親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」も参加した。
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演習中、極超音速ミサイル「キンジャール」を持つ戦闘機MiG-31Kを含むミサイル兵器搭載航空機及び艦への目標指定データの送信へ取り組んだ。
単一指揮システムの枠組みにおいて、水上艦及び水中艦航空機及び沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は一緒に行動した。



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現在、ロシア海軍は、艦載対潜ヘリコプターKa-27PLを50機以上保有しており、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊海軍航空隊で運用されています。
これらのKa-27PLは、電子機器を換装する近代化改装が行なわれ、Ka-27Mへアップグレードされます。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]

Ka-27M試作機(0909号機)は、北方艦隊での試験が行なわれました。
[艦載ヘリコプターKa-27Mの試験は北方艦隊で行なわれている]

2014年12月には、北方艦隊所属の4機のKa-27PLが近代化改修を行なう事になりました。
[ロシア海軍の対潜ヘリコプターKa-27PLの近代化改修が始まる]

近代化改装されたKa-27Mの最初の8機は、2015年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でした。
[ロシア海軍の8機の対潜ヘリコプターKa-27が2015年に近代化される]

しかし、引き渡しは1年遅れて2016年12月になりました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化改装された艦載対潜ヘリコプターKa-27Mを2016年12月に受領する]

2016年12月19日、近代化されたKa-27Mの第1号機がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mの第1号機を受領した]

その後、残りの7機も2016年12月末~2017年1月初頭までに引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

この内の6機は、北方艦隊へ配備されました。
[ロシア海軍北方艦隊は2017年に6機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mを受け取る]

この他、2017年末までに、もう2機が引き渡されたようです。
(合計10機)

何機かのKa-27Mは、クラスノダール地方エイスク基地で各種試験や乗員の訓練などに使われているようです。
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Ka-27Mへの近代化改修作業は『クメルタウ航空機製造事業』で実施されています。
[ロシアン・ヘリコプターズはロシア海軍航空隊へ近代化されたヘリコプターKa-27Mを供給する準備を整えている]
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2018年1月9日、次のKa-27Mグループがロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

2018年1月11日、バルト艦隊航空隊の基地へ1機目のKa-27Mが到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

2018年10月6日、バルト艦隊航空隊は更に5機のKa-27Mを受領しました。
これでバルト艦隊Ka-27Mは合計6機になりましたが、おそらくは、同艦隊所属のプロジェクト11540警備艦2隻とプロジェクト20380コルベット4隻への搭載用でしょう。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを5機受領した]


北方艦隊には8機程度のKa-27Mが配備されています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上対潜ヘリコプターの3分の1が近代化されたKa-27Mとなった]

黒海艦隊でも数機のKa-27Mが運用されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌー及び対潜哨戒機は黒海で演習を行なった]
[ロシア海軍黒海艦隊のフリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は地中海東部へ到着した]
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今後は、黒海艦隊へ重点的にKa-27Mが配備される事になるようです。

約50機のKa-27PLKa-27Mへ近代化改修されます。
[ロシア海軍航空隊は2020年までに約50機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領する]


既にKa-27の後継機となる将来艦上ヘリコプター「ミノーガ」の開発も始まっています。
[ロシア海軍の将来艦載ヘリコプター"ミノーガ"の本格的な設計作業は2020年に始まる]
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