ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"の上部構造物は北方造船所へ到着した
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年7月20日14時1分配信
【コルベット「メルクーリイ」の為の上部構造物は『北方造船所』へ送り届けられた】
『中部ネヴァ川造船工場』から『北方造船所』へ、プロジェクト20386コルベット「メルクーリイ」の為の上部構造物が送り届けられた。
『北方造船所』広報サービスが話したように、技術的に困難な荷降ろし操作は数時間続いた:荷船から上部構造物が工場の浮きドックへ移され、特殊支台~「ベッド」へ設置された。
ドックから水を汲み出し、それは造船台で1つの高さまで上げられ、荷船の下に船舶運搬台車を取り付け、造船台へ転がし、2基のクレーンの助力により、内部を満たす更なる作業の為に上部構造物を作業場へ移動させた。
プロジェクト20386の為に中央海洋設計局『アルマーズ』が開発した複合材料から成る上部構造物は、特殊な船体構造である。
『北方造船所』広報サービスは、それが高い強度と減少した比重を有しており、最新のシステム及び機器、乗組員の為の勤務及び生活室を収容する為の艦の有用な量の増加を可能にする事を指摘した。
プロジェクト20386コルベットのトップは、『北方造船所』で2016年10月28日に「ジェルズキー」という名で起工された。
2019年4月、将来の艦のブロックの結合操作の前に、それは、1829年に合計180門以上の砲で武装する2隻のトルコ戦列艦との不利な戦闘で勝利を収めた砲20門のブリッグ「メルクーリイ」に敬意を表して「メルクーリイ」と命名される事が決定された事が知られるようになった。
2019年7月、当時『北方造船所』を率いていたイーゴリ・ポノマリョフは、コルベット「ジェルズキー」は2022年末に発注者へ引き渡すと言った。
2021年4月、コルベット「メルクーリイ」が技術的に進水したとの情報が出てきた。
『北方造船所』広報サービスによると、現在、船体の作業が進められている。

[Mil.Press FlotProm参照]
多目的コルベット・プロジェクト20386は中央海洋設計局『アルマーズ』により開発された。
それは、近海及び遠海ゾーンでの戦闘行動実施、海上交通線及び海上経済活動施設の保護の為に意図されている。
排水量3400トン(全長109メートル)の艦は、100mm砲装置A-190-01、2基の30mm砲装置AK-630M、高射ミサイル複合体「リドゥート」、2基の対潜複合体「パケート-NK」発射装置、高精度ミサイル「カリブル」或いは対艦ミサイル「ウラン」で武装する。
更にコルベットにはヘリコプターKa-27或いはKa-29が駐留できる。
[プロジェクト20386コルベット]
[ロシア海軍の将来コルベット・プロジェクト20386]
[ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"]

プロジェクト20380/20385コルベットの更なる改良発展型であるプロジェクト20386の1番艦「ジェルズキー」Дерзкий(建造番号1009)は、2016年10月28日にサンクトペテルブルクの『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で起工されました。

[ロシア海軍の新世代コルベット"ジェルズキ―"は起工された]

プロジェクト20386の満載排水量は3400トンになり、以前のプロジェクト20380/20385よりも1000トン以上増加しています。
航続距離も20380/20385より延びて5000海里となり、速力も30ノットに増加、乗員は80名に減少しています。
機関はガスタービン電気推進システムが採用されます。
[ロシア海軍の新世代コルベット・プロジェクト20386はガスタービン電気推進システムを装備する]
プロジェクト20386は、10隻以上の建造が計画されています。
[ロシア海軍は新世代コルベット・プロジェクト20386を10隻以上建造する]
この内、1番艦「ジェルズキー」を含む3隻は2025年までの就役が予定されています。
[2025年までに3隻のプロジェクト20386(ジェルズキー型)コルベットがロシア海軍へ就役する]
「ジェルズキー」の名で起工されたプロジェクト20386コルベット1番艦ですが、ロシア海軍にとっては伝統的な名前である「メルクーリイ」(1928~1829年のロシア-トルコ戦争において、1829年2月9日に2隻のトルコ戦列艦と戦って勝利したブリッグ)へ改名される事になりました。

[ロシア海軍のプロジェクト20386コルベット1番艦ジェルズキーはメルクーリイに改名される]
2019年4月23日、「ジェルズキー」改め「メルクーリイ」の船体は接合されました。
2020年3月末、「メルクーリイ」の船体は造船台から進水しました。

ただし、これは正規の進水では無く、他の艦を建造する為に造船台を空ける為のようです。
[ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"の船体は進水した]
今後、「メルクーリイ」は造船所の岸壁で艤装工事が行なわれます。
「メルクーリイ」の為のガスタービンエンジンM90FRは完成し、試験も完了しています。

[ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"のガスタービンエンジンは完成し、引き渡しを準備している]

2021年7月20日、サンクトペテルブルクの『中部ネヴァ川造船工場』で製造されたガラス繊維強化プラスチック製の「メルクーリイ」上部構造物が『北方造船所』へ到着しました。
今後は上部構造物内部へ各種機器が設置され、その後に船体と接合されます。
「メルクーリイ」は、2022年末までにロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト20386コルベット1番艦ジェルズキー改めメルクーリイは2022年末にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代コルベット"メルクーリイ"は完全なステルス艦となる]
ただ、「メルクーリイ」は、新技術、つまり新たに開発される各種機器や兵器などの実験船となる可能性も有ります。
[プロジェクト20386コルベット"メルクーリイ"は実験船になるかもしれない]
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