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ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦ツィクロンは洋上試験の準備を完了した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年8月23日10時45分配信
【黒海艦隊は新たな小型ロケット艦「ツィクロン」の試験の準備を完了した】

黒海艦隊は、ケルチ造船工場『ザリフ』で建造され、2020年夏に進水した新たなプロジェクト「カラクルト」小型ロケット艦「ツィクロン」の試験の準備を完了した。

現在、新たな小型ロケット艦は、艦が国家試験を行なう黒海艦隊ノヴォロシースク海軍基地に駐留している。

契約軍人から形成された艦の乗組員は、サンクトペテルブルク海軍統合訓練センターでの研修を完了した後に艦へ到着し、戦闘番号に沿った管理の習得へ着手した。

近い内に、乗組員は造船工場の代表と共に試験プログラムの実行へ着手する。

黒海艦隊の戦闘編制への小型ロケット艦「ツィクロン」の加入は2021年末に計画されている。
艦は、黒海艦隊ロケット艦連合部隊の一員として任務を遂行する。

[参照]
プロジェクト「カラクルト」小型ロケット艦
は、武装としてミサイル「カリブル」を持つ汎用ミサイル複合体砲装置AK-176MA高射ミサイル複合体「パーンツィリ-M」大口径機関砲装置を有する。
艦の航続距離は2500海里、自立行動期間は15日。




プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦であり、ロシア国内の複数の造船所で建造されています。
(サンクトペテルブルク『ペラ』造船所で4隻、クリミア半島フェオドシヤ造船所で3隻、ケルチ『ザリフ』造船所で3隻、ゼレノドリスク造船所で2隻、コムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で4隻)


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ロシア内陸部タタールスタン共和国『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]

『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島ケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア共和国ケルチ市のザリフ造船所はロシア海軍将来空母の建造へ参加できる]
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「ツィクロン」(工場番号801):2016年7月26日起工
「アスコリド」(工場番号802):2016年11月18日起工
「アムール」(工場番号803):2017年7月30日起工

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2019年2月26日には『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

5隻目の「タイフーン」(工場番号805)は2019年9月11日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]

これで、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻は全て起工されました。

その1隻目となる「ツィクロン」は、2020年3月末までに黒海艦隊で乗組員が編成されました。
[ロシア海軍黒海艦隊はブヤン-M級小型ロケット艦グライヴォロンとカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンの乗組員を編成した]

「ツィクロン」は2020年7月24日に進水しました。


[ロシア海軍黒海艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンはケルチで進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装が進められました。
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その後、ノヴォロシースク海軍基地へ回航され、2021年8月下旬には洋上試験の準備を完了しました。
「ツィクロン」は、8月末~9月初頭頃に洋上試験を開始します。


「ツィクロン」は、2021年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[カラクルト級小型ロケット艦ツィクロンとアスコリドは2021年末までにロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ配備される]
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