ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機隊は2021年8月以降にクリミア半島の艦上航空隊訓練複合体ニートカで訓練を行なう
- カテゴリ:ロシア海軍航空隊


『タス通信』より
2021年7月24日9時6分配信
【クリミアの「地上空母」で2個航空連隊の飛行士が訓練を行なう】
ジュコーフスキー/モスクワ州、7月24日/タス通信
2021年、サキの航空隊地上試験訓練複合体(ニートカ)は、初めて一度に北方艦隊海上航空隊の2個航空連隊の艦上飛行士の訓練の為に使用される。
『タス通信』は、金曜日の国際航空宇宙サロンの最中に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「現行の計画では、初めに8月に第279独立艦上戦闘機航空連隊のパイロットが、その後、彼らに合流するか、或いは交代して第100独立艦上戦闘機航空連隊が複合体ニートカで訓練を行ないます」
彼は明らかにした。
双方の連隊は、北方艦隊海上航空隊の一員である。
第279航空連隊は航空機Su-33及びSu-25UTGで武装しており、第100航空連隊はMiG-29/KUBで武装している。
複合体「ニートカ」は、艦上航空隊の航空機の発艦及び着艦へ取り組む為に意図されている。
サキの複合体は、トランポリン台と航空機拘束装置を持つ艦の甲板の形の鋼鉄の飛行スペースを備える集合飛行場である。
飛行スペースの寸法は、「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板に等しい。
以前、情報提供者は『タス通信』へ、軍当局が5億ルーブルの「地上航空母艦」の修理契約へ署名したと伝えた。
航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」自身は、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合航空機製造営団』へ加入)で行なわれている修理の後の2022年には試験へ入らなければならない。



ソヴィエト連邦時代(1980年代初頭)、ウクライナには航空母艦の飛行甲板を模した発着艦訓練施設「ニートカ」が建設されました。
[地上試験・訓練複合体「ニートカ」]
[サキ飛行実験センター(ニートカ)]
[Нитка(ニートカ)~知られざる旧ソ連の蒸気カタパルト開発の経緯~]
ソ連邦解体後はウクライナに接収され、ロシアはウクライナと協定を結んで「ニートカ」を使用していました。
2012年8月、改訂された「ニートカ」使用協定にロシア・ウクライナ国防相が署名しました。
[ロシアとウクライナは艦上機訓練施設ニートカ使用協定を改訂した]
しかし、2013年にはロシアは「ニートカ」を使用しませんでした。
[ロシアは2013年にウクライナのニートカを使用しない]
その一方、ロシアは、クラスノダール地方のエイスク市に新たな「ニートカ」の建設を開始しました。
[ロシアは、2010年に空母パイロット訓練センターの建設を開始する]


その後、2014年3月18日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領がクリミア自治共和国をロシア連邦へ編入する条約に署名した事により、クリミア半島のサキに在る「ニートカ」は再びロシアの手に戻りました。
[ウクライナの訓練複合体ニートカ要員はクリミアへ忠誠を誓う]
[クリミア半島のニートカは2015年2月末から本格的に稼働を再開する]
これにより、クリミアの旧ニートカは主に現用のロシア海軍艦上戦闘機隊の訓練に使われ、エイスクの新ニートカは主にロシア海軍航空隊の新型航空機の各種試験と訓練に使われる事になりました。
[ロシア海軍航空隊の2つの「ニートカ」]
2014年9月初頭、ロシア海軍のSu-33艦上戦闘機は、クリミアの「ニートカ」へ戻ってきました。
[ロシア海軍艦上航空隊はクリミアのニートカへ戻ってきた]
以後、クリミアの「ニートカ」ではSu-33艦上戦闘機の訓練が行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機航空連隊はクリミアのニートカでの訓練を終えた]
一方、エイスクの新ニートカでは、主に新型機の試験や訓練が行なわれています。
[ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将はエイスクのロシア海軍飛行訓練センター(新ニートカ)を視察した]
[エイスク飛行場にロシア海軍航空隊の新型シミュレーターが設置された]
[クラスノダール地方エイスクのロシア海軍の新ニートカは2022年に完成する]
2019年には、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBが10月、Su-33が2月と11月にクリミアの「ニートカ」で訓練を行なっています。
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBはクリミアの発着艦訓練施設ニートカでの訓練を完了した]
[ロシア海軍北方艦隊の艦上戦闘機Su-33はクリミア半島の訓練複合体ニートカで『発着艦』訓練を行なう]
以後、クリミアの「ニートカ」での艦上戦闘機隊の訓練は実施されておらず、修理が必要な状態に在ります。
[クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカは修理及び近代化される]
クリミアの「ニートカ」の修理及び近代化の為の契約は、2021年5月下旬に署名されました。
[クリミア半島のロシア海軍航空隊の艦上航空隊訓練複合体ニートカの修理及び近代化の契約が締結された]
そして2021年8月に先ずSu-33の第279航空連隊が、その後、MiG-29Kの第100航空連隊が「ニートカ」で訓練を行なう事になりました。
それまでに「ニートカ」の修理及び近代化が完了するのは疑問ですが、取りあえず戦闘機の発着訓練が出来るレベルに修復し、引き続き他の工事を行なうのでしょうか。
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