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ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は10回目の北極圏航海へ出発した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2021年8月10日14時45分配信
【北方艦隊の北極グループは北氷洋の海への航海に出発した】

北方艦隊北極グループは、北氷洋の海への航海に出発した。
この活動は10年間連続で実施されている。
航海は、北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将の将旗の下で行なわれる。

午前、北極航海へ参加する部隊の北方艦隊主要基地セヴェロモルスクからの出航はコラ多種戦力小艦隊掃海艦グループにより保障され、コラ湾を通過し、バレンツ海で航行隊列を形成した。
更に、艦・支援船支隊は北へ進路を取った。

北極航海の第1段階では、艦・支援船支隊の一員として大型対潜艦「セヴェロモルスク」、救助曳船「パミール」給油船「セルゲイ・オシポフ」が行動する。

航海へ出るまでの数日間、艦船の乗組員はバレンツ海で整然とした合同行動へ取り組んだ。
船員は通信演習を行ない、そして更には一連の物資-技術支援、遭難した船へ援助を与える演習を行なった。
これに加え艦船の乗組員は、海上移動及び無防備の泊地での支隊の対空、対潜、対水中工作防衛の課題へ取り組んだ。

北方艦隊の艦と支援船の今次北極航海は、北極におけるロシア連邦の利益の防護の保障へと指向される複合活動実行の枠組みで行なわれる。
航海の様々な段階では、大型揚陸艦を含む8隻の艦及び支援船が北方艦隊支隊の一員として行動する。

北方艦隊艦・支援船支隊の航海は、約2ヶ月間続き、北方海上航路海域を含む北氷洋の海の通行が計画されている。

北方艦隊将兵は、北極ロシア及び大陸を防衛する幾つかの演習へ参加し、北極ゾーンにおけるロシア連邦の海上船舶航行及び他の種類の海上経済活動の安全を保障する。



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ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。

2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]

2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】

2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]

2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」


2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]

演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島コテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。


2016年8月30日~10月7日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した]

この時には太平洋艦隊からも砕氷船「イワン・スサ―ニン」大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」が派遣され、ノヴォシビルスク諸島で合同演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・パンテレーエフは北極圏遠征から戻ってきた]

2017年8月10日~10月4日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型揚陸艦「コンドポガ」、「アレクサンドル・オトラコフスキー」、「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」などが北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊の北極海遠征(2017年8月-10月)]

2018年8月8日~10月11日には、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊は、7度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
この時にはオホーツク海まで進出し、極東のロシア連邦軍大演習『ヴォストーク-2018』にも参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏遠征(2018年8月-10月)]

2019年8月5日~9月30日には、前回同様大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が、8度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第8次北極遠征(2019年8月-9月)]

2020年8月5日~10月20日には、大型対潜艦「セヴェロモルスク」を旗艦とする北方艦隊艦船支隊が9度目となる北極圏への遠距離航海を行ないました。
[ロシア北方艦隊第9次北極遠征(2020年8月-10月)]

北方艦隊は2021年1月1日からロシア連邦軍軍管区となりました。
[ロシア海軍北方艦隊は2021年1月1日からロシア連邦軍の軍管区となった]


そして2021年8月10日、10度目となる北極圏への遠距離航海が始まりました。
指揮官は、2018年、2019年、2020年の北極遠征と同様の北方艦隊副司令官オレグ・ゴルべフ中将です。
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[北方艦隊北極支隊](オレグ・ゴルべフ中将)
大型対潜艦「セヴェロモルスク」(619)
救助曳船「パミール」
大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」


出航時にはこの3隻でしたが、今後、北方艦隊大型揚陸艦などが合流します。
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