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ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する

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『イズベスチヤ』より
2013年2月21日0時01分配信
【太平洋艦隊は「ソヴェルシェンヌイ」を待ち倦んでいる】

(ロシア)国防省は新たなコルベットの航海試験を1年延期する。
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(ロシア)国防省は、コムソモリスク-ナ-アムーレアムール造船工場で2006年に起工されたプロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の航海試験を1年延期する。
今、試験は2013年では無く、2014年に予定されている。
(ロシア)海軍総司令部の高位の情報提供者は、その理由が、同艦の製造者が仕事の期日を守れなかった事に有ると『イズベスチヤ』へ伝えた。

「この状況は、(ロシア海軍)総司令部の最近の会議で議論されました。
これまでの時間で、船体の形成のみが完了しており、上部構造物は、昨年秋に工場へ届けられています。
動力装置は、未だ準備されておりません。
それは全て同艦を建造している(アムール)造船所の失策です」

彼は伝えた。
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元々の計画によると、同艦は、今年(2013年)前半には係留試験に、第4クオーター(10-12月)には航海試験に合格していなければならなかった。
しかし、それが実施されない事は明白であり、同艦の準備が整う新たな期日が2014年末になる事は明らかである。
(ロシア海軍)総司令部の士官は伝えた。

プロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェンヌイ」、「グロームキー」「リェーズヴイ」(後者の2隻は、図面及び契約上にのみ存在する)は、その地政学的重要性にも関わらず、消えて無くなりそうに見える太平洋艦隊の艦艇編制を更新するものである。
バルト艦隊は2隻のプロジェクト20380コルベットを誇り、北方艦隊には、比較的新しい重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」が在る。

ロシア極東海域で最も新しい大型水上艦は、1991年に就役した大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」であり、太平洋艦隊旗艦の巡洋艦「ワリャーグ」は、1989年(の就役)である。
新しいのは、2隻の揚陸艇と1隻のロケット艇のみである。
プロジェクト20380コルベットは、近海ゾーンで行動する為に設計されている。

「アムール造船工場」は、2007年に「統合造船業営団」へ加入した。
同社(アムール造船工場)の代理人は、 資金不足と製造計画の挫折の問題によるものであると『イズベスチヤ』へ説明した。

「2006年の(ソヴェルシェンヌイ建造)契約時に統合造船業営団は設立されておらず、アムール工場の前所有者は素直に転売しました。
セーヴェルナヤ・ヴェルフィ及び他の造船会社の場合、80億ルーブルの取引額が用意されましたが、アムール工場は70億ルーブルで請け負われ、投げ売りされました。
この金額は、最新鋭艦を造った経験により提示されましたが、これは非現実的です」

彼は述べた。

統合造船業営団は、2010年に新たな状況を軍へ報告し、この2年以内に「挫折した(契約)文書及び(工場の)運転」の作業量の評価を100-110億ルーブルと見積もった。
(アムール)造船所は、資金供給の不均一なペースに不満を持っている:当初は必要額の3-5パーセントであり、ここ2年間では1パーセントに落ち込み、インフレ率と作業及び材料コスト分の増加は無かった。

「国防省は、2012年からは我が社(アムール造船工場)へコルベットの為に総額70億ルーブルを支払いましたが、更なる資金は要求されていません」
情報提供者は嘆いた。

彼によると、奇妙な事に、軍は、他のプロジェクト20380コルベット「ボイキー」の為の資金拠出増加には安易に合意した。
それはサンクト-ペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造されており、費用は約100億ルーブルになる。
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「サンクト-ペテルブルク(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)は資金を与えられているのに、極東(アムール造船工場)には与えられません。
資金さえあれば、艦は2-3年で準備できるのです。
私共は、速やかに決定しなければなりません。彼らの造船台が老朽化しないように」

統合造船業営団の代理人は『イズベスチヤ』へ表明した。

(ロシア)海軍総司令部は、資金割り当ては、船体の建造開始のみならず、(全体で)70億ルーブルで充分であると答えた。
トップ艦「ステレグーシチー」には国庫の「鍵の下で」80億ルーブルが支出され、遠距離高射複合体「リドゥート」と最新の戦闘情報管理システムを有する改良型の「ソーブラジテルヌイ」には100億ルーブルである。
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「ソヴェルシェンヌイ」には、そのようなものは提供されていないのに、全て平等に何も行われていない。
(ロシア)海軍士官は、作業に関して不快感を示した。

統合造船業営団の対談者は『イズベスチヤ』に反論した。
極東での作業コストは、バルト海に比べ、いずれの場合においても、同地域の労働者の賃金、より高価な電気料金、全国からの機器及び材料の輸送費用が影響を与える。
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不満が出ているのにも関わらず、(ロシア)海軍は、アムール造船工場から次のコルベットシリーズ「リェーズヴイ」の建造を取り上げる決定を検討している。
(ロシア海軍)総司令部は、移管する必要は無いと言う。


[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]

プロジェクト20380コルベット「ソヴェルシェンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク-ナ-アムーレアムール造船工場で起工されました。
以前は2013年に就役すると言われていましたが、今回の記事によると、その可能性は消えました。

アムール造船工場で建造されているコルベットに関しては、以前にも費用問題で建造工事が遅延されると報じられています。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]

「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はサンクト-ペテルブルクで製造され、2013年10月にアムール造船工場へ到着し、船体上に設置されました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]
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アムール造船工場で建造されるコルベットの為の各種部品は、ロシア西部地域(サンクトペテルブルクなど)で製造され、極東へ運ばれます。
[太平洋艦隊の為の新世代コルベットの部品が製造される]

今回の記事によると、コルベット「ソヴェルシェンヌイ」には、同型艦「ソーブラジテルヌイ」などに搭載されている新型の高射ミサイル複合体「リドゥート」は搭載されないようです。
[ロシア海軍の新型コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
おそらくは、「ステレグーシチー」と同様の「コールチク-M」か、他の近接高射ミサイルが搭載されるのでしょう。
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しかしながら、サンクト-ペテルブルク「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で建造される同型艦に比べると、各種コンポーネントの輸送費用などが余分に掛かる事になり、造船業界サイドにしてみれば、その分も貰わなければ赤字になってしまいます。

今回の記事を読む限り、ロシア海軍側は、そのような「地方の事情」を全く考慮していないようです。

なお、今回の記事では、アムール造船工場で建造される2隻目以降のコルベット「グロームキー」「リェーズヴイ」「図面及び契約上のみの存在」と書かれていますが、「グロームキー」は2012年4月20日に起工されています。
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[親衛コルベット「グロームキー」の建造は開始された]
[新世代コルベット「グロームキー」は起工された]
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以前は、アムール造船工場で起工される2隻目のコルベットの艦名が「リェーズヴイ」になると言われていましたが、2隻目は「グロームキー」と命名されました。


記事中にあるロシア太平洋艦隊「新しい2隻の揚陸艇と1隻のロケット艇」というのは、2000年以降に就役した水上艦艇を指しています。

揚陸艇は2010年6月4日に就役したD-107(プロジェクト11770「セルナ」)と、2013年就役予定の「イワン・カルツォフ」(プロジェクト21820「ジュゴン」)ロケット艇は2003年9月24日に就役したR-29(プロジェクト12411「モルニヤ」、タランタルIII級)です。

揚陸艇D-107
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プロジェクト21820揚陸艇
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ロケット艇R-29
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