ミグは第5世代艦上戦闘機プラス艦上無人機を開発する
- カテゴリ:ロシア海軍新世代艦上戦闘機

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年7月26日2時7分配信
【情報筋:『ミグ』は第5世代艦上戦闘機の開発を始めた】
モスクワ、7月26日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア航空機製造団体(RSK)『ミグ』は第5世代艦上戦闘機の開発を始めた。
それは「ステルス」技術を使用して作られ、今後数年で試験用見本航空機の作成が計画されている。
『ロシア通信社ノーボスチ』は防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。
「同社は、ステルス技術を使用して作られる第5世代将来艦上戦闘機の作業を進めています。
現在、コンピュータモデリング段階が進行しており、今後数年で最初の試験用見本航空機のロールアウトが計画されています」
情報提供者は話した。
彼は付け加えた「プロジェクトの枠組みにおいて、垂直離着陸戦闘機ヴァージョンの作成の可能性も検討されています。
航空機は、MiG-35の寸法で作られるものと見られています」

対談者は、この機体が複合体~艦上航空機プラス重量10トン以上の無人飛行装置~の枠組みで作成され、「全翼機」の空力形状概略の下で作られる事を明らかにした
「装置は『忠実な僚機』の概念の枠組みで戦闘機と一緒に使用されなければなりません。
その機能は、給油もしくは合同で打撃を与える事になります」
情報提供者は付け加えた。
対談者は、装置は、無人機「スカート」の開発成果の使用も含むと説明した。




航空サロン『MAKS-2021』で『ミグ』は、大型模型の形で将来艦上航空隊多機能複合体を提示した。
提示されたものには、第5世代艦上戦闘機の大型模型も含まれる。
模型によると、航空機は電波位置測定視認性を低減した双発機である。
機体は空力形状概略「アヒル」、即ち前部水平尾翼である~航空機の後ろには、水平尾翼の無い2つの垂直安定舵が有る。

更に、複合体を構成する無人飛行装置の模型も示された。
将来装置の独特な特徴は、ひっくり返った「V」の形の尾翼である。

ロシア航空機製造団体『ミグ』(旧ミグ試作設計局)は、1980年代にソヴィエト連邦海軍向けの艦上戦闘機MiG-29K(9-31)を開発しましたが、試作機のテスト中にソヴィエト連邦が崩壊し、結局不採用となりました。
その後、第4++世代として再設計されたMiG-29M2の艦上戦闘機型となるMiG-29KUB(9-47)とMiG-29K(9-41)が新たに開発され、2000年代後半に初飛行しました。
MiG-29Kは単座型、MiG-29KUBは複座型ですが、他の第4++世代MiG-29シリーズと同様、単座型と複座型で機体フレームとキャノピーは全く同一です。
[艦上戦闘機MiG-29K(9-41)]
[艦上戦闘機MiG-29KUB(9-47)]
MiG-29K/KUBは、先ず初めにインド海軍へ採用され、第1バッチ(16機)と第2バッチ(29機)合わせて45機が2016年末までに引き渡されました。
更なる追加購入の可能性も有ります。
[インドは艦上戦闘機MiG-29K/KUBの追加購入についてロシアへ問い合わせた]
その後、ロシア海軍向けにも24機が発注され、2015年12月末までに契約分全機の納入が完了しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
ロシア海軍のMiG-29K/MiG-29KUBは、2016年10月15日から2017年2月8日に掛けて地中海への遠距離航海を行ない、シリア沖まで進出した重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機として、シリア領内のテロ組織への空爆にも参加しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33とMiG-29K/KUBは2016年11月~2017年1月にシリア領内のテロ組織を空爆した]
『ミグ』は、2010年代前半頃から自主開発という形で第5世代軽戦闘機の開発を進めていました。
『タス通信』より
2015年6月18日16時58分配信
【ロシア航空機製造団体『ミグ』は発注が無いのにも関わらず第5世代軽戦闘機へ取り組んでいる】




この第5世代戦闘機は、かつて『ミグ』が試作した戦闘機1.44をベースにした「1.44の空力形状概略を基にして、それを発展させたもの」になります。
『タス通信』より
2015年9月29日20時45分配信
【情報筋:ミグはMiG-1.44をベースにして第2のロシア第5世代航空機を開発している】
『ミグ』の第5世代軽戦闘機は、単発機と双発機の2つのタイプが検討されています。
『タス通信』より
2017年7月18日22時32分配信
【ロシア航空機製造団体『ミグ』は、第5世代航空機の単発及び双発エンジンのヴァージョンへ取り組んでいる】
しかし、2021年7月20日~25日にモスクワ郊外のジュコーフスキー飛行場で開催された国際航空宇宙サロンMAKS-2021において、スホーイの新世代軽単発戦闘機「シャフ・イ・マト」(王手詰み、チェックメイト)のモックアップが公表され、こちらがロシア第5世代軽戦闘機の「本命」となる事が明らかにされました。
『タス通信』より
2021年7月21日2時30分配信
【「王手詰み」設計者ストリェリェーツ】
スホーイの新世代軽単発戦闘機チェックメイト設計主任ミハイル・ストリェリェーツ氏へのインタビュー記事。




一方、『ミグ』もMAKS-2021において2種類の新型戦闘機と無人機の模型を公開しました。
双発ヴァージョン(1.44ベース?)



単発ヴァージョン(軽多機能航空機)



無人機



この双発ヴァージョンと無人機が、今回の記事に登場する「第5世代艦上戦闘機」と、同機とペアで運用される無人機になるようです。
「第5世代艦上戦闘機」は、MiG-35と同サイズとの事ですから、現用のMiG-29Kとも同サイズという事になります。


ミグの第5世代艦上戦闘機は、垂直離着陸戦闘機型も検討されているとの事ですが、以前に開発が始まったと伝えられたヤコブレフの新世代VSTOL艦上戦闘機と統合されるのでしょうか。
[ロシア航空機製造業界はロシア海軍の為の新世代VSTOL艦上戦闘機の開発作業を進めている]
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