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ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは長期任務を終えてカムチャツカの基地へ帰投した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年8月24日8時41分配信
【太平洋艦隊の原子力潜水艦「クズバス」は海上での長期の任務遂行後に駐留所へ戻った】

太平洋艦隊原子力潜水艦「クズバス」は、海上での長期の任務遂行後に駐留所へ戻った。

太平洋艦隊潜水部隊の恒久駐屯所で潜水艦船員は、連合部隊司令部、本部の士官、ヴィリュチンスク市区域管理部、艦隊の退役将兵、軍事スポーツ少年団員、家族及び親類に歓迎された。

原子力潜水艦「クズバス」艦長は、乗組員は与えられた任務を遂行し、健常であり、新たな命令を実行する準備を整えていると報告した。

太平洋艦隊潜水部隊司令官臨時代行のロシア英雄ワレーリー・ワルフォロメーエフ少将は、戦闘任務を成功裏に遂行した乗組員を祝福し、伝統の下で乗組員へ子豚の丸焼きを贈った。

式典は、特に顕著な働きを見せた将兵への表彰で終わった。

潜水艦船員の故国への帰還は、更に、市庁の指導者、退役将兵、婦人評議会の代表により祝福された。

原子力潜水艦「クズバス」は、第3世代のプロジェクト971「シチューカ-B」多目的原子力潜水艦であり、高い隠密性を持ち、深度600メートルまでの潜航が可能であり、自立航行期間は100日間である。



プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」)原子力大型潜水艦K-419は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市レーニン共産党青年団記念造船工場(現アムール造船工場)で1991年7月28日に起工されました。

建造中にソ連邦は解体されましたが、1992年5月18日に進水し、1992年12月31日にロシア海軍へ納入されました。
この間、1992年4月28日には「原子力巡洋潜水艦」へ類別変更されました。

翌1993年1月30日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式にロシア海軍へ就役しました。

1993年2月5日に太平洋艦隊第2潜水艦小艦隊・第45潜水艦師団へ編入され、7月10日にカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ到着しました。
1993年4月13日には「モルシュ」Моржと命名されました。

1995年10月14日から12月15日まで戦闘勤務を実施。
1996年5月5日から7月26日まで戦闘勤務を実施。
1997年7月6日から8月18日まで戦闘勤務を実施。

1998年1月29日にロシア海軍総司令官の指示で「クズバス」Кузбассと改名されました。
因みに、「クズバス」Кузбасс「クズネツク炭田」Кузнецкий угольный бассейн の略称です。

1998年5月1日、第10潜水艦師団へ転属しました。

2001年には小規模な修理を行ないました。

2007年8月には原子力巡洋潜水艦「ネルパ」(現在はインド海軍へリース)の試験の支援へ参加しました。

2007年9月から12月までボリショイ・カーメニドックで修理を実施。

2008年7月末にはウラジオストク沖でロシア海軍記念日の観艦式に参加しました。
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2009年にはボリショイ・カーメニ艦船修理工場「ズヴェズダー」へ回航され、核燃料交換などを含む大規模なオーバーホールと、部分的な近代化改装(プロジェクト971Uへのアップグレード)が始まりました。
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オーバーホール(近代化改装)は2015年秋にようやく完了しました。

2015年12月18日にはロシア連邦首相ドミトリー・メドベージェフ氏(前ロシア連邦大統領)が「クズバス」を視察しました。

当初の計画では、「クズバス」は2015年12月末までに太平洋艦隊へ復帰する筈だったのですが、数ヶ月間延びて2016年3月下旬になりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月末までに復帰する]

「クズバス」は、「ロシア潜水艦乗員の日」である2016年3月19日に太平洋艦隊へ引き渡されました。
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスは2016年3月19日にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]


復帰した「クズバス」は、2016年7月31日の『ロシア海軍の日』ウラジオストクで行なわれた観艦式へ参加しました。

その後、カムチャツカ半島原潜基地ヴィリュチンスクへ向かいました。
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以後の「クズバス」の動向は一切公表されていませんでしたが、2017年9月8日にはカムチャツカ沖で魚雷発射訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはカムチャツカ沖で魚雷発射訓練を行なった]

2017年9月15日には戦略用途原子力水中巡洋艦「リャザン」と対決(決闘)方式の戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略用途原子力水中巡洋艦リャザンと原子力巡洋潜水艦クズバスは『決闘』を行なった]

その後の「クズバス」の動向も全く公表されていませんが、2018年7月29日の『ロシア海軍の日』にはペトロパブロフスク-カムチャツキーで行なわれた観艦式へ参加しました。
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『ロシア海軍の日』観艦式終了から数日後、「クズバス」オホーツク海で魚雷攻撃訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはオホーツク海で魚雷発射訓練を行なった]

2019年11月21日にカムチャツカ沖魚雷発射訓練を行ないました。
「敵役」を務めたのは、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦「オムスク」です。

[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦クズバスはカムチャツカ沖で原潜への魚雷発射訓練を行なった]

以後、「クズバス」の動向は全く公表されていませんでしたが、2021年8月24日に海上での長期任務を終えてヴィリュチンスクへ帰投しました。

「任務」の具体的な内容は一切明らかにされていませんが、オホーツク海太平洋でのパトロールでしょう。
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